営業担当者はどのくらいの頻度で、直観や直感に基づいて意思決定を行っているでしょうか? 売上ダッシュボードでは、関連性のある実用的な売上データが提供されるため、営業担当者はデータに基づいた意思決定を迅速に行うことができます。最新のデータを反映した適切な売上ダッシュボードを利用すると、時間の短縮につながります。営業担当者は、その日に連絡する必要があるリードやノルマの達成度、電話での会話に取り入れるべき話題などに、集中して取り組むことができます。この記事では、効果的な販売戦略に売上ダッシュボードが必要な理由、従業員向けに効果的なダッシュボードを作成する方法のほか、アイデアの参考にできる 7 つの例を紹介します。
売上ダッシュボードの活用が重要となる理由
時間は限られているため、営業担当者は取引の全体像をすばやく把握でき、多くの時間や手間をかけずに、データポイントをより深く掘り下げることができる情報を入手する必要があります。営業担当者は、取引を成立させるために必要な情報を確認するため、業務の大半の時間を CRM ツールに費やしていますが、多くの場合、顧客情報の詳細は複数の画面に分散されており、全体の情報を正確に理解しづらくなっています。営業担当者は売上ダッシュボードを使用することで、管理タスクや必要なデータを探すことにかける時間を短縮して、販売業務に集中できるようになります。
営業分析チームには、CRM データをクリーンアップして分析するという課題があります。CRM ソースシステムからデータをエクスポートする場合、手作業の割合が多く、時間もかかります。顧客のアドホック分析は、ほぼ不可能です。CRM ツールからエクスポートされたデータは、情報の範囲が限られていることが多く、変更されないまま情報が古くなり、結局はスプレッドシートに目を通されることもありません。
営業分析チームが一元化されたセルフサービスのダッシュボードを作成すれば、説得力が高まります。売上ダッシュボードを一元化することで、誰もが同じデータを使用して意思決定を行えるようになります。これらのレポートは、真実を伝える 1 つの情報源になるためです。営業担当者、営業マネージャー、シニアリーダーは、同じ情報を共有して、共通の売上 KPI の達成に向けて取り組みます。部門間で 1 つの情報源を使うことは、直感だけでなく、データに基づいて重要な意思決定を行えることを意味します。
クリーンで検証済みの売上データを提供するライブデータソースと連携したレポートを使用することで、不意を突かれることなく、効果的に準備を行えます。これにより、組織内の全員の俊敏性を高め、迅速に意思決定を行ってノルマを達成し、効果的に販売機会を獲得できます。アナリストはより正確な販売予測を作成し、リーダーはさらに戦略的に担当地域の計画を立て、営業担当者は目標に対する正確な現状を把握できます。
優れた売上ダッシュボードを作る要素
営業組織向けに影響力の高い売上ダッシュボードを作成するには、対象ユーザーに焦点を当て、そのユーザーに関連する KPI について考える必要があります。開始する前に、次の質問を考えてみてください。
- 対象ユーザーは誰か? このダッシュボードを使用するのは誰か? このダッシュボードは、営業幹部、営業マネージャー、または営業担当者向けか? 対象ユーザーを把握することで、含めるべき売上 KPI に焦点を当てられます。
- ダッシュボードで、どの売上 KPI に焦点を当てるべきか? 選択した売上 KPI (四半期予測、ノルマの達成、成長率など) を表示し、特定のデータポイントにドリルダウンする柔軟性も備えたダッシュボードをデザインします。1 つのダッシュボードに、すべての売上指標をまとめて表示すべきではありません。混乱を招き、利用率の低下につながります。
- このダッシュボードは、ライブデータソースに接続しているか? このデータソースは、営業分析チームによって、管理、認証、作成されているか? このダッシュボードは、どのくらいの頻度で更新する必要があるか?
- このダッシュボードをどのように共有する予定なのか? 従業員は定期的に更新情報を受け取れるのか? 内部ポータルで公開するのか、CRM に埋め込むのか?
Tableau のような包括的なビジネスインテリジェンスプラットフォームを使用すると、すべての対象ユーザーに役立つ有用な売上レポートを簡単かつスケーラブルに作成できます。組織内の従業員なら誰でも、Tableau 売上ダッシュボードにサブスクライブできるほか、設定した条件や値に基づいて自動アラートを作成できます。営業リーダーは全体像に集中できるだけでなく、チームがノルマを達成したときや、予約や収益が一定量に達したときのアラートを受け取ることで、現場の重要な詳細を入手できます。
効果的な売上ダッシュボードの例とテンプレート
営業チームをパフォーマンスの向上に集中させ、データに基づいた意思決定を促すための 7 つの売上ダッシュボードの例を以下に紹介します。これらをテンプレート、アイデア、開始ポイントとして活用し、各々のビジネスニーズに合わせてカスタマイズしてください。
1.四半期予測ダッシュボード
1 つのビューで、販売機会、パイプライン、加速または成長する見込みのある取引の全体像を把握して、予測とノルマを比較できます。このダッシュボードを使用して、売上実績を体系的に予測し、達成案件の予測と比較した最善達成案件の予測を把握できます。これにより、不測の事態が発生しても慌てません。営業部のシニアリーダーにプレゼンテーションを行う際には、データに基づく意思決定に使用できる、信頼性の高いデータを確実に提供できます。
- 対象ユーザー: この四半期予測ダッシュボードは、営業アナリスト向けです。電卓および関数ツールとして機能します。
- 注目すべき指標: 達成案件の予測、見込み案件の予測、最善達成案件の予測。
- 用途: 営業組織の四半期予測を作成する際にこのダッシュボードを使用することで、前年比の実績を比較できます。
2.営業パイプラインダッシュボード
このダッシュボードを使用して、パイプラインの健全性や状況を把握します。販売機会の段階、KPI、規模、タイムライン、営業担当者ごとにデータをスライスし、パイプラインを表示することで、必要に応じて迅速に意思決定を行わなければならない販売機会を特定できます。営業パイプラインの状況を完全かつ正確に把握できれば、リードの発生元を評価し、チームのノルマの達成をサポートできるよう、早期に対策を取ることができます。
- 対象ユーザー: このパイプラインダッシュボードは、営業幹部、マネージャー、営業アナリスト向けです。
- 注目すべき指標: 販売機会の段階、規模と営業担当者別の販売機会、販売機会の次のステップ、取引の経過期間とタイムライン、カスタム KPI (製品カテゴリー、パートナーの関与度など)。
- 用途: このダッシュボードを使用することで、パイプラインの健全性に関する大まかな情報と詳細な情報のいずれも入手できます。
3.売上成長率ダッシュボード
このダッシュボードの上部にある「Select how to slice results」(結果をスライスする方法を選択) ドロップダウンメニューでフィルターを選択することで、地域やセグメント、営業担当者の顧客ごとに売上成長率のデータをすばやく絞り込み、前年比を確認することができます。この売上成長率ダッシュボードを最大限効果的に使用するには、提供されているコンテキストを活用しましょう。マネージャーがパターンや傾向を判断し、現実的な目標を設定して、営業担当者を育成できるようサポートしてください。たとえば、担当者ごとに取引の状況を確認することで、営業担当者が戦略を変更して、販売機会を逃す事態を回避できるようにします。これらの実用的なインサイトを用いることで、士気が低下した営業担当者のエンゲージメントを再び高め、チームをカスタマーサクセスに集中させ、計画の不確実性を減らすことができます。
- 対象ユーザー: この売上成長率ダッシュボードは、営業幹部、マネージャー、営業アナリスト向けです。
- 注目すべき指標: 上昇した予約率、さまざまな方法で結果をスライスするフィルターのすべて、顧客レベルで見るデータ、顧客情報。
- 用途: 売上目標を設定する際にこのダッシュボードを使用することで、営業担当者の販売先、販売方法 (内部や現場など)、販売している製品、販売場所に関するコンテキストを入手できます。
4.営業担当地域の割り当て
営業担当地域の作成と割り当てにおいて、積極的なアプローチを取ることで、営業担当者のパフォーマンスを向上できます。担当地域の設定を最適化すると、リソースを変更することなく売上を 2% から 7% に伸ばせることが判明しています。担当地域に影響を与える売上 KPI を把握して、効果的に現場全体の作業負担のバランスを調整し、未対応の販売機会を簡単に特定するためのデータが必要です。
- 対象ユーザー: この営業担当地域の割り当てダッシュボードは、営業アナリストと営業マネージャー向けです。
- 注目すべき指標: さまざまな方法で結果をスライスする 3 つのフィルター、顧客レベルで見るデータ、顧客情報。
- 用途: 売上目標を設定する際にこのダッシュボードを使用することで、営業担当者の販売先、販売方法 (内部や現場など)、販売している製品、販売場所に関するコンテキストを入手できます。
- 対象ユーザー: この顧客管理予測ダッシュボードは、営業アナリストが作成し、営業担当者とそのマネージャーによって使用されると想定されています。
- 注目すべき指標: 製品、サービス、エンゲージメント、カスタマーサクセスごとに分類された生涯収益。設定したすべての KPI が重要となります。
- 用途: 営業担当者はこのダッシュボードを使用することで、重要な指標に集中し、顧客の全体像を把握できます。
- 対象ユーザー: この営業ワークフローダッシュボードは、業務に集中できるよう、営業担当者が勤務時間を通して使用することを意図しています。
- 注目すべき指標: 顧客別のリードの行動、顧客インサイト (主なライフイベント、クロスセルとアップセルの販売機会、リスクなど)、CRM の連絡先リスト。
- 用途: このダッシュボードを使用して、営業担当者が売上データの「コックピット」やハブを離れずに、十分な情報に基づく意思決定を行えるようにします。
- 対象ユーザー: このエグゼクティブサマリーダッシュボードは、営業部のシニアリーダーが信頼性の高い最新のデータに基づいて、迅速に意思決定を行えるようにデザインされています。
- 注目すべき指標: 四半期累計の売上、現在のノルマ、ノルマと過去の四半期の比較、営業ノルマの差。
- 用途: このダッシュボードを使用して、不要な詳細で圧倒させることなく、必要な大まかな情報をリーダーに提示します。
5.顧客管理、360 度ビューダッシュボード
営業担当者は、顧客との関係における失敗を回避するため、顧客とのやり取りのすべてに関する包括的なデータが必要です。お客様は不満に感じるサービスを最近受けていないか? 営業担当者が把握しておらず保留になっている大規模な取引がないか? など、顧客について包括的に理解するために、重要な売上 KPI を 1 つのビューに表示する必要があります。それにより、企業の構造、企業のどこに販売しているか、特定の顧客での収益額についてなど、すばやく把握できます。
6.営業コックピット: ダッシュボードのワークフロー
この「コックピット」ダッシュボードを使用して、営業担当者の生産性を維持し、業務の進捗を把握しましょう。このワークフローダッシュボードには、営業担当者が必要なデータが表示されるため、ツール間を移動して情報を検索する手間を省くことができます。CRM やその他の導入済みのツールに接続している、ノルマ達成、タイプ別に絞り込んだリードの行動、連絡先リスト、顧客インサイトに関するデータをまとめて表示するため、営業担当者が適切なタイミングで、適切な行動を取れるようサポートできます。
7.エグゼクティブレポート: 売上概要ダッシュボード
このレポートを使用すると、営業担当者は四半期累計 (QTD) の売上実績を追跡し、CRM データに基づいて、ダッシュボード内で製品と販売機会のタイプで絞り込まれた、現在のノルマと前四半期に関する数値を確認できます。リーダーは CRM ツールに直接接続している 1 つのダッシュボードを使うことで、正確性が確かでない古いデータを持つ多数のスプレッドシートを整理することなく、確実に正確なデータを参照できます。営業リーダーは概要を確認することで、営業戦略を策定し、全体像に集中することができます。これは、営業リーダーの本来の業務です。
これらの 7 つの売上ダッシュボードの例を活用することで、時間を節約し、セルフサービスのレポートによってアドホック分析のリクエストを削減することができます。これまで管理タスクに費やしていた時間や、CRM データや情報が古い可能性があるスプレッドシートを調査するのに費やしていた時間をなくすことができます。営業組織にインサイトを提供して、誰もが直感ではなくデータに基づいて、重要な意思決定を行えるようにします。その他のリソースやストーリーを参照して、データドリブンな営業チームを作るには、 Tableau 営業分析ソリューションページをご覧ください。