Tableau を活用して定時運航の維持と機材運用の最適化を行う Southwest Airlines 社
1 日 4,000 便の定時運航を最適化
運航計画の改善で燃料費を節約
4 年間で Tableau ユーザーを 3 人から 2,900 人に拡大
700 機超の航空機で毎日 4,000 便以上を運航する Southwest Airlines 社は、米国で最大の国内線航空会社であり、機材、空港、顧客、乗務員、整備など、業務の全体でデータを収集しています。
従来 Southwest 社のデータは、さまざまなレガシープラットフォームでサイロ状態になったまま維持管理されており、ジレンマを引き起こしていました。全社規模でデータを把握できなかったため、増加し続けるデータの迅速な利用、統合、クリーニング、分析が難しく、不一致や重複、複数の情報源の存在という問題が発生していました。
同社の IT チームは、大規模なセルフサービス分析の文化の実現と、信頼できるデータの探索を行えるセキュアな環境の提供のために Tableau を選定し、誰もが同じように最新情報を入手できるようにしました。Tableau は、整備や財務からカスタマーサービスに至るまで点と点を結びつけました。そしてリアルタイムでインサイトが得られるため、効率が向上したほか、路線をどこに就航させるかやゲートでの待ち時間の削減方法など、解決の機会も明らかになってきました。
現在 Southwest 社は Tableau を活用して、優れたパフォーマンスを維持し乗客に快適な旅を提供するのに必要なデータを収集、利用しています。3 人だった Tableau のアクティブユーザーも、自然な成長を通じて 36 部門の 2,900 人にまで拡大しました。
従業員は各自の仕事が以前より大きなインパクトを会社に及ぼしているため、自分の価値を感じられるようになりました。自分が本当に変化をもたらしたと実感したときに得られる、誇らしい気持ちを抱いています。その実現に欠かせないのが適切なソリューションの導入です。
一日 4,000 便で運航効率を向上
Southwest 社は AirTran 社の買収、機材の増強、国際線への進出による成長にあわせて、会社とともに規模拡大し、大きくなり続けるデータセットにもより迅速に対応できるようにする、セルフサービス分析とカスタマイズされた BI に移行する必要がありました。また業務グループも、最適化された定時運航 (OTP) と顧客満足度を確保するために、顧客が予約し利用した旅行数と定時に到着したかどうかを、迅速かつ正確に理解しなければなりませんでした。Southwest 社はリアルタイムで収集されたデータを全社規模で把握していなかったため、業務のそれぞれの部分のパフォーマンスを見て、顧客のための改善点があるか、競合他社や成長、変化に追いついていけるかを評価することはできませんでした。
従来、Southwest 社の IT チームは機材運用の状況を理解するために、Access や Excel、Oracle、SQL Server、同社のエンタープライズデータウェアハウスである Teradata など、レガシーシステムとさまざまなソースから手動でデータを引き出していました。28 部門がそれぞれ、さまざまなデータを生成し分析していたため、情報はあちこちに分散し、パフォーマンスの全体像も得にくくなっていました。さらに複雑なことに、同じデータに全員がアクセスできるわけではなかったため、ときに見解の不一致や混乱が生じていました。
データサイエンスセンターチームでビジネスコンサルタントを務める Tom Laney 氏は、「当社のエンタープライズデータは、社内全体でサイロ化していました。多種多様で複雑なうえ、どれだけ乱雑かクリーンかという点でも異なっていました。しかも、社内全体の離れた場所に分散していたのです」と述べています。全データに接続するために、IT 部門は更新や保守、共有がしにくい SQL クエリに依存していました。その結果、業務グループはデータの統合、クリーニング、分析、利用に苦労していました。
Southwest 社は需要の高まりに伴い、一元的なデータ管理から大規模なセルフサービス分析に移行するために Tableau の検討を開始しました。まず、3 人のユーザーが Tableau Desktop を使い始め、レポートを Tableau Server にパブリッシュしました。その体験を社内に伝えると導入は自然に増え、4 年間で Tableau Server のアクティブユーザー数が 2,900 以上、Tableau Desktop のライセンス数は 400 以上にまでなりました。
「Tableau のデモを始めるやいなや、分析スキルを持つ従業員全員がそれを見ずにはいられなくなりました」と、Laney 氏は語っています。会社への影響はとても大きなものでした。インサイトを得るまでにかかる時間が短縮されたため、Southwest 社は新たな機会を迅速に見出し、効率を改善して、時間とコストの削減を推し進めることができるようになりました。
IT 部門は、小規模な本番環境の構築をサポートし、ユーザーが分析を通じて自分の質問に答えを出せるようにしました。Tableau が多種多様なソースからデータを収集して、自動的に更新されるダッシュボードを生み出している現在、更新と保守、他ユーザーとの共有が難しかったレポートやプレゼンテーションのために、アナリストが何日もかけてデータを手動で組み合わせることはもうありません。定時運航の追跡を担当している運航パフォーマンス部門も、ほぼリアルタイムの 15 分おきに全社規模の定時運航率を提供し、過去の状況と比較して運航状況を追跡できるようになりました。
以前なら考えなかったかもしれない路線を就航する、新しい機会を提示してくれています。
すべての写真は、Southwest Airlines 社のご厚意により提供されたものです。
技術運用によるデータ効率化が Southwest 社機材の健全性を改善
技術運用機材信頼性グループは、整備とエンジニアリングに関するインサイトを提供しています。Southwest Airlines 社の機材の全体的な健全性を管理するために、同グループは航空業務、地上業務、機内、技術業務の各部門が生成したデータを、機内の航空機システムによるデータと組み合わせて分析します。残念なことに、チームが緊急の要望への対応や航空機の整備履歴に関する回答を行って、機材が確実に最高水準で運用されるようにするのに必要な分析機能は、Excel にも PowerPoint にもありませんでした。
「当社のリーダーたちは、『1 週間待ってください』というアプローチではなく、オンデマンドでさらに多くの情報を求めていたため、私たちは何か別の手段を取る必要がありました」と、航空機信頼性部門マネージャーの Troy Roskop 氏は語っています。
Southwest 社で Tableau の導入が進む過程で、Roskop 氏のチームも導入に踏み切りました。4 か月後には、チームは Tableau を利用して、インタラクティブなダッシュボードを作成し、会社のリーダーが機材の整備履歴を理解するためにアクセスできる同社の Web ポータルに埋め込んでいました。
Southwest 社は、データを掘り下げて航空機が整備基準を満たしたかどうかを調べるとともに、整備の監視を標準化しリアルタイムの分析で正確性を向上させるために、Tableau を活用して整備に関する一元化された情報源を構築しました。社内のアナリストは新しい月次レポートを作成する必要がなくなって、数日分の作業を省き、またリーダーもすぐに得られるインサイトと答えに満足しています。
簡単になった分析で見出される、顧客満足度を向上させる能力拡大の機会
路線網計画・能力計画グループは収益性データを処理して、路線、拠点、地域の全体でパフォーマンスを分析しています。以前ならこの作業では、ほぼ 100 か所の拠点と 600 以上の路線を反映するために、収益性に関する扱いにくい物理的な書類を四半期ごとに保守する必要がありました。この方法では、リーダーが情報をうまく再検証できず、そのデータ量のために情報はすぐに古くなっていきました。
同チームは Tableau で、個々の路線のパフォーマンス、拠点のパフォーマンス、地域のパフォーマンスをすべて示すマップなど、複数のビジュアライゼーションを作成しました。その結果、新しい拠点や路線の追加など、能力に関して以前より強力な提案を行うのに役立っています。今では、収益性データを簡単に収集して分析し、グループの他スタッフやシニアリーダーが利用できるようにしています。路線網計画・能力計画部門でシニアビジネスコンサルタントを務める Allan Kavalich 氏のようなリーダーは、時間を大幅に節約し、日々の意思決定の効果を高めることができました。Kavalich 氏は次のように述べています。「毎日の仕事で助かっています。今は基本的に、グループのスタッフがやって来て、私が Tableau の質問に答えを出すのが日課です」
先ごろチームは、乗客の旅行の好みを一層理解するために、顧客データで郵便番号のトレンドを分析しました。そこでわかったのは、最寄りの空港から出発するよりも、離れた空港からの直行便の方を好む顧客がいるということです。顧客分析によりロサンゼルス盆地に路線を就航する新しい機会が見出され、Southwest 社は現在、顧客の自宅に最も近い空港からの直行便を増やして顧客を満足させています。
懐中電灯を渡すと、見えたことのなかった暗い部屋の隅がその人に見えるようになるのに似ています。
余剰燃料積載を分析して燃料積載量とコスト削減額を最大化
燃料価格は都市によって異なるため、燃料積載量を最適化しようとする場合に航空会社は難しい意思決定を迫られます。これはバランスを取る作業であり、高額な目的地で給油するよりも、低い価格で燃料を購入して必要になるまで機内に積載する方が、費用対効果は高くなる場合もあります。
高額な燃料を相殺し、Southwest 社が余剰燃料積載で利用するべき最適な一連の拠点を決定するために、チームは同社の全 99 拠点を Tableau で分析しました。コスト削減の評価には、数多くの要素が関わっていました。各拠点の 1 ガロン当たりの価格、拠点間の移動にかかるコストの差、各航空機が飛行した回数、空港にある燃料上の制約などです。
Southwest 社は最終的に、給油とコスト削減に対応できる可能性が最も高い 20 拠点を見出し、余剰燃料積載によるコスト削減総額を増やすことができました。
予測機能によりプロセスの改善点を見出す予約センター
Southwest Airlines 社には、顧客の要望や問い合わせを受け付ける予約センターが 7 か所あります。これらの予約センターは、本社にいるアナリストがサポートしています。先ごろ、カスタマーサポート & サービス部門でシニアレポーティングアナリストを務める Katherine McCloskey 氏は、地域チームのリーダーたちと協力して、チームのパフォーマンスの推移を追跡する一連のダッシュボードを作成しました。
レポーティンググループは、Microsoft SQL Server と Teradata に保存されているデータとともに、Microsoft Access と Excel に保存されている調査データを統合して、コール行動の全体像を構築しました。
現在、リーダーはチームのパフォーマンススコアに対するリアルタイムのフィードバックを調べ、担当者も自身の改善度を追跡することができるようになりました。さまざまな職務の従業員約 240 人が、このダッシュボードを利用しています。
先ごろのプロセス変更のとき、McCloskey 氏はデータで外れ値をいくつか発見しました。その外れ値から、プロセス変更が他チームのコール数に影響を及ぼしたことが明らかになりました。「私は Tableau の予測機能を使って、その地域でのリソースとコール数の増加に伴って、別の指標も上がっていることを見つけることができました。予想もしなかった事実です」と、McCloskey 氏は語っています。「この情報基づいてチームは、どのような問題も未然に防ぐために必要な変更を加えることができました」
Tableau は、素晴らしいビジュアライゼーションソリューション以上のものだと思っています。Tableau のおかげで、Oracle Database、SQL データベース、Teradata データベース、Excel のすべてに同じところから接続できます!
モダン分析の文化が Southwest 社の不撓不屈の文化を強化し、新たな可能性を開拓
機内や地上のスタッフから、業務のリーダー、経営陣に至るまで、Southwest 社のチームの大半は、信頼できるセキュアな環境にアクセスして、Tableau でリアルタイムのデータを探索できるようになりました。社内でこれまで 2,000 以上のワークブックがパブリッシュされ、データによるコラボレーションが増加しているだけではなく、人々が自身の業務にそれまでより高い価値とインパクトを感じているために士気も上がっています。誰もがメリットを得られるモダン分析のアプローチにより、Southwest Airlines 社は無限の可能性を手に入れました。