分析によって重要な詳細を明らかにすることで、キャッシュフロー管理を支援する方法
ビジネスの財務トランザクションには、ある程度の複雑性とリスクが伴います。基本的なトランザクションの詳細を把握していない場合、リスクにさらされることになります。高い確率で発生する欠損データや重複データが発生する可能性などは、考慮を必要とするそのほんの数例に過ぎません。また、詳細を把握できていない場合、財務部門および企業のリーダーが自社の財務状況について疑問を抱きます。自社がどのような損益状況にあるのか、そしてその状況に影響を与える要因には何があるのか? Capgemini 社と BNP Paribas 社による調査レポート「World Payments Report 2017 (英語)」では、Tableau のようなビジネスインテリジェンスソリューションを使用して、トランザクションに関するすべての質問に答えて、キャッシュフローを明確に理解できるようにすることは、非現金決済のトランザクション高が 4331 億ドルにも達している、展開が速く、競争の激しい環境で非常に重要であると報告されています。
従来、大半の企業は、会計台帳で月末の銀行明細書を確認して、トランザクションをモニタリングしていました。従来のキャッシュフロー分析ソフトウェアは、営業活動、投資活動、資金調達を分析するのに、企業が使用する会計ソフトに頼っていましたが、これには問題がありました。まず、このソフトウェアは静的な観点で分析するため、すぐに無意味なものとなってしまいます。また、データの外れ値やトランザクションの複数のタッチポイントも考慮されていません。BI ソリューションを活用して、複数のソースからの財務データを収集することで、効果的で詳細な分析のためにすべての情報を収集する際のトラブルを最小限に抑えられます。
財務部門や企業が、分析プラットフォームを使用してトランザクション管理を強化することで得られる重要なメリットには以下があげられます。
- 金融パートナーとの関係とコラボレーションを強化する。Tableau や金融メッセージングネットワークである SWIFT などのリソースを使用して、金融パートナーおよび ISO 20022 XML に基づいた現行の金融メッセージングフォーマットに接続することで、銀行明細書のデータが常に収集されていることに確信を持つことができます。そして、日次さらにはニアリアルタイムのビューを使用して、現金残高やトランザクションの同一の情報セットで作業できます。
- 発行者、国、通貨、取引先、事業部門に対する財務リスクを 360 度のビューで表示してリスクを軽減する。ダッシュボードは、有効な銀行口座のトランザクション数を示すビューを提供します。そのデータを比較することで、トランザクションが少ないかまったくない口座を見つけて解約することができるため、インポートするデータを減らして、それに伴うリスクを軽減できます。
- 現在と過去の財務状況への理解を深めることで、財務予測を強化する。企業にとって、非常に多くのソースからのデータの整理に取り組む中で、トランザクションの傾向やパターンを把握することは簡単なことではありませんでした。ビジュアル分析を使用すれば、集計、ドリルダウン、ドリルスルーされたビューで前月比、前四半期比、前年比を確認することができます。
- すべてのソースを収集し、同時に分析することで、より効果的で価値の高いデータを実現。言うまでもなく、トランザクションの集計ビューは、企業の財務状況の分析を可能とするビューです。BI プラットフォームを使用して、財務トランザクションを常に収集し分析することで、最も迅速に実際の状況を把握できます。
複数のお客様やパートナー、そして Tableau の財務部門では、Tableau とビジュアルダッシュボードを活用して、すべてのトランザクションを収集しています。これによって、過去、現在、将来の財務状況に関する、より明確かつ詳細なビューが得られるようになりました。これによる成果は以下の通りです。
- 共通の情報ソースがあることで、誰もがデータについて同じ認識を持つことができる。
- 組織にとっての価値を高めるために、銀行明細書、投資活動や状況、外国為替リスク、加盟店サービス、法人向けクレジットカードからのデータをブレンドしてまとめることで、より深いレベルでの分析を可能とする。
- 基本的なトランザクションの詳細へとドリルダウンして、ビジネスユーザーにとって最も重要な情報を確認することで、ビジネスユーザーの理解を強化する。
- より厳格なモニタリングにより、重複データや欠損データ、トランザクションの傾向、動きのない口座残高、外れ値のトランザクションを発見できる。
- 時間を大幅に節約できる。
財務部門の一員である私は、個人的に、ここで共有するいくつかのレポートを使用することで、財務部門が直面したほぼすべての質問に答えられるようになったことがわかりました。タイムリーに応答し、効率性を高めることで、データの戦略的な影響について考える時間ができました。
このダッシュボードでは、すべてのキャッシュフローデータを集計されたドルの金額で確認できますが、通貨、地理的要素、国別のビューへとまとめ、入金および出金の金額によって識別することもできます。すべての構成要素を考慮して、優先度とニーズに基づいてフィルタリングすることが非常に重要です。
このウォーターフォールモデルでは、データの外れ値をより簡単に検出することができます。参照元の銀行口座へとドリルダウンすると、特定の日、週、または月に発生したトランザクションが明らかになり、キャッシュフローに最も大きな影響を与えるトランザクションやビジネス活動を理解できる結果が提示されます。
Tableau の財務部門は、同様のワークブックを使用することで、複数の口座や通貨にわたって、銀行明細書や残高をトラッキングします。このダッシュボードにより、財務部門は、現金構成の推移を理解し、外れ値を分析して主な要因を理解できるようになります。
海外の顧客と取引している場合、顧客によって提供される決済情報について照会できる必要があります。多くの決済データは、切り捨て、または排除されることから、テキスト文字列の詳細を使ってトランザクションを検索することにより、欠けている重要な情報を見つけることができます。
特に、ビジネスの健全性を常に管理して、財務状況を理解しようとする場合には、情報が力となります。Tableau などのビジネスインテリジェンスソリューションによって、キャッシュフローを把握できるようにする方法についての詳細は、Tableau が提供するオンラインセミナー、「キャッシュフロー分析へのモダンアプローチ」をご覧ください。
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