KPI モニタリングおよびデータ分析環境を Tableau へ移行|スマートニュース株式会社

データを洗練された状態で保持

導入の背景

永続的なサービスと長期的な関係を

スマートニュース株式会社(以下、SmartNews)は、3000 以上のメディアパートナーと連携し、多様なニュースを配信するスマートフォンアプリ「SmartNews」を運営する企業です。2014 年に米国へ進出し、米国ではユーザー 1 人当たりの月間平均滞在時間が最も多いニュースアプリへと成長しました(2021 年 7 月時点)。将来は世界中の地域・言語圏でのサービス展開を見据えています。

SmartNews は無料で利用できるアプリで、その運営は広告モデルになります。魅力的なニュースを配信してくれる媒体と契約し、ユーザーの使い勝手をより良くする一方、広告配信を最適化することにも力を注ぎます。それらのバランスを取るために、すべてデジタルで記録されているログなどのデータを可視化し、分析することは不可欠です。

KPI は、MAU / WAU / DAU(月間/週間/1 日当たりのアクティブユーザー)などアプリユーザーのデータや、記事のインプレッション数、クリック数、さらには広告の配信数、閲覧数、クリック数など、さまざまなポイントに設定されています。用途はさまざまで、社内のほぼすべての部署がKPIモニタリングとデータ分析を必要としています。

SmartNews には、あらゆる面においてダッシュボードを活用する文化が根付いています。たとえば、アプリ改善の際の A / B テストにおいても、そのためのダッシュボードを構築し、広告収益を最適化するモデルやユーザビリティの高いデザインなどを可視化。多角的に検討してより良い解を得ようとしています。

Tableau の導入・運用環境について

データインフォームドな文化をより浸透させたい

現在、SmartNews は全世界のほぼすべての社員が Tableau Online と Tableau Data Management を活用し、自身の仕事にかかわりのあるデータを可視化・分析しています。創業当時からデータインフォームドな文化があり、Tableau の柔軟な分析環境を全社員に提供することで、この文化をより浸透させたい考えです。

SmartNews が業務で利用するデータの大部分は、AWS S3 上の Hive data warehouse に蓄積し、Presto / Trino Hive connector で正規化しています。Tableau は、このメインのデータウェアハウスに加え、他のデータソースとも連携し、必要なデータを自在に取り出し、ビジュアルなダッシュボードに仕上げてくれます。

Tableau の活用を促すために、「ダッシュボードの作り方」、「データベースとの接続方法」など約 50 のドキュメントを整備しました。FAQ も充実させ、Slack の専用チャンネルも設けました。90 日以内にログインした人数(関連企業含む)は 632 人。データサイエンティストや BI アナリストなど 150 人のヘビーユーザーには、データソースへの接続など高度な機能を利用できる Tableau Creator ライセンスを提供しています。

Kuan Li 氏は、「本格的に Tableau を使い始めてからまだ 8 か月ですが、すでにストレージの限界に達するほど、みなさん活用してくれています」と話しています。

本格的に Tableau を使い始めてからまだ 8 か月ですが、すでにストレージの限界に達するほど、みなさん活用してくれています

Tableau 選定の理由について

永続的なサービスと長期的な関係を

Tableau を導入する前段階として、SmartNews は、グローバル共通の BI プラットフォームを長く運用してきました。しかし、2021 年にそのサービスが停止を発表。ビジネスになくてはならないツールであり、代替ソリューションの採用が不可避な事態になりました。

「もう同じ思いをするのは嫌でした」と Li 氏は話します。「次に選ぶものは、サービス終了にならない安心できるツールでなくてはなりませんでした」。SmartNews は 3 つのツールを比較・検討。2 か月間のトライアルを経て、安心感に加えて機能の豊富さやルック&フィール、使い勝手などを総合的に判断し、Tableau の採用を決めました。

移行フェーズは約 4 か月。既存帳票には複雑なクエリーを発行しているものもあったため、調査にも時間をかけました。Li 氏のチームから 3 人が専従し、移行を支援してくれる契約社員も動員するなど総勢20人がかかわり、以前のツールで使っていた 3000 帳票を移行するプロジェクトを完結させました。

Tableau の導入効果について

データを洗練された状態で保持するように

以前に利用していた製品は、ロジックと画面が一体的でした。そのため、何かを表現したいときにそのバックグラウンドで複雑なロジックを常に動かしておく必要がありました。これに対して、Tableau はデータソースからシンプルにデータを吸い上げ、ビジュアライズすることに長けています。

「Tableau の基本的な思想は Excel に似ていると感じます」と Li 氏は話します。もちろん複雑な分析もできるのですが、データソース側に気を配ることで、そのパフォーマンスは高まります。表現力は Tableau の方が格段に高く、表現形態もさまざまなものがあらかじめ用意されているため、データを洗練された状態に保っておくことでユーザーは必要な情報を、以前よりビジュアルに、かつ理解しやすい表現で得ることができます。

この部分に役立つのが、「フロー」を使いこなすことです。極めて理解しやすく、データ準備を効率的に行えるようになると好評です。活用を深める中で、具体的な課題が出てきたり、表現方法に迷ったりすると、ユーザーコミュニティの「Tableau Community」に質問を投げかけることで解決できることも多いといいます。

「広く使われているツールなので、Google 検索で解決方法が見つかることもあるようです。移行にあたっては、使い慣れるまで不平不満が出てくるもので、それは多少ありました。しかし、前職などで Tableau を使っていた社員が一定数居たことと、SQL の知識のある社員も多いため、予想していたより馴染んでくれるのは早かったです」(Li 氏)

 

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今後の展開について

ストレージの問題を解決し、さらに活用を深める

SmartNews の喫緊の課題は、ストレージの問題を解決することです。これは、1 週間に 400 のダッシュボードが生成された時期もあるなど、予想以上に活用スピードが速かったために起きた問題で、早急に解決する方向です。

ユーザーにさらに活用を深めてもらうことも大きなテーマになっています。Creator ライセンスを持つヘビーユーザーだけでなく、既存ダッシュボードを閲覧することだけができる Viewer ライセンスのユーザーにもより効率的に利用してもらうため、Tableau のカスタマーサクセスチームとの連携強化を図っていきます。

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※ 本事例は2022年4月時点の情報です

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