Allergan 社はデータの悩みに Tableau を処方

世界がビッグデータパラダイムに沿ってゆっくりと変化を続ける中で、私たちはデータベースを活用することの重大な意味に気づき始めています。今までは、ビッグデータから宝を見つけ出す方法がありませんでした。しかし今 Tableau のおかげで、私たちはデータにより着目するようになりました。

1948 年に設立された Allergan は、複数の専門分野を持つヘルスケア企業で、世界各地に 11,000 人以上の従業員がいます。 Allergan は 100 か国以上で事業を運営し、アイケア、神経科、肥満治療、美容医療、皮膚科、泌尿器科の患者にさまざまな治療方法を提供しています。

Joe Madigan 氏は、欧州、中東、アフリカ (EMEA) 地域の Allergan のカスタマーサービス担当ディレクターを務めています。 EMEA の 12 のカスタマーサービス拠点の従業員は、医療機関からファックス、メール、電話で受信した Allergan 製品の注文が 24 時間以内にシステムに入力されていることを確認します。 また、お客様からの問い合わせや苦情にも対応します。

「私たちにはほとんど可視性がありませんでした」

EMEA 地域の Allergan では、12 の拠点全体で年に約 150 万のトランザクション行が発生します。 Allergan のデータはそのほとんどがエンタープライズ SAP NetWeaver Business Warehouse に格納されますが、各拠点では異なるコンタクトセンターテクノロジーが実装されていました。

「私たちはカスタマーサービスレベルのインサイトを得るために毎月努力していましたが、かなり苦労していました。」と Madigan 氏は述べています。 「状況を把握するための可視性がほとんどありませんでした」

Madigan 氏は、各拠点のローカル IT チームが作成する月次レポートを要求しました。 レポートの作成に失敗したら、Madigan 氏のチームは修正要求を出さなければならず、そのことでさらに遅延が生じていました。

このため、会社の売上が減るリスクがありました。 サービスレベルが満たされないと、注文がキャンセルされ、医療機関は他の治療法を採用する可能性があります。 これは、必須ではない美容医療の処置に特に当てはまります。

ビジネスユーザーは、静的レポートをメールで送信することでこの問題を回避しようとしました。

「Excel や PDF のレポートを送信したものの、社内のビジネスオーナーから質問されます。というのも、ビジネスオーナーは自分でデータを分析することができないためです」と Madigan 氏は言います。

「2 時間じっと座って待つことがありました」

「データの作成についてではなく、データについてより多く説明できる方法でダッシュボードを作成する必要がありました」と Madigan 氏は語ります。 「私たちは、チャートやグラフを作り直すことだけに多大なエネルギーを費やしていましたが、多くの場合、データが示す内容を理解できていませんでした」

どのくらいのエネルギーを費やしたのでしょうか。 「私が雇ったデータアナリストはその作業以外何もしませんでした。これはフルタイムの仕事です。 私も月例ミーティングの準備のためにダッシュボードとチャートの作業に毎月 1~2 日費やしていました」と Madigan 氏は言います。 また、緊急のアドホックな要求が発生した場合は、そのような要求が数日あるいは数週間にもわたり他の仕事に影響を及ぼすことがありました。

また、Madigan 氏は自分のレポートとダッシュボードのためにデータを引き出して準備するのに多大な時間を費やしていました。 たとえば、Madigan 氏が毎月作成していたコンプライアンスレポートでは、データにアクセスして準備するだけで 6 時間もかかりました。

「データセットが簡単に利用できなかったのです。 Allergan の SAP データベースでは、2 時間じっと座ってレポートの実行を待つことがありました。 さらに、ほとんどの場合レポートの最初の実行は失敗でした」と Madigan 氏は説明します。

データ環境の変革

2011 年、EMEA 地域の Allergan では、Madigan 氏とそのチームがデータを確認し、把握する方法に変革をもたらす 2 つの変更が実施されました。 Allergan は顧客との電話、ファックス、メールによるやり取りを追跡する新しいコンタクトソリューションである Genesys を使用して、12 のカスタマーサービスセンターすべてを標準化するプロジェクトを開始しました。 さらに、Madigan 氏はデータアナリストのために Tableau を購入しました。

EMEA 地域の Allergan では、2009 年に購入した Tableau Desktop の 1 つのライセンスから、作成用の Tableau Desktop と Desktop Professional のライセンスを 20 使用するまでになりました。 ほとんどの場合、Madigan 氏のチームはデータ抽出で作業を行います。データ抽出は通常、約 10 万行で構成されます。

「必要に応じて、さまざまなデータ抽出をブレンドしています」と Madigan 氏は言います。 「SAP では、私は自分のトランザクションからビッグデータの抽出を 1つ取得しました。 自分のトランザクション行からは、もう 1 つ別の抽出を取得しました。 さらに、自分の発注ソースについて、さらに別の抽出を取得しました。 かなり頻繁にこれらすべてをブレンドします」

Tableau Server にビジュアライゼーションがアップロードされるので、チームは、データをドリルダウンして自分たちの質問の答えを得るようにユーザーを指導しています。

また、Madigan 氏は毎月のコンプライアンスレポートの生成を自動化しました。このレポートでは、クラウドストレージソリューションである Box のデータに Tableau を接続しています。

カスタマーサービスデータへほぼライブでアクセス

「EMEA 地域の Allergan のすべての拠点には、Genesys のインスタンスが 1 つ配置されており、Tableau は 2 つの Genesys のデータベース (SQL Server と Oracle) 上に配置されています。 Tableau はそのデータを引き出してブレンドし、ほぼライブでサービスレベルのレポーティングを提供してくれます」と Madigan 氏は述べます。 Allergan は Genesys のデータ抽出を 15 分ごとに更新します。

「Tableau では Oracle データベースと SQL データベースの複雑さに対処できないだろうという人もいました」と Madigan 氏は思い起こして言います。 「私は Tableau は問題なく機能するだろうと主張し、実際、その通りになりました」

一部のユーザーはモバイルデバイスで Tableau のビジュアライゼーションを操作しています。 Madigan 氏は自分とチームが、アクセス速度が低下している内部の VPN プロセスに対処したら、モバイルデバイスで操作するユーザーの数が増加すると予測しています。

現在、EMEA 地域の Allergan で約 200 名がインサイトを得るために Tableau のビジュアライゼーションを定期的に利用するようになっています。

認証に関しては、信頼できるチケットと Okta を組み合わせて使用しています。 Madigan 氏のチームでは Tableau を使用して Google アナリティクスと Salesforce のデータを視覚化しており、Salesforce ダイレクトコネクタの使用を検討しています。

ROI (投資収益率) について Madigan 氏は次のように述べています。「投資額は 1 か月で確実に、おそらくは 1 か月未満で回収できます。 私はためらうことなく太鼓判を押しますよ」

Allergan 全社への拡大

昨年、Madigan 氏は Allergan の他のさまざまな部門で Tableau への関心を呼び起こしました。

「さまざまなオフィスに出向き、質問に答えました。非常に素早く質問に回答できたため、他の部門のスタッフも Tableau に興味を持ち始めました」と Madigan 氏は述べています。

最近、ロンドンに拠点を置くデータ品質チームは Tableau Desktop を 20 ライセンス購入し、眼科の財務チームは QlikView から Tableau に移行しました。 Madigan 氏は近いうちに美容医療の財務チームに Tableau のデモを行う予定です。

「Tableau はすべての事業部分野に対応しています。 Tableau は特定の事業分野や機能に特化したツールではなく、 すべての分野に対応しています」と Madigan 氏は言います。

「他のディレクターやバイスプレジデントからも、見せてもらいたい、 デモをしてほしい、 という要望がありました。これは本当に他のツールではできないことなのです」と Madigan 氏は述べています。

人員を追加することなく、50% のトランザクションの増加に対応

Madigan 氏はデータに対するインサイトが改善されることで、チームが急速に成長するビジネスにより効果的に対応できると述べています。

「Allergan の収益は、EMEA 地域で 2 桁台の成長を遂げています。 これらの成熟した国々で、人員を増加することなくトランザクションの量を 50% 拡大しました」と Madigan 氏は言います。 「状況を把握することができなかったら、安全を考慮するあまり、成長するビジネスに対処するためにより多くのリソース、少なくとも 10 名の人員を追加していたでしょう。 そのため、データに対するインサイトを取得し、まとめて引き出せるこの機能を持つことは、状況をより詳細に管理できることを意味します」

処理待ちを解消し、応答時間を短縮

「処理待ちの要求がなくなったため、データアナリストはアドホックな問い合わせや、より付加価値の高い要求により迅速に対応できます」と Madigan 氏は述べています。
Madigan 氏は、特定地域での税務監査に対応するために、データに関して最近起こった緊急な要求の事例について話してくれました。

「以前は、税務監査が入ると、アナリストが行うその他のすべての作業に影響がありましたが、現在はそのようなことはありません。 多少遅延が発生することはありますが、以前のように数日または数週間遅れることはありません」と Madigan 氏は語ります。 「データの可用性と要求に迅速に対応する能力を手に入れました。それはこれまでなかったものです」

レポートを 5 時間以上速く作成

「コンプライアンスレポートの作成には、以前は毎月 6 時間かかっていましたが、現在では 30 分に短縮されました。 レポートの作成も毎月 1 回のみで済みます。 状況に適切に対応するために月次ベースで行う必要があるすべてのコンプライアンス関連の作業を見ると、この分野で大きなメリットがあったことがわかります」

Madigan 氏はこれまでよりずっと素早く質問に答えることができるようにもなりました。 「質問すると、10 秒後に答えを得ることができます。レポートを依頼してから 1 日または 2 日後に回答を得るという必要はなくなりました」

また、Madigan 氏は Tableau のおかげで「どのような質問にも答えられる人物」というプロフェッショナルとしての高い評価を得ています。

「私はカスタマーサービスディレクターとして、誰かにデータを確認してもらうのではなく、自分で確認できるようになりました。 そして次のように言われるのを耳にすることがあります。 「ああ、それなら Joe が答えを知っているよ。 Joe はデータを把握しているから」

「文字通り私は毎日 Tableau を使用しています。 Tableau を使用しないで 1 日が過ぎることはありません」と Madigan 氏は述べています。 「これらは、Tableau を使用して Allergan が成し遂げたことのほんの一部だと思います」