ビジネスの遂行において不可欠な KPI ですが、業種や職種・使用場面によって、設定すべき指標は異なります。こちらの記事で KPI のそもそもの定義などについてはご説明しましたが、ここでは、実務で活用できる KPI の例をお伝えします。
KPI を使用する分野・場面例
経営戦略や業務の管理・改善に有用な KPI は、幅広い業種や職種で活用されています。 業種で言えば、IT 系の業種やコールセンター、製造業で特に活用されています。 一方職種で分けると、「営業」や「 (Web) マーケティング」、「システム開発」の分野で KPI が重視される傾向があります。 日頃の業務に限らず、経営陣による戦略策定などの場面でも KPI は使用されます。 最終的な目標達成に向けて、達成すべき目標を細分化する点が、 KPI 活用のポイントになります。その為にも KPI は、現実を考慮した実現可能な目標でなくてはいけません。
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営業で重視すべきKPIの例
(1) 主要な KPI の例
主要な KPI の例としては、下記指標があります。
- アポイント件数
- 成約率
- リピート率
- 平均受注単価
- 個人営業売上高
(2) 営業で KPI を設定するメリット・活用例
営業部門で KPI を使用すると、個人個人の営業成績を可視化できるメリットが得られます。その結果、業績に応じた人事評価が可能になります。 KPI を達成した者に対して追加の報酬を設定することで、従業員のモチベーション向上のメリットも期待できます。 また複数の KPI を設定することで、目標達成できなかった際の課題発見も可能となります。たとえばアポイント件数が多い一方で成約率が低ければ、商談での話し方が課題であると推察出来ます。 利益に直結する分野であるだけに、KPI の使用で得られるメリットは大きいです。
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Tableau 無料トライアルをダウンロードシステム開発で重視すべきKPIの例
(1) 主要な KPI の例
主要な KPI の例としては、下記指標があります。
- エラー件数
- 標準化率
- テスト終了件数
(2) システム開発で KPI を設定するメリット・例
システム開発で KPI を使用するメリットは、「製品の品質確保」と「納期遵守」に尽きます。たとえばエラー件数や標準化率を KPI として設定すれば、製品の品質を確保する意識が生まれます。一方でテスト終了件数を KPI に設定すれば、進捗状況を都度確認できます。 品質確保と納期遵守を図る上で、システム開発での KPI 活用は極めて有効です。 スケジュール管理に失敗し、止むを得ず品質を下げる事態を回避する為にも、普段から KPI を意識する必要があります。
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マーケティングで重視すべきKPIの例
(1) 主要な KPI の例
主要な KPI の例としては、下記指標があります。
- 新規顧客獲得数
- リピート率
- 顧客満足度
- PV数
- 直帰率
(2) マーケティングで KPI を設定するメリット・活用例
マーケティングで KPI を使用すると、KGI (売上等の最終的な目標) の達成に向けた目標設定を明確化できます。 たとえば KGI として月間売上高を 500 万円と設定した場合、客単価を考慮すれば必要な顧客数が自ずと見えてきます。 KPI を達成出来なければ、マーケティング施策の改善余地があると判断できます。修正し最適なマーケティング施策を施せば、より大きな収益を生み出せます。特に Web マーケティングにおいて、PV 数や直帰率を KPI として用いれば、売上高 (KGI) に直結する施策を実施できるでしょう。
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製造業で重要な KPI の例
(1) 主要な KPI の例
主要な KPI の例としては、下記指標があります。
- 総合設備効率
- ライン編成効率
- 稼働率
- 不良率
- 事故発生件数
- 度数率
(2) 製造業で KPI を設定するメリット・活用例
マーケティングや営業とは異なり、製造業では異なる観点から KPI を活用します。 たとえば総合設備効率やライン編成効率、稼働率は、製品をいかに効率的に生産しているかを図る指標です。生産性の向上に活かせる指標として、幅広い製造業者の間で活用されています。 部品や原材料が無駄になる割合を表す不良率も、生産性を図る KPI です。こちらは製品単位で生産性を改善する際に有効活用できます。 一方で事故発生件数や度数率は、作業環境の安全性確保に役立つ KPI です。安全の確保が不可欠な製造業にとって、事故発生件数などの KPI は特に重要な意味を持ちます。
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財務視点から見た KPI 設定例
(1) 主要な KPI の例
主要な財務 KPI の例としては、下記があります。
- ROE (自己資本利益率)
- ROA (総資産利益率)
- 当座比率
- 固定比率
- 棚卸資産回転率
- 固定資産回転率
財務の KPI については財務省財務総合政策研究所総務研究部の「 KPI についての論点の整理」を参照してください。
(2) 財務 KPI を設定するメリット・活用例
職種や業種の観点での KPI に加え、財務視点で KPI を設定することも重要です。財務 KPI を使用すれば、会社全体の現状を把握した上で、全社的な意思決定を合理的に行えます。 たとえば ROE や ROA などの KPI は、収益性 (利益率) を表します。当初 KPI として設定した利益率と結果の利益率を比較することで、収益性の推移を可視化できます。 当座比率や固定比率は財務の安定性、棚卸資産回転率や固定資産回転率は効率性をそれぞれ表します。 業種や職種に関係なく、全社的な観点において財務視点での KPI は非常に重要です。 財務視点で KPI を使用すれば、長期的な全社目標 (KGI) の達成にも役立つでしょう。
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まとめ
今回は場面や分野別に、 KPI の例をご紹介しました。職種や目標に応じて最適な KPI を使用すれば、実施する経営戦略や施策の効果を高めることが出来るでしょう。
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