KPI の可視化と分析で意思決定・業務改善が大幅に迅速化|バリュエンスジャパン株式会社

ユーザーのアクションにつながるデータ環境の確立を目指す

導入の背景

ビジネス拡大でデータ利活用の課題が表面化

ブランド買取専門店「なんぼや」や「BRAND CONCIER」などのリユース事業を中核として急成長し、業界を牽引する存在として注目を集めるバリュエンスグループ。躍進の要因のひとつとされるのは、確かな査定力をもつ「バリューデザイナー(鑑定士)」と呼ばれるスタッフが、洗練された設計の店舗で顧客に寄り添って対応するという、競合他社にはない顧客体験の提供を重視してきたこと。そしてもうひとつ、Webマーケティングや顧客管理の有用性にいち早く着目し、DX を積極的に推進してきたことも、同グループが短期間でブランドリユース市場のトップへ上り詰めるのに寄与したとされています。

ただ、データ利活用に関しては、ビジネスの拡大にともなってさまざまな課題が表面化してきた、とバリュエンスジャパン株式会社 買取事業本部 副本部長の武田浩則氏はいいます。

「営業等に関する大まかな数値は、各部署から経営陣へ定期的に報告されていました。しかし、各種数値の定義や計算式を統一せず、同じ項目の数値でも部署ごとに微妙に異なる状態のまま会社が大きくなった結果、データの収集・分析に時間がかかって意思決定が遅くなる、どの部署から上がってきたレポートを参照するかで経営判断が違ってくる、といった問題が目につくようになりました」(武田氏)

バリュエンステクノロジーズ株式会社 開発一部 マネージャーの松岡重亮氏によると、同グループでは早い段階からBIツールを導入していたものの、活用できていなかったそうです。

「BI ツールやデータの取り扱いに長けた人材がいなかったため、非常に複雑化していたシステム・BI 環境に誰も手をつけられませんでした。また、各種数値の定義が部署ごとに異なるため、『今回は A 部署にとって好都合なこの数値を正としよう』『それなら次回はB部署の数値を採用しよう』といった、健全とはいえない不要なコミュニケーションが発生していました」(松岡氏)

Tableau の導入・運用環境について

KPI を可視化して分析レポートを自動通知

そうした問題は今後の成長の足かせとなりかねない、と危機感を抱いた経営陣は、BI ツールを Tableau Cloud へ乗り換えることを決断。そして2021 年 3 月、1 ライセンスから利用を開始しました。

「Tableau Cloud の得意なことやできることを見極めながら業務に落とし込み、ユーザーへのヒアリングや要件定義を行ってデータマートを構築し、一方で新ツール導入に対するユーザーの理解を求める。そういう多くの作業を並行して進める必要があったので、負荷の小さいスモールスタートを選択しました。結果的に想定通りの 2022 年 5 月、全バリューデザイナーへの Tableau Cloud の展開までこぎつけることができました」(松岡氏)

同グループは、営業部門全体の実績をTableau Cloudで可視化。仕入れ金額や接客数などの KPI を表にまとめ、誰でも日次で見られるようにしました。Tableau Cloud はクラウドベースなので、社員はいつでも、どこからでもダッシュボードで KPI を確認できます。また、主要な KPI については、各部署・各層の業務で求められる観点から分析レポートを毎日作成し、必要とする社員にメールで自動的に通知する仕組みを構築しました。

「従来月 1 回だった経営陣への数値報告が毎日届くようになったというのは、意思決定や業務改善の機会が約 30 倍になったのと同じことで、非常に大きな成果だと思っています。また、顧客管理システムからデータを CSV でダウンロードして加工・展開するという作業が不要になり、たとえば営業部門なら社員間のコミュニケーションなど、より重要なことに時間を割けるようなったのは本当にありがたいですね」(武田氏)

 

Tableau 導入・運用環境 KPIを可視化して分析レポートを自動通知

 

Tableau 選定の理由について

優れたビジュアルとコミュニケーション機能が決め手

既存のシステム環境が複雑で、BI ツールを入れ替えるなら一から作り直さなければならない状況だったという同グループ。そこでさまざまな BI ツールを比較検討し、最終的に選んだのが Tableau Cloud でした。選定の第一のポイントとなったのは、優れたビジュアルとコミュニケーション機能です。

「店頭のスタッフが日々の成績を自ら確認して意思決定する、という形で使ってもらいたいというのが前提条件でした。Tableau Cloud は、ビジュアルがきれいで使いやすく、分析レポート等をユーザーにメールで手軽に通知できる機能を備えており、最適なツールだと感じました」(武田氏)

松岡氏は、システム面での優位性も決め手のひとつになった、と語ります。

「私たちデータチームにとってもっとも大変で時間のかかる作業は、データを整備することなのですが、Tableau Cloud ならデータの取り込みから可視化までをスムーズに行うことができます。時間をそこに割くことなく、肝心の高度なデータ分析に費やせるというのは非常に魅力的でした」(松岡氏)

 

優れたビジュアルとコミュニケーション機能が 決め手

肝心の高度なデータ分析に費やせるというのは非常に魅力的

私たちデータチームにとってもっとも大変で時間のかかる作業は、データを整備することなのですが、Tableau Cloud ならデータの取り込みから可視化までをスムーズに行うことができます。

Tableau の導入効果について

KPI にもとづく迅速な意思決定・業務改善が可能に

本格稼働から間もない現時点でも、Tableau Cloud 導入の効果を確実に実感している、と武田氏は喜びます。

「どの数値を信頼すればいいかわからない、会話の前段としてどこから取ってきたデータなのかを説明しなければならないといった状況から脱却して、経営上の課題を的確に把握し、統一された認識のもと迅速に意思決定できるようになりました。待ちに待った BI 環境がようやく整い、本当に嬉しいです」(武田氏)

Tableau Cloud は現場にも多くのメリットをもたらしている、と松岡氏はいいます。

「『この数値はなぜこんなに急に下がったのか?』という気づきが常にあり、課題の特定や解決のスピードが格段に上がりました。毎週月曜朝に皆で数値を見て議論し、前週の課題をその場で解決できるようになってきています」(松岡氏)

実際に武田氏は、データに対する社員の意識と行動が明らかに変わってきたと感じているそうです。

「自分に直接関係あるものだけでなく、より広範囲の数字に関心を示す社員が増えて、『自分の営業エリアだけでなく、東日本全体のデータを見られるようにできますか?』など、Tableau Cloud に対する要望がどんどん出てきています」(武田氏)

さらに、同グループが創業時から大切にしてきた顧客体験価値の向上においても、Tableau Cloud は威力を発揮し始めているようです。

「お客様とのエンゲージメントを高める施策のひとつにお礼メールの配信があるのですが、その実施状況を可視化したところ、実施率は3%であることがわかりました。そこで実施の徹底を現場に指示した結果、実施率が一気に70%にまで伸びました。Tableau Cloudによる分析が、お客様に響く可能性のある改善アクションに直接つながったわけです」(松岡氏)

 

経営上の課題を的確に把握し、統一された認識のもと迅速に意思決定が可能

待ちに待った BI 環境がようやく整い、本当に嬉しいです

今後の展開について

ユーザーのアクションに自然とつながるデータ環境の整備

Tableau Cloud の導入により、数値の可視化と正確性・即時性の向上、業務の省力化を実現した同グループ。次に目指すべきステップについて、松岡氏はこう話します。

「データ分析に求められる内容は、業務やレイヤーによって大きく異なります。ゆえに、それぞれに適したものを作ること、ユーザーのアクションに自然とつながるような環境を整えることが、次の重要なミッションだと考えています」(松岡氏)

同様に武田氏も、ユーザーが自らアクションを起こせるよう、Tableau Cloudの活用を進化させたいとした上で、こう締めくくりました。

「見えないものを見えるようにし、それを必要とする人にきちんと届けられるようにする。可視化の領域についても、ブランドリユース事業だけでなく、後発の車買取事業や不動産事業、力を入れて取り組んできたサステナビリティの活動などへどんどん拡大していく。Tableau Cloud なら、そういうデータの民主化を必ず実現できる、と期待しています」(武田氏)

※ 本事例は2022年11月時点の情報です

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