Abercrombie & Fitch 社、地域の商品在庫を予測し、画面から店舗までのカスタマーサービスを改善

エンタープライズ全体でセルフサービス分析の文化を構築

865 の店舗からの顧客と商品のデータを統合

全店舗とオンラインストアを包括する統合された在庫ビューで顧客の需要に対応

Abercrombie & Fitch 社は、アパレルおよびアクセサリーのグローバルな大手小売企業で、3 つの有名ブランドで男性、女性、子供向けに商品を提供しています。Abercrombie 社にとって極めて重要なのは、販売計画です。商品を購入し、それらの商品を世界各地に展開する 865 以上の店舗やアウトレットのどこに配置するかを判断するには、高度な技術や知識が必要です。商品をどこに配置するか判断するには、顧客の需要を正確に読み取ることが重要です。Abercrombie 社は、顧客とそのニーズを業務の中心に据え、Tableau を活用して主要指標を特定し、購入者が買いたいときに買いたい商品を確実に購入できるようにしています。顧客の望む品質とパーソナルなサービスを実現するための最優先事項は、店舗とオンラインストア間で同じようにシームレスな体験を提供することです。

小売業界での競争に勝つには、タイムリーに提供できることが重要です。現在、Tableau Server によって毎週少なくとも 600 人からの 6,000 件近いクエリを処理している Abercrombie 社は、販売商品の売上実績をより詳細に把握できるようになっています。

Tableau に移行することで、同社は分析に使用していた Excel スプレッドシートの 80% を置き換えるとともに、商品と顧客に関するインサイトをより迅速に得られるよう取り組んでいます。同社は今では、販売地点ごとの顧客の購入の好みをより素早く特定することができます。この明確さと可視性により、Abercrombie 社はサイロ状態の情報を低減させ、パーソナライズされたトップクラスの顧客体験をサポートする包括的な販売アプローチへと戦略的に移行しています。

今やカスタマーサービスは業務の中心でなければなりません。そして、顧客が気づく前に、その一歩先を行くサービスを実現する必要があります。Tableau は明らかに、そこに到達するのに寄与しています。

オムニチャネル分析でカスタマーサービスと顧客体験を強化

数百の実店舗とアウトレットを持つ Abercrombie 社は、直販業界でビジネスを展開しています。小売企業にとって、需要の前に在庫を確保することはリスクが伴います。小売企業は、顧客が商品を見る前に、今シーズン好まれる流行のスタイルや特徴を正確に予測する必要があります。 予測が不正確だと店舗や配送センターで過剰在庫となったり、顧客の好みに合わない商品を在庫に抱えてしまう可能性があります。

シームレスな顧客体験を実現するには、すべてのチャネルが一体となって機能する必要があるのです。「対応するスタッフが誰であっても、またお客様がどこにいても同じように買い物できるように、包括的で統合されたオムニチャネルのプラットフォームを通じてお客様に対応しようと取り組んでいます。当社のお得意客は、複数のチャネルで購入されるお客様であることが分かっています」と、商品向けソリューション担当シニアマネージャー、Daniel Trimmer 氏は述べています。

商品販売チームは Tableau を使用することで、販売品目 (サイズ、色、スタイル) を効果的に追跡できるため、在庫の品揃え計画や、どの商品が在庫にあるか在庫切れかを把握するのに役立っています。販売には、出荷済み販売 (取引の代金が入金されたときに発生) と、需要販売 (顧客がオンラインで購入意思を示し、需要が生まれたとき) があります。Tableau により、商品チームは実績のビューを確認でき、出荷済み販売と需要販売を切り替えて表示することもできます。

また販売計画チームは、Tableau により、これまでは経時的に顧客セグメントごとに視覚化することが難しかった、販売と需要の傾向を確認することができます。

トランザクションと顧客行動を明確に把握することで、待つのではなく即座に在庫に対応することができるのです。Tableau を導入する前は販売情報がサイロ化していましたが、包括的なビューを得たことにより、インサイトを得て対応するまでの時間が短縮されたため、競争力の強化につながりました。

現在、チームは商品データと顧客データを組み合わせて、商品と販売地点の一般的な関係を判断しており、顧客の位置情報に基づいてブランドの商品の品揃えの選択を行っています。「時間軸での傾向を把握するには、Tableau を活用して大量のデータを処理し、確認します。そうすることで傾向を掴むことができ、商品の品揃えを考え、発生する問題を検出し、それらに迅速に対応することができるのです」と、Trimmer 氏は述べています。

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私たちは、Excel のスプレッドシートをから離れる方向に移行しています。インサイトを獲得するまでの時間を大幅に短縮し、ビジネス全体にわたって素早く意思決定を行っています。

Abercrombie 社のデニムチームは Tableau を使用して品揃えの改善と地域化に成功

成長を続けるビジネス、柔軟な調整が必要な在庫レベル、探索が必要なデータの増加に対応するために、Abercrombie 社のデニムチームは販売分析を Tableau で行い、恩恵を得ています。顧客はフィット感や色合いの好みが多様で、いろいろな機会にデニムを着用します。同社は、デニムに対する顧客の好みが店舗によって異なることを発見しました。たった数キロ離れているだけでも異なるのです。しかし、その好みを捉えることは困難でした。

デニムチームは、各店舗で最も売れる商品タイプを予測するために Tableau を使用し、各店舗に送る商品をより適切に決定しています。これまではデニムの購入に関するある程度の情報を基にした推測に頼っていたのが、データを使用して証明され、実証されるようになったのです。現在、デニムチームと販売チームは、Tableau でのビジュアライゼーションを使用して、すべての店舗の個別のアクティビティを確認できます。これと顧客データを組み合わせ、店舗と属性の追跡データを使って、顧客をさらに正確に定義できるようになっています (例: よりカジュアル、ゆとり派、など)。「とてもワクワクします。このデニムのモデルを組織の他の部門にも組み込むことで、当社のビジネス全体で大きな可能性が創出されると思います」

チームの作業はレポートの作成から意思決定へと移りました。

IT のサポートを受けながらセルフサービス分析を行うことでデータ探索の道が開く

Tableau の早期導入者であり、センターオブエクセレンスの一員でもある商品向けソリューション (現在はエンタープライズビジネスソリューション) 部門は、IT とビジネス間の仲介者としての役割を果たしています。同部門は、効果的なコミュニケーションを促進し、Tableau を採用してその流れを推進するとともに、ビジネス成果を上げるためにデータサイエンティストと連携して、高度な分析でデータを解釈しています。また、グループ間の連携により、データドリブンな意思決定と包括的なエンタープライズソリューションである Tableau の活用へと、会社の文化がシフトしています。これは、データのクリーニングと標準への一貫した準拠に献身的に取り組む IT チームよって支えられています。「データを見る方法に関する当社のガバナンスの定義は、ある意味で変わりました。以前はセルフサービスでした。つまり、必要なデータは取得できるものの、それらがどこから来たかは確証が得られない状態だったのですが、今ではデータに関する標準化と一貫性を構築することができました」と Trimmer 氏は言います。

Abercrombie 社では、Tableau と他の補完的なツールでデータを分析してインサイトを生成するデータサイエンティストを雇用することで、開始したもののさらなる詳細情報が必要になっていたプロジェクトを完了させることが可能になりました。「私たちは、すでに完了している優れたコアワークを磨き、ビジネスに還元することができるようになっています。そうすることで、グループにとって必要なことが簡単かつ直感的に理解できるのです」と、Trimmer 氏は語ります。

Tableau によるデータビジュアライゼーションと詳細へとドリルダウンできる機能を使用して、Abercrombie 社はすべてをビジネスに還元し、対応策を講じて、次のステップをより明確にすることを可能にしています。

データ文化の進化が商品開発を促進

Abercrombie 社は、四半期ごとの会議でエグゼクティブ、ビジネスグループリーダー、製品チーム間のコラボレーションによってライン別のレビューを行い、目標の明確化、戦略的意図の把握、流行している商品の判断を行っています。リーダーたちは会議で、商品のパフォーマンスを分析した一群のレポートを使用していましたが、レポートの作成は他のビジネスインテリジェンスツールの使用に依存しており、Excel にデータを取り込んで何百ページにも及ぶ資料を多数のスタッフに作らせていました。しかも、そのレポートには最新の情報は反映されていませんでした。その 1 時間の会議の準備には多大な時間が必要であるにもかかわらず、レポートはその場で質問に対する解答を提供することもできず、非効率的であることは明らかでした。

そこで Abercrombie 社は、このライン別レビュープロセスで使用するレポートに Tableau を採用しました。以前はリーダーシップ会議の準備には数日間必要でしたが、現在は 1 日半で完了し、直前に内容変更することもなくなりました。トップレベルでの理解が必要なエグゼクティブやビジネスリーダーは、今はリアルタイムの標準化されたレポートを活用して、データに基づいて効果的に行動し、より効率的にビジネスを運営することができます。「チームの作業はレポートの作成から意思決定へと移りました」と Trimmer 氏は語ります。

Tableau およびライン別レビューのビジュアライゼーションに対するエグゼクティブの反応は、非常に良好です。部分的なデータに頼っていた時とは対照的に、ダッシュボードで使用できる情報量の多さだけでも、興味と熱気を創り出しています。競争力を維持することが最優先事項であるリーダー陣は、より明確なインサイトを入手することで戦略的に意思決定を行い、成功裏にブランドを前進させ続けることができます。

「私たちは、Excel のスプレッドシートから離れ、インサイトを獲得するまでの時間を大幅に短縮し、ビジネス全体にわたって迅速に意思決定を行って素早く市場の変化に対応できるように移行を進めているのです」と、Trimmer 氏は述べています。