BI とは Business Intelligence (ビジネスインテリジェンス)の略で、ビジネスにおけるデータの分析や活用のことを指します。コンピューターを使ってデータを分析し、ビジネスに活用するという手法そのものは 1960 年代に考案され、その後、大企業を中心に徐々に実際の業務に取り入れられていきました。 そして現在、BI をより効率的に行える BI ツールは、「データの分析と活用」というテーマを、ずっと身近なものにしています。大企業だけのものではなく、中小企業でも個人でも、PC にインストールした BI ツールでさまざまなデータを扱うことができるようになっているのです。 ここでは、BI ツールとはどのようなもので、何ができるのか、詳しく見ていきましょう。
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BI ツールとは意思決定や課題解決を支援するツール
BI ツールとは、企業が蓄積するさまざまなデータを集約してビジュアル化(可視化)し、分析し、インサイトを得ることで、データにもとづいた意思決定や課題解決を支援するツールです。
BI ツールには大きく分けて、従来型の「トラディショナル BI」と、近年主流となりつつある「モダン BI」の 2 種類があります。トラディショナル BI は、1990 年代から普及し始めたトップダウン型の BI ソフトウェアです。企業内の IT 部門に所属するデータアナリストなどが使用してデータを加工し、その結果をエンドユーザーが受け取って役立てるという利用法が一般的でした。分析対象データはあらかじめ定義されたデータで、帳票印刷などの定型的なレポートの作成に向いています。
一方のモダン BI は、さまざまな種類のデータにアクセス可能なアプリケーションとして提供されています。高度な専門知識や技術は必要とせず、ビジネスの現場にいる社員がみずから利用できます。 モダン BI の中でも、エンドユーザー自身が自発的にデータを選んで取り込み、分析し、ダッシュボードなどを作成して情報共有できる現場向け BI ツールは、「セルフサービス BI」と呼ばれます。モダン BI、セルフサービス BI は、状況に応じた非定型的な分析にも対応可能です。Tableau は、モダン BI の中でも特にエンドユーザーが利用しやすいセルフサービス BI として活発に利用されています。
この記事では、主にモダン BI ツールについて見ていきましょう。
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BI ツールの機能を知ろう
続いては、BI ツールの代表的な機能についてご紹介します。現在、多くのモダン BI ツールは、下記のような機能を備えています。
データのビジュアライゼーション(可視化)
ビジュアライゼーションは、可視化とも表現される BI ツールの最も基本的な機能です。 数字の羅列であるデータを目的に応じた最適なグラフや図にビジュアル化して表示します。ビジュアライゼーションにより、データが指し示す内容を理解しやすくなり、さまざまな観点からデータを検討することが可能になります。
レポーティング
レポーティングとは、データをレポートとして出力する機能です。 Excel、Word、PDF、PowerPoint、CSV などの各種ファイルに変換できるのはもちろん、デザイン機能を使ってデータを成形し、定型的・非定型的な各種報告書や帳票として出力できます。
また、レポーティングのひとつとして、ダッシュボードもよく利用されています。ダッシュボードとは、さまざまなグラフ、チャート、レポートなどを簡潔にまとめて、画面上で一覧表示できる機能で、ほぼリアルタイムのデータをさまざまな表示方法で閲覧できるなど、インタラクティブな活用が可能です。 Tableau のサービスのうち Tableau Online はクラウドベース、Tableau Serverはクラウドでもオンプレミス(自社内で運用するシステム)でもリアルタイムでデータを利用することができます。
■ Tableau のダッシュボード例
OLAP
OLAP とは、Online Analytics Processing(オンライン分析処理)の略称で、企業に日々蓄積される大量のデータをさまざまな視点から多次元的に分析し、結果を迅速にユーザーに返す機能です。 OLAP には、スライシング、ダイシング、ドリルといった解析手法があります。同一のデータを複数の角度から分析することで、今起きている現象や問題点を深掘りし、最適な施策を考えることができます。なお、OLAP の Online(オンライン)とは、リアルタイムにデータを処理することを意味しています。
データマイニング
データマイニングとは、データを相関分析や回帰分析などの高度な統計分析手法を用いて分析し、有用なルールやパターンを見つけ出す機能です。データマイニングによって取り出した法則は、主に将来の予測のために使われます。 最近では、機械学習を使ったデータマイニング機能も、Tableau をはじめとする一部の BI ツールに実装されています。機械学習は人間が仮説を用意しなくても、コンピューターがみずから学習しつつ、データ内から相関関係を発見することができます。
データの共有
データの共有とはその名のとおり、データ、データソース、ダッシュボードなどで示される分析結果を共有する機能です。 Tableau などのクラウド型のセルフサービス BI では、PC だけではなくスマートフォンやタブレットなど、各種デバイスによる情報共有も可能です。
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Tableau 無料トライアルをダウンロードBI ツールを利用するメリットとは?
BI ツールを導入すると、何が変わるのでしょうか。BI ツールのメリットを挙げてご説明します。
経営層の意思決定、経営戦略の策定のスピードが上がる
社内のさまざまなデータをひとつにまとめて分析することで、経営に関わる意思決定を迅速に行うことができるようになります。 営業、販売、マーケティング、人事など、部門ごとにバラバラに存在しているデータを BI ツールで集約し、迅速に分析することでデータが理解しやすくなり、意思決定のスピードが格段に向上します。また、経営戦略の問題点を抽出したり、ネクストステップにつなげるヒントを見いだしたりすることも可能です。
現場レベルでの課題発見・解決に役立つ
BI ツールは、経営層や IT 部門だけでなく、事業部、チーム、それぞれの担当者が日常的にツールを使ってデータ分析を行うことを想定して設計されています。とりわけ、Tableau などのセルフサービス BI は、現場向けツールとして利用されています。 そのため、誰もが必要なときに必要なデータソースにアクセスしてデータを分析し、インサイト(洞察・気づき)を得られるようになります。問題や課題の早期発見、迅速な対応策の立案・実施にも役立つでしょう。
全社的情報共有・データ活用が推進される
データや分析結果の共有にも、BI ツールは効果を発揮します。特に、セルフサービス BI はクラウドとの相性も良く、Tableau など製品によってはスマートフォンやタブレットといった各種デバイスからでも、インターネット環境と Web ブラウザを用いてデータを確認することが可能です。 また、BI ツールを上手に活用すると、経営層(トップ)も現場(ボトム)も同じデータを見て意識をそろえられるようになります。同様に、部門間での横断的な情報共有も容易で、情報のサイロ化(孤立化・分散化)を防ぎ、全社的なデータ活用の推進に役立ちます。
各種データへのアクセスが容易になる
BI ツールは定型データに限らず、各種不定型なデータを取り込むことができます。 例えば、基幹システムのデータベースに蓄積されるデータ、店舗で取得する POS データ、販売(在庫)管理システムが扱う在庫データ、製造ラインにおける稼働状況データや品質管理データ、さらに、IoT デバイスなどが収集するさまざまな種類のビッグデータにもアクセスできます。また、Tableau のように、社外から収集したデータソースとの連携や、SNS 分析などの機能を持つ製品もあります。
Excel よりも効率的・迅速に作業ができるようになる
現在、Excel を使ってグラフなどの可視化や分析をしているという企業なら、BI ツールの導入によってより迅速かつ容易に高度な分析ができるようになるはずです。
BI ツールは、Excel よりもはるかに迅速・軽快に、しかも大容量のデータを処理できる能力を持っています。ほぼリアルタイムにデータへアクセスし、グラフやチャートなど、さまざまな手法で可視化することができ、そこから情報の深堀りが行えるインタラクティブ性も備えています。共有機能、同時編集機能なども BI ツールに分があります。
分析機会が格段に増え、データ分析が日常化する
さまざまな部署や現場で BI ツールを使うようになると、「データを引っ張ってきて分析する」という行動が日常化していきます。会議やミーティングでも、最新の具体的なデータを目の前にしながらコミュニケーションや議論することが、当たり前になるでしょう。
経営者や各業務の担当者が経験や勘のみに頼るのではなく、ビジネスに関連したデータにもとづいて判断・行動をすることを、データドリブンといいます。BI ツールは、データドリブンのための有効な手段となるでしょう。
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BI ツールの選び方
最後に、BI ツールを選ぶときに押さえておきたいポイントを見ていきましょう。
操作がわかりやすいか
まずチェックしたいのは、ビジュアライゼーションの一連の操作性です。データを取り込んで自分が見たいグラフやチャートなどの作成が、簡単にできるかどうかをチェックしましょう。マウスを使って直観的に操作できるなど、操作がわかりやすいほど社内に浸透しやすくなります。
ビジュアライゼーションが美しいか
出力されたグラフィックが美しいかどうかも意外に重要な要素です。美しいグラフを簡単に作成できれば訴求力が増し、BI ツールを使おうというモチベーションも上がります。
ダッシュボードを柔軟に作成できるか
ダッシュボードの使い勝手や柔軟性についても確認しておきましょう。テンプレートが豊富に用意されていて簡単にアレンジして使うことができ、なおかつオリジナリティが求められるときは、自由にデザインできる製品が理想です。
どんなデータベースやサービスと接続・連携できるか
例えば、Web サイトの訪問者の行動分析をしたいのなら、Google アナリティクスのデータを簡単に取り込むための機能が用意されていると便利です。目的に合うデータベースや外部サービスとの接続・連携ができることを確認してください。
クラウドやオンプレミスで使えるか
「すぐにでも導入して使用したい」「外出先やリモートワークでも使いたい」「バージョンアップや障害対応など、運用管理業務の手間を削減したい」といったニーズがあるのなら、クラウド型の製品が適しています。 「さまざまなデバイスで利用したい」「データを積極的にシェアしたい」という場合は、クラウドやオンプレミスでも対応できる製品が適しているでしょう。Tableau のサービスのうち Tableau Online はクラウドベース、Tableau Server はクラウドでもオンプレミスでも利用できるため、ビジネスのあらゆるシーンでストレスなくデータを活用できます。
導入ガイドやサポートが充実しているか
導入して社内に浸透させるためのトレーニング方法や、サポートがしっかりと充実していることも重要です。ベンダーによっては、導入のためのセミナーを行っているところもあります。e ラーニングなどの学習支援や、無料開放している参考資料などが豊富にあるかも確認しておきましょう。
コミュニティーが活発か
Tableau など、製品によっては、ユーザー同士のコミュニティーが形成されています。コミュニティーが活発であれば、操作方法や活用法に関する情報交換に参加したり、蓄積された知見を活用したりすることも可能です。不明点や疑問点を、インターネットですぐに調べられるかどうかも利便性を左右します。メジャーな製品であるほど、こうしたアドバンテージを得られやすいでしょう。
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Tableau を BI ツールとして利用した活用事例
BI プラットフォームの Tableau を BI ツールとして活用した事例を紹介します。次に挙げた 2 つの企業は、Tableau によってさまざまなインサイトを得ることができました。
事例 1 Tableau をデータ活用の基盤にしたことでデータ活用領域が拡大(株式会社アダストリア)
株式会社アダストリアは、30 を超えるファッションブランドを展開している、衣料品や雑貨などの企画・製造・販売会社です。複数の会社が合併して現在の形になったため、複数のシステムが乱立しており、ブランドやユーザーによって見られるデータがバラバラでした。そのため、加速するビジネスの変化に対応できるデータ活用が、なかなか実現できなかったのです。
この問題を解決するため、同社は Tableau の導入を決め、段階的に定着させていきました。まず、ステップ 1 でデータを Tableau でなければ見られないようにしました。既存システムのデータ提供機能を Tableau に移管し、既存システムを停止したのです。ステップ 2 では、データの可視化に慣れるようにしました。数字の羅列になりがちなクロスレポートを長年にわたって使用していましたが、Tableau によるグラフを多用したダッシュボードの利用を広げています。そしてステップ 3 が、自由分析の定着です。自由分析を阻害する課題の洗い出しが進められていて、専門的な知見がなくても、個人が自発的に分析できるようにしています。
Tableau をデータ活用の基盤とすることで、データを見る人の裾野が広がりました。ダッシュボードの開発効率も上がり、少ない工数での制作が可能になったそうです。Tableau の導入が、データ活用の領域拡大につながっています。
Tableau をデータ活用基盤にすることで「データを見る人」が増大|株式会社アダストリア
事例 2 セルフサービス BI に最適な Tableau により工数とコストを大幅削減(富士フイルム株式会社)
富士フイルム株式会社は、印刷会社などで多く採用されているインクジェットデジタル印刷機「Jet Press」シリーズをはじめ、商業印刷用の機器と関連ソリューションを主な商材とし、それらに関する研究や開発、商品の技術的評価、アフターサービスなどに日々取り組んでいます。
これらの業務には、取引先での印刷機器の利用情報やエラー情報などのデータの収集・分析が不可欠です。しかし Excelによるデータ分析では効率が悪く、また、データ収集・分析のためのソフトウェアを構築して管理するコストも多額で、課題となっていました。そこで同社は、以前から一部の社員が利用していた Tableau に着目。トラディショナル BI からセルフサービス BI(自己分析が行える BI ツール)への移行を目指し、本格導入を決定します。
Tableau は、直感的な操作性や Viz 作成の自由度の高さが評価され、データへのアクセスや可視化のスピード向上に貢献。印刷機などのデータは量が膨大で、取得や読み込みにも時間を要していましたが、Tableau によって年間で約 250 時間も削減されたそうです。
データ可視化・分析高速化でサービス業務を改善|富士フイルム株式会社
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Tableau は必要な機能をすべて備え、意思決定を支援する
「データの有効活用」という表現はよく目にしますが、具体的に何をすればいいのかよくわからないという人も少なくないのではないでしょうか。BI ツールは、そんな疑問に応えるツールです。 社内に蓄積されているデータは重要な資源であり、BI ツールによるビジュアライゼーションや分析を行えば、さまざまなインサイトが得られます。操作に慣れれば、ビジネスのあらゆるシーンでデータにもとづいて論理的な判断をすることも当たり前になっていくでしょう。
Tableau は、データカルチャーを企業に根づかせるための BI プラットフォームとして、多くの企業から高い評価を得ています。まず、無料トライアルからスタートしたい方は、こちらより詳細をご確認ください。
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