ビジネス分析の原則 10 選
世界屈指のデータコミュニティからのアドバイス
データを毎日操作する Tableau ユーザーは知っています。データを利用してビジネス上の問題を解決することは、一般に思われているほど難しくはありません。
データを愛する、 Tableau コミュニティの数千人のユーザーにとっては、データも分析もただ楽しいだけのものではありません。難しい問いの答えを簡単に引き出すための鍵なのです。
Tableau は、お客様を含め、あらゆる人がデータを利用して成功を収められるように支援するというミッションを負っています。そこで、お客様の迅速な成功をサポートするために、世界屈指のデータコミュニティ
で活躍するデータリーダーに呼びかけ、ビジネス分析の原則 10 選を紹介していただきました。Tableau のエキスパートから直接得られた、これらの確かなベストプラクティスは、ビジネス上の課題をデータでうまく解決するための基礎となります。
ご紹介する 10 大原則は、問いに答えを出しデータ利用時の課題に対処する際の指針として活用できます。日常的に活用して、データに関する目標の迅速な達成とよりスマートな意思決定にお役立てください。
原則その 1
分析と繰り返しでビジネス上の質問に答えを出す
「ビジュアル分析の最大の価値は、ビジネス上の質問に自分ですばやく答えを出せるところにあります。ビジネス上の問題の根本原因を突き止めるには、必要なインサイトを見出すまで、データに関する質問を何度も投げかけて答えを引き出し続けなければなりません。「なぜ」を何度でも問いかけられることこそが、本当の意味での分析の柔軟性です。私はこれを「分析と繰り返し」と呼んでいます。つまり、それぞれの質問が新しい質問につながり、やがては求めている答えが得られるということです。
データの力をすぐ活用できれば、CEO からアナリストまで組織の誰もが「なぜ」を問いかけられるようになります。CEO なら、わかりやすいダッシュボードを操作することも、Tableau の「 「データに聞く」機能 データに聞く」などの自然言語機能を使って、ビジネス上の戦略的な質問にすばやく答えを出すこともできます。またアナリストや分析ユーザーなら、何らかの BI プラットフォーム (私が気に入っているのは Tableau です) を活用して、データに関して掘り下げた質問を投げかけ、新しいビジネスインサイトを見出せます」
原則その 2
ビジネスニーズを何よりも優先する
「データ分析・視覚化はとても楽しく、あっという間に時間が過ぎていきます。しかし、ビジネスの世界では、作成するビジュアライゼーションも得られるデータドリブンなインサイトも、ビジネスニーズにあったものでなければなりません。作成するビジュアライゼーションがどれほど多く、どれほど美しくても、ビジネスニーズに合っていなければ、「結局何がわかったか」という疑問にすぐにあたります。
データのビジュアル分析では、ビジュアライゼーションに何が求められているかを理解して、そのビジュアライゼーションでビジネスニーズを確実に満たす必要があります。そして、見る人がインサイトを理解するのに十分に深く、かつシンプルでなければなりません。
そのうえで、視覚化・分析がビジネスニーズを満たすだけでなく、もう少し深いインサイトを得られるようにしましょう。その方が楽しいです。そうすればデータドリブンが広がり、ビジネスニーズが変化、拡大したときにも答えをすぐ得られるでしょう」
データのビジュアル分析では、ビジュアライゼーションに何が求められているかを完全に理解して、そのビジュアライゼーションでビジネスニーズを確実に満たす必要があります。そして、見る人がインサイトを理解するのに十分に深く、かつシンプルでなければなりません。
原則その 3
練習し、試し、成長する
「どのような役割を担っていようと、どの業界で仕事をしていようと、データとビジュアル分析の練習を積み、試し続ければ、素晴らしいキャリアの新しい進路が開けます。データのビジュアル分析なら、チームや会社、クライアント、さらには専門知識のないオーディエンスにも簡単に伝わる、説得力あるストーリーを作成することができます。日頃からデータを分析してビジネス上の質問に答えを出したり、素晴らしい #MakeoverMonday (英語) などのソーシャルデータプロジェクトに参加してデータを試したりすれば、データの強力なスキルセットを短期間で身につけられます。。
そうやってデータスキル、問題解決、データドリブンな意思決定に力を注ぐと、どのような役割や組織でも通用する専門知識を得られます。現在の役割でさらに経験を重ねるにしても、進む道を変えるにしても、分析の経験はキャリアを通じて貴重な財産になりますし、成長を早めてくれるでしょう」
原則その 4
立証する
「どんなに良い意見でも、データがなければ説得力はありません。
よく調べずに家を購入するでしょうか? 資格があることを確認せずに建物鑑定士に依頼するでしょうか? きっとそんなことはないでしょう。同じように、ビジネス上の重要な意思決定を、根拠になるデータなしで行っていい理由はないはずです。そして、データの分析で、情報源を吟味しなくていい理由もないはずです。
データドリブンな意思決定は、直感やビジネスの知恵の代わりになるものではありません。ただ、意思決定がより合理的になるということです。あなたも組織も、立証する力を手に入れましょう。数字を詳しく見て、細かい部分を理解し、質の高いデータを使って質の高い意思決定を行い、スケーラブルなわかりやすい形式で提示してください」
データドリブンな意思決定は、直感やビジネスの知恵の代わりになるものではありません。ただ、意思決定がより合理的になるということです。
原則その 5
変更をいとわない
「人や組織がビジュアル分析を話題にするとき、その中心になるのは多くの場合、どのプラットフォームならさらにうまく迅速にデータ分析を行えるようになるかです。では、次のステップは何でしょう?
新しいインサイトを見つけるだけでは、データの本当の価値を引き出したことになりません。ビジネス価値は、得られたインサイトに基づく行動で引き出されるものであり、そのときに変更が必要になることもよくあります。KPI の調整のように小さな変更かもしれませんし、ビジネス戦略の練り直しのように大きな変更かもしれません。無駄の多さがデータから明らかになったシステムやプロセスの対内的な変更を伴うこともありますし、顧客満足度の低下がデータから明らかになったのであれば、対外的な変更を伴うこともあります。
見つけたデータドリブンなインサイトがどのようなものであっても、長年の想定を疑い転換を図ることをいとわないようにしましょう。変更を行うには特別な労力やリソースが必要になることもありますが、見つけたインサイトに基づいて行動を取らなければ、ビジュアル分析の取り組みは無駄になってしまいます」
原則その 6
信頼できる単一の情報源を作成する
「近年、データとビジュアル分析の利用は急速に広がり、人や組織が利用できるデータの量もかつてないほど多くなっています。それに伴って、データを巡るさまざまな課題も生まれていますが、なかでも重要なのは信頼できる単一の情報源への統一です。
組織でどのデータソースを使うべきかに頭を悩ませるのは時間の無駄です。CEO からアナリストまで組織全員のニーズを満たすようにデータソースを統一して、誰もが利用したいと思う、信頼できる総合的な情報源を作成しましょう」
原則その 7
データスキルは競争力になる
「データを見ることができるだけでは不十分です。データから実践的なインサイトを引き出すには、分析する人とその結果を利用する人の両者が、データを深く理解する能力を手にする必要があります。人や組織が確実に成功するための一番の方法はデータ精通度、つまりデータという共通語のリテラシーに投資することです。
データ精通度が高まるにつれて、自信もついていきます。自信はエンゲージメントの向上につながり、その基になるのは関心と興味、つまり「何」だけではなくインサイトの裏側にある「なぜ」も見つけ出したいという強い欲求です。データスキルに投資すれば、キャリアも組織にもたらすインパクトも自然と高まっていきます。できるだけ最高の自分になりたいという自然な欲求を生かし、データという共通語を通じて自身の可能性を引き出しましょう」
人や組織が確実に成功するための一番の方法はデータ精通度、つまりデータという共通語のリテラシーに投資することです。
原則その 8
成功とともに失敗も評価する
「データとビジュアル分析で結果を評価、追跡しましょう。データは情報に基づく意思決定に役立つだけでなく、ビジネスにもたらされた価値を数値化することで、その意思決定が成功につながったかどうかを評価するための材料にもなります。
マーケティング、営業、財務、人事、カスタマーサービスなどどのような部門に所属していても、データと分析は成功を手助けする強力な味方です。データを分析すると、取り組んでいるビジネス活動が KPI で正確に評価、追跡できるようになります。今回は失敗したとしても、データと分析の能力、そしてインサイトで、次の一歩を踏み出すのに必要なものがはっきりとわかるでしょう」
原則その 9
データは最終目標ではなくそのための手段
「データは単独だとそれほどの価値を持ちません。しかしデータには、最終目標の達成を助ける力があります。信頼できる単一の情報源を中心に人を結集させます。ビジネス目標を達成するために適切な質問を投げかけられるようにします。何が起こったか、なぜ起こったか、どのように起こったかなど、何を知りたいかにかかわらず、成功を繰り返し、判断や意思決定の材料としてデータを使うことができます。データは強力であると同時に、自由への鍵でもあります」
原則その 10
見ることは理解につながる
「人間の脳は、パターンをすぐに認識するようにできています。その能力を利用して、予想外のことを発見しましょう。視覚的に提示されたデータを見ると、予想が正しいかどうかは簡単に調べられます。グラフの形から、業績に関する自分の見方が正しいかどうかがわかります。また外れ値が見つかったら、さらに調べる必要があることを示すいいサインになりますし、結果として理解を深めることができます」
熱意とアドバイスを分かち合う、世界屈指のデータコミュニティに感謝いたします。特に、ビジネス上の問題の解決にデータを利用し始めるための良いヒントを寄せていただいた、Annabelle Rincon、Charlotte Nickels、我如古 聡志、Eleni Gkika、Alex Waleczek、Erin Hamm、Simon Beaumont、Kimly Scott、David Pires、Jim de Clercq 各氏に深くお礼申し上げます。
世界屈指のデータコミュニティの詳細については、 Tableau コミュニティハブをご覧ください。