自社製品のスキルマネジメントシステムに Tableau Embedded を実装|株式会社Skillnote

多角的・迅速なデータ分析を可能にし、人材課題に対するスキルデータの活用を支援

導入の背景

自社製品の分析機能拡充によりお客様のスキルデータの活用を支援

製造業を中心に 150 社以上で採用されている「スキルノート」は、株式会社Skillnote によって開発・提供されているスキルマネジメントシステムです。スキルデータとは、従業員の有する技能や資格、業務経験、教育履歴などの情報をデジタル化したもの。製造業において、技能・資格だけでも数百~数千におよぶそうした情報を管理し、中長期的な社内状況を見越して技能継承や人材育成を進めることは、安定した事業継続と成長を実現するのに不可欠な取り組みです。

しかし、製造業の企業では多くの場合、それらの情報は部署単位で Excel や紙で管理されるにとどまり、可視化・共有されていないのが実情です。そうした状況において「スキルノート」は、スキルデータの可視化と一元管理によって計画的な人材の育成と配置を可能とし、技術力や品質の向上につなげられるプラットフォームとして業界で評価され、多くのユーザで利用されています。

当初は、製造現場での利用を想定し、まずはスキルデータの蓄積・可視化にフォーカスして 2016 年にリリースされた「スキルノート」。当然ながら次のステップとして、蓄積されたスキルデータを活用し、技能継承・人材育成の効率化といったアクションにつなげるための析機能の拡充が求められました。プロダクト Div. プロダクトマネジメントグループ マネージャーの中村泰之氏は、まさにそこに課題があった、と話します。

「当社としては、単にスキルデータを蓄積できるようにするだけでなく、『このデータをこういう切り口から見ることで、こんな改善ができます』というデータの具体的な活用法を、『スキルノート』のユーザーであるお客様に提案していく必要がありました。それで従来は適宜、クエリを発行してデータを抽出し、Excel などで加工・整形したレポートなどを提供していたのですが、社内のリソースに限りがあって迅速に提案できない、データ活用の幅が狭いなどの課題がありました」(中村氏)

そうした問題を解決するため、同社は 2022 年、Tableau Embedded の導入を決断。「スキルノート」に実装し、埋め込み分析という形で顧客とともに利用を開始したのです。

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Tableau の導入・運用環境について

3 か月で新機能をリリース、多角的な埋め込み分析を実現

Tableau Embedded の導入決定から「スキルノート」の新機能としての提供開始までに要した期間は約3か月。開発は予定通りスムーズに進んだ、と中村氏は振り返ります。

同社の顧客である「スキルノート」のユーザーは、Tableau Embedded の埋め込み分析によって、スキルデータをさまざまな視点から考察し、その結果を踏まえて次のアクションを起こせるようになりました。「スキルノート」には、従業員の保有する技能・資格、教育を受けた時期・期間、関連業務に携わった時間、退職予定日など、スキルに関連するあらゆるデータが蓄積されています。「スキルノート」のユーザーは、目的に応じて各種ダッシュボードを利用し、それらのデータを多角的に分析できるのです。

たとえば、従業員の年代ごとの技能・資格の保有状況や、資格の有効期限切れの時期という切り口でデータをグラフ化すると、「この技能の保有者は現在 10 名いるが、5 年後には従業員の退職によって 1 名しかいなくなる」など、従来は漠然としていた社内状況がはっきりと浮かび上がってきます。そうなれば当然、現場・管理側で危機感が共有され、その技能の継承を優先的かつ迅速に進める、教育の進捗を可視化して遅れや漏れを防止する、といった適切な対策につながっていきます。

ダッシュボードイメージ

「そういう『経年によって失われていく技能・資格のランキング』のようなダッシュボードを作ってお客様に見せると、『まさにこういう分析をしたかったんだ』と非常に喜んでいただけます。『ベテランの退職が近づいているけれど大丈夫かな』という、今まで現場や管理者の方がぼんやりと考えていたことが、ダッシュボードで具体的な数字として瞬時に、明確に出てくる。するとやはりインパクトがあり、早急な教育など、次のアクションにつながりやすくなります」(中村氏)

Tableau 選定の理由

豊富な導入実績と優れた使い勝手、パワフルな分析機能が決め手に

当初は分析機能の内製を検討していたという同社。その方針を変え、社外の BI ツールの導入に踏み切った理由について、中村氏はこう話します。

「『スキルノート』に分析機能を追加する第一の目的は、お客様に合ったスキルデータの活用法を提案し、価値を感じていただくこと。そのためには、データのさまざまな見せ方をお客様に提示し、お客様の反応をいただきながら一緒にブラッシュアップしていく、という PDCA を高速で回さなくてはなりません。そのとき、内製だと多くのリソースを必要とし、柔軟に対応しにくい。それなら、社外の BI ツールを導入して開発と仮説検証の部分を切り離し、社内のリソースを本来の目的に集中させるべきだと考えたのです」(中村氏)

そこで注目したのが、埋め込み分析の可能な BI ツールである Tableau Embedded でした。

「製造業の企業を含め、多くの導入実績があるトッププレイヤーで、私自身も利用経験があって安心感があるというのが、Tableau を選んだ理由の1つでした。また、いくつかの BI ツールを使い比べたところ、画面の設定や調整を細かくできる使い勝手や、大規模なデータでも思い通りに可視化・分析できるパワフルさなど、多くの点で Tableau が優れていると感じて選定しました」(中村氏)

製造業の企業を含め、多くの導入実績があるトッププレイヤーで、私自身も利用経験があって安心感があるというのが、Tableau を選んだ理由の1つでした。画面の設定や調整を細かくできる使い勝手や、大規模なデータでも思い通りに可視化・分析できるパワフルさなど、多くの点で Tableau が優れていると感じました。

Tableau の導入効果について

トライアンドエラーを高速化し、深掘り分析も可能に

従来は社内のリソースの都合により、スキルデータの多角的な分析の方法や成果を顧客に提供するのが困難だった同社。その課題は Tableau Embedded によって完全に解消された、と中村氏は喜びます。

「Tableau Embedded なら、どんなグラフでも簡単に作れるので、お客様との打ち合わせの中で『こういう見せ方はどうですか?』と切り口を柔軟に変えながら提案できます。一旦持ち帰ることなくその場で議論をどんどん進められますし、お客様の反応を見ながらトライアンドエラーを高速で繰り返せます。一方、営業活動においても、最初の時点でお客様の求めるものを具体的にパッと見せられるので、以前とは反応がまったく違います。そこが私の実感している Tableau Embedded の最大のメリットです」(中村氏)

中村氏は、そうしたスピード感と同時に Tableau Embedded によって進化したのが、分析の深さと細かさだといいます。

「たとえば、若手をいかに早く育成するかを考えるときには、先輩従業員のスキルデータを分析します。すると、どんな技能がどの時期にどのぐらい伸びたかが明確にわかるので、より具体的で的確な育成計画を立てられます。また、教育を受ける若手にとっても、成長度合いを先輩と比較してモチベーションを上げたり、本人が自身の成長実感を得ることができます。Tableau Embedded によって、そういう深掘り分析が可能になりました」(中村氏)

加えて Tableau Embedded は、データ管理の精度向上や工数削減にも貢献しています。従来の Excel や紙で運用する教育計画やスキル評価では、転記漏れなどのミスが発生してもなかなか気づけない、という問題がありました。しかし、「スキルノート」でスキルデタを一元化し、利用状況が Tableau Embedded のダッシュボードで可視化されたことで、必要な更新作業が終わっていなければすぐにわかるようになり、更新漏れや遅延がゼロになりました。また、細かなデータの集計作業も、Tableau Embedded の分析機能によって瞬時に完了するようになりました。

 

ダッシュボードイメージ

今後の展開について

製造業の各種データを連携させた、より高度な分析を目指す

自社ソリューションに Tableau Embedded を埋め込み、サービスを大きく進化させた同社。今後はスキルデータだけでなく、製造データや人事データなどの近接領域のデータとかけ合わせ、分析の幅をさらに広げていく予定です。

「たとえば、工場で誰がどの製品を何時間で何個作ったかという、生産量や歩留まりの実績データを、スキルデータと連携させて分析する。すると、従業員の技能レベルを 4 段階の 2 から 3 に上げると品質がこれぐらい向上する、といった教育の投資対効果が見えてくるはずです。そのようなデータ連携で Tableau Embedded をさらに活用し、お客様の業務効率化や課題解決につながるダッシュボードを開発していきたいと考えています」(中村氏)

※ 本事例は2023年12月時点の情報です

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