KPI とは?KGI・KFS との違い、有効活用するポイント

KPI の役割とメリットとは?活用するためのポイントを知ろう

組織が掲げる目標を達成するには、達成までのプロセスにおいて、何に注力すべきかを示す「指標」が必要です。その指標が数値で表される定量的なものであれば、プランの進捗や達成の度合いを確実に観測し、客観的評価につなげやすくなります。こうした目的で、管理・運用されているのが KPI です。 ここでは、KPI の役割やメリットのほか、 KPI マネジメントを成功させるために押さえておくべきポイントを紹介します。また、KPI の管理に役立つ BI ツールの活用方法について解説します。

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KPI とは?

KPI は Key Performance Indicator の略で、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。 KPI とはすなわち、目標達成に至るプロセスの中で、その達成の度合いを定量的に評価するための指標のことです。 最終的な目標ではなく、あくまでプロセスが適切に進捗しているかどうかを管理・評価するための中間的な指標といえます。 KPI がよく用いられるのは、営業、 Web マーケティング、システム開発、製造業などの分野です。また、財務視点の KPI もあります。財務視点の KPI は、企業全体の現状を把握し、経営における意思決定を合理的に行うために用いられます。 下記に、営業などの各分野で具体的にどのような KPI があるのか、例を挙げてみました。

■ KPI の具体例

分野 KPI 例
営業
  • アポイント件数
  • 訪問件数
  • 資料請求数
  • 成約率
  • リピート率
  • 平均受注単価
  • 個人営業売上高
Web マーケティング
  • 新規顧客獲得数
  • リピート率
  • 顧客満足度
  • PV 数
  • 直帰率
システム開発
  • エラー件数
  • 標準化率
  • 資料請求数
  • テスト終了件数
製造業
  • OEE(総合設備効率)
  • ライン編成効率
  • 稼働率
  • 不良率
  • 事故発生件数
  • 度数率
財務
  • 売上高
  • 利益成長率
  • EVA(経済付加価値)
  • ROE(自己資本利益率)
  • ROA(総資産利益率)
  • 当座比率
  • 固定比率
  • 棚卸資産回転率
  • 固定資産回転率

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KGI・KFS と KPI の違いは?

KPI と関連した言葉に KGI と KFS があります。それぞれの定義について把握しておきましょう。

KGI

KGI は Key Goal Indicator の略で、日本語では「重要目標達成指標」と訳されます。KGI は企業の経営戦略やビジネス戦略を進める上で、達成するべきゴールを定量的に示す指標です。例えば、期限を定めた上での「売上前年比 150 %」や「営業利益 10 億円」などの数値目標が該当します。その KGI を達成するための中間指標が KFS です。

KFS

KFS は Key Factor for Success の略で、日本語では「重要成功要因」と訳されます。「目標を達成するための要因」といった意味で使われ、KPI の概念が広まるのに伴って意識されるようになりました。ゴールに到達するために重要とされる要因を抽出したもので、定量的なものではありません。例えば、ある商品のシェアを 10 %伸ばすという目標に対して、商品の価格を下げたことにより、その商品のシェアを大幅に伸ばせたとします。この場合の KFS は、「低価格にすること」となります。 KFS を読み解いて、数値で表せる指標へと落とし込んだものが KPI にあたるともいえます。

■ KGI、KSF、KPI の関係図

KGI、KSF、KPI の関係図

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ビジネスにおける KPI のメリット

KPI を設定することで、目標が明確化し、企業全体のモチベーションを上げることにつながります。KPI を設定することで得られる具体的なメリットを見てみましょう。

行動指針を明確化できる

KPI がセットされると、個人として、あるいはチームとして取り組むべきミッションが明確になります。行動指針が統一されて、組織として着実に目標達成へと前進していくことができるようになるでしょう。

このことは、メンバーのモチベーション維持にも寄与します。何を目指すべきなのかという近い目標がはっきりとわかっていれば、そのためにどのような行動をとればいいのかも判断できるからです。反対に、KPI が示されず、遠いゴールだけが掲げられている状態だと、どのような行動をとればいいのかが、個々の判断に任されることになります。その分、効率も損なわれてしまうでしょう。

目標達成に至るプロセスが見える化できる

KPI を適切に設定すれば、最終的な目標を達成するまでのプロセスが見えてきます。ゴールに到達するために現在とその次、そしてさらにその次に取り組むべきことが見える化されるのです。 その結果、迷いや試行錯誤によって進行が滞るリスクが軽減されます。特に社員の多い大企業では、「プロセスの共有」が大きな課題となることが多いため、KPI の運用が解決手段として役立つでしょう。

公平な評価基準として利用できる

KPI を設定して、社員それぞれの達成度合いを確認すれば、KPI を人事評価の評価基準としても活用できます。特に、成果主義・実績主義の企業では、しばしば人事評価に KPI が利用されています。 ただし、KPI のみで人事評価を行うと、「数字だけ達成できていれば良い」といった考えが広まる可能性もあります。そのため通常は、KPI 評価と行動評価などを組み合わせて人事評価に利用するのが望ましいでしょう。

KPI ツリーでゴール達成をわかりやすくできる

KPI ツリーとは、最終目標(ゴール)となる KGI を分解し、全体をツリー状に配置したものです。合間に、ゴールに行き着くために「何を達成すれば良いのか」という要素を考えて KPI を設定します。 KPI ツリーを作ると、KGI を頂点として、そこに至るステップを KPI で示すことができます。

■ KPI ツリーの例

KPI ツリーの例

上の図は、EC サイトにおける、売上目標を達成するための KPI ツリーの例です。 売上は「訪問者数×購入率×顧客単価」、訪問者数は「新規客+リピート客」、顧客単価は「商品単価×購入商品数」に分解できるというのが基本的な考え方となっています。 KPI ツリーを作成すれば、組織のリーダーも社員も、なぜその KPI を指標とすべきなのかを整理して理解することができます。

そもそも、上述した「行動指針の明確化」「プロセスの見える化」といったメリットは、KPI の設定が正しくされているという条件下で効力を発揮します。KPI をクリアしても、正しく最終目標である KGI に近づいていなければ意味がありません。 KPI ツリーなどを使って、しっかりとした KPI 運用のための設計図を作ることが求められます。

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KPI をビジネスに有効活用するときのポイント

KPI をビジネスに有効活用し管理するには、設定や実践段階で注意すべきポイントがいくつかあります。続いては、KPI を活用する際に押さえておくべきポイントを見てみましょう。

KPI を実践し、検証して改善する

KPI ツリーは、あくまで「これらの数字を達成すれば目標に達するはず」という仮説に過ぎません。 しかし、その仮説に論理性があれば、少なくとも KPI をクリアしていくことで目標達成に近づくことが可能です。もしも、KPI をクリアしたのに目標達成に至らなかったとしても、後から問題点を検証して改善すれば、次回はより精度の高い KPI ツリーを作成することができます。

すなわち、 KPI をマネジメントしていくには、「KGI を分解して KPI を設定する」→「業務を通じて KPI をクリアする」→「KGI の達成の度合いを検証する」→「問題点を洗い出して KPI を再設定する」というサイクルを繰り返していくことになります。

■ KPI マネジメントサイクル

KPI マネジメントサイクル

自社にとって有効な KPI とは何かを把握する

どのような KPI を設定するかは、業界・業種、ビジネスモデルによって変わってきます。さらに、それぞれの経営戦略、ビジネス戦略、企業文化などによっても設定すべき KPI は変わってくるものです。

例えば、製造業には OEE( Overall Equipment Effectiveness:総合設備効率)という KPI があります。これは、生産設備の稼働効率を上げるために用いられる指標で、日本プラントメンテナンス協会によって開発・提唱され、海外にも普及しています。 この OEE を用いると、製造過程におけるロスの発生を明確化することが可能です。そのため、稼働効率を向上させるには、製造ラインのロスを極力減らすべきという思想を持つ企業にとって、大きな意味を持つ KPI となっています。

一般的な KPI を設定するのも悪くはありません。しかし、企業の体質や各現場にマッチしたユニークな KPI を選択すると、他社との差別化に結びつけられる可能性があります。

適正な数の KPI を設定して周知させる

適切な種類の KPI が設定できても、そもそも社員の認識が不十分だと KPI マネジメントはうまく機能しません。 一般的に、1 つの組織や個人に対して設定する KPI の数は、3 ~ 5 個程度に絞り、各 KPI についてしっかりと社員にアナウンスすることが重要です。それ以上多くなると、すべてを達成することも、頭に入れておくことも難しくなってきます。 また、同じ KPI をあまり長期間目標にし続けるのも、形骸化につながるおそれがあります。実施期間を決めて適宜内容を変えていくほうが、社員のモチベーションを維持できるでしょう。

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KPI の管理には BI ツールがおすすめ

KPI の管理には BI ツールがおすすめ

KPI は数値で表せる指標なので、データとして取得しモニタリングすることが可能です。ただし、週ごとに集計して会議で報告するといったやり方ではスピード感に欠け、何か問題が起きていたとしても柔軟な対応や修正ができません。 Excel を使って集計し、クラウドで共有する方法も考えられますが、人数が多いと作業が煩雑になり、ミスも起こりやすくなるでしょう。KPI の管理自体に手間や時間がかかるというのも本末転倒です。

すでに、何らかの情報システムやデータベースを導入している企業なら、KPI に関するデータを日々蓄積している可能性があります。そうであれば、既存の情報システムやデータベースに接続し、データを取得して処理できる BI ツールを使う方法がおすすめです。具体的にどのような点でおすすめなのか、ご紹介しましょう。

BI ツールで KPI をモニタリングできる

BI ツールであれば、KPI として設定した数値を自動的に、リアルタイムでモニタリングできるような仕組みを作ることが可能です。 例えば営業なら、簡単な日報アプリを使って基本的なデータを入力しておき、BI ツールでそのデータを取得して KPI として表示させることもできます。

BI ツールで KPI をビジュアライゼーションできる

BI ツールを利用すると、KPI の達成度の推移をグラフなどのビジュアライゼーションで可視化して閲覧できるようになります。単なる数字よりもずっとわかりやすくデータの意味を理解できるので、現状で何が足りないのか、何に注力すべきかといった現状把握に役立ちます。

BI ツールで複数のデータを共有しやすくなる

KPI では複数のデータを用いるため、多くの情報を画面上にコンパクトにまとめた形にすると、より理解しやすくなります。こうしたニーズに応えるのが、BI ツールです。BI ツールに備わっているダッシュボード機能では、ビジュアル化された各指標の達成度を画面上で見比べたり、ダッシュボードを社内で共有してディスカッションしたりして、目標達成のためのインサイトを得ることができます。 さらに、 Tableau など各種デバイス対応の BI プラットフォームなら、 PC だけではなくスマートフォンやタブレットでも KPI を確認できます。営業や製造の現場などでも使いやすいでしょう。

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KPI 管理に Tableau を導入した活用事例

ここでは、BI プラットフォームの Tableau を KPI の管理ツールとして活用した事例を紹介します。どのような課題があって Tableau の導入を決めたのか、その結果と併せて参考にしてください。

 

事例 1 Tableau でわかりやすく可視化された情報を永続的に受けられる(スマートニュース株式会社)

スマートニュース株式会社は、3,000 以上のメディアパートナーと連携し、多様なニュースを配信するスマートフォンアプリ「SmartNews」を運営する企業です。

KPI は、月間/週間/1 日あたりのアクティブユーザーといったアプリユーザーのデータや、記事のインプレッション数、クリック数、さらには広告の配信数、閲覧数、クリック数など、さまざまなポイントに設定されています。用途は多様で、社内のほぼすべての部署が KPI モニタリングとデータ分析を必要としています。

しかし、Tableau を導入する前に使用していたシステムが 2021 年にサービスを停止。そこで、永続的なサービスと長期的な関係を結ぶべく、Tableau の導入を決めました。Tableau はデータソースからシンプルにデータを吸い上げ、ビジュアライズすることに長けています。ユーザーである従業員は以前よりも理解しやすい表現で、必要な情報を得られるようになりました。

KPI モニタリングおよびデータ分析環境を Tableau へ移行|スマートニュース株式会社

 

事例 2 Tableau の導入で 50% の経費削減と KPI の変化を日次で確認できるように(株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン)

株式会社ゴルフダイジェスト・オンラインは、「ゴルフで世界をつなぐ」をミッションに掲げ、2000 年 5 月に設立されたゴルフポータルサイト運営会社です。

お客様にとって「楽しいサイトを作る」をテーマに、ゴルファー視点で心に響くサービスを心掛けています。そのため、顧客と自社サイトの「今」を知ることが不可欠であり、各種KPIをタイムリーに可視化し、スピード感を持ってアクションへとつなげられる仕組みが求められていました。しかし、旧来の BI ツールは IT 部門の管理下にある上に属人的で、設計の意図も不明な状態。積極的なデータの利活用には不向きな状況でした。

そこで、データ分析ツールとして Tableau を採用し、ビジネス部門が IT 部門に依頼することなく、自らデータを利用できる環境の整備を行いました。結果的に、データ活用に必要な作業工数を 50% 削減することに成功。KPI をモニタリングするグラフの作成を Tableau で自動化することで、KPI の変化を日次で確認できるようになりました。これによって問題を素早く把握し、次のアクションを起こすことが可能になっています。

現場でスピーディにデータ活用を行うため Tableau を導入|株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン

 

事例 3 Tableau の導入で PDCA サイクルがスピードアップ(株式会社出前館)

株式会社出前館は、フードデリバリー事業者として着実に事業を拡大しています。

フードデリバリー事業は、地域ごとのデリバリー需要、その地域の加盟店舗数、配達員数のバランスを取りながら、事業を拡大していく必要があります。以前はエンジニアチームが手動でデータ抽出を行い、各事業部門にデータを提供していました。そのためスピード感を出し切れず、エンジニアチームにも大きな負荷が発生してしまうという課題を抱えていました。また、組織で共通のデータを見る環境がなく、統一した指標や数値をもとにした意思決定も、十分にはできていない状況だったといいます。

しかし、さまざまな種類のデータ分析が不可欠であること、加盟店舗数、ユーザー数、1 店舗あたりの取引総額などは、全社共通の KPI として見られており、そのほかにも部門ごとにさまざまな KPI が設定されていました。そこで Tableau を導入し、データ分析をわかりやすく行える環境を整えました。データのビジュアル機能が洗練されていることはもとより、データを提供する仕組み作りの容易さが何よりのメリットだったそうです。Tableau のデータ活用によって PDCA サイクルのスピードアップが図れ、組織内でのコミュニケーションが活性化。また、エンジニアチームによる手動でのデータ抽出が不要になったことで、各事業部門内でのデータ活用が自走化したことも大きなメリットとなりました。

データ活用スピードが Tableau で飛躍的に向上|株式会社出前館

 

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KPI を適切に設定し、BI ツールで可視化して KPI マネジメントに活用しよう

KPI の管理・運用を成功させるカギは、まず「プロセスを管理し、改善していけば結果が良くなる」という仮説を立て、適切な指標をいかにして選定するかという点にあります。そして、設定した KPI を BIツールを使ったわかりやすい見せ方で伝え、組織で共有することも重要です。

Tableau は、国内外の多くの企業に導入され、KPI マネジメントなどさまざまな業務に活用されている BI プラットフォームです。Tableau の優れたダッシュボード機能によって、よりわかりやすく KPI の確認が行えるようになります。まず無料トライアルからスタートしたい方は、こちらから詳細をご確認ください。

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