顧客分析とは?5 つの手法を知り顧客獲得に役立てよう

顧客分析とは?5 つの手法を知り顧客獲得に役立てよう

デジタルマーケティングの普及やビッグデータの活用が進むにつれ、顧客分析の重要性は以前にも増して大きなものになっています。かつてないほど、顧客の行動や思考・感情などに関するデータを大量に入手できるようになったためです。

顧客分析はそもそも何のために必要で、現在どのような手法が主に活用されているのでしょうか。顧客分析の概要と目的、代表的な 5 つの分析手法について解説します。

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顧客分析とは顧客の購買行動を分析すること

顧客分析とは、自社の商品に関心を持つ、または購入した顧客の購買行動を分析して、購買率や顧客満足度の向上に結びつけることを意味します。

顧客分析は、マーケティング分析の一種です。顧客という言葉にはさまざまな意味がありますが、マーケティングの領域では自社の商品・サービスを購入してくれた人、もしくは購入する意思がある人を指すのが一般的です。 購入経歴はないものの、購入する可能性のある人を見込み顧客と呼ぶこともあります。また、まだ自社の商品・サービスを知らない人を、潜在顧客と呼ぶ場合もあります。

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顧客分析は何のために必要なのか

現在では、多様化するニーズに対応するために商品自体の種類を増やすのではなく、商品を売る際に提供する情報の内容などを、顧客によって変えることの重要度が増しています。例えば、情報を伝える切り口やタイミング、アプローチの仕方も含まれます。顧客分析は、そのような一人ひとりに合わせたマーケティングを実行するために必要とされています。 実際には、完全な個別対応を実現することは難しいのですが、顧客をセグメント化(さまざまな切り口で分類し、特定の属性を作ること)して、グルーピングしたターゲットごとに対応を変えることは可能です。

顧客分析はまた、デジタルマーケティングや Web マーケティングの台頭によって、より多くの注目を集めるようになりました。なぜなら、デジタルマーケティングや Web マーケティングでは、顧客の属性や Web サイト上の行動、コンタクトを通じて得られる各種情報をデータ化して、詳細に分析できるからです。顧客ごとにより多くのデータを継続的に収集できるようになり、それゆえ綿密な分析ができるようになりました。

Web マーケティングの自動化を支援する MA(マーケティングオートメーション)というツールには、「リード管理」と呼ばれる機能が備わっています。リードとは、見込み顧客のことです。 リード管理では、見込み顧客を発掘する「リードジェネレーション」、獲得した見込み顧客の購入意欲を高めるために育成する「リードナーチャリング」、購入可能性の高い見込み顧客を絞り込み、選別して営業に引き渡す「リードクオリフィケーション」という一連の流れを想定します。この流れに沿って、各領域に属する見込み顧客に適したシナリオをあてはめて、顧客の商品購入に至る行動(動機づけや次のステップへの誘導)を支援していきます。

リード管理の流れ

リード管理の流れ

BtoC であるか BtoB であるかに限らず、こうしたマーケティングを実践するには、前提として質の高い顧客分析を行うことが欠かせません。

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顧客分析の主な手法 5 選

顧客分析は、具体的にどのようにして行うのでしょうか。ここでは、知っておきたい顧客分析の手法を 5 つご紹介します。

RFM 分析

RFM 分析は、Recency(最新購買日)、Frequency(購入頻度・回数)、Monetary(購入金額)の 3 つの指標で顧客をランクづけする顧客分析の手法です。顧客を指標ごとに並び替えてグルーピングし、そのグループの特性を把握します。 なお、グルーピングは、5~6 程度に分けるのが一般的です。例えば、次のような分け方が考えられます。

顧客のグルーピング例

  • 優良顧客層
  • 準優良顧客層
  • 新規顧客層
  • カムバック顧客層
  • ランクアップ顧客層
  • 離反顧客層

下の図は、 R、F、M の関係を 3 次元的に示したイメージ図です。R と F、あるいは F と M、M と R のみを抜き出してクロス分析し、2 次元で分析することもできます。

RFM の関係

RFM の関係

また、R、F、M には、下記のような特徴や相関関係があるとされています。

RFM の特徴

  • R が高い顧客ほど将来の収益に貢献する可能性が高い
  • R が低ければ、F、M が高くても他社に奪われて離反している可能性が高い
  • R が同じなら、F が高いほど常連客になっている
  • R が同じなら、F、M が高いほど購買力がある
  • R や F が高くても M が少ない顧客は、購買力が低い
  • F が低く M が高い顧客は、R の高いほうが優良な顧客
  • F が上がらないか下がっている顧客は、他社に奪われている可能性が高い
  • RFM すべてが低い顧客は、切り捨てることも検討する

※R(最新購買日)、F(購買頻度・回数)、M(購買金額)

顧客をこれらにあてはめてみて、必要な施策を打ちます。例えば、「以前は購入頻度が高かったのに、しばらく購入していない顧客に対して特別なオファーを提案する」「利用は多いものの、購入金額が低い顧客へはアップセル(現状より高価格帯の商品をすすめる)やクロスセル(ほかの商品をセットで購入するようすすめる)の施策を打ち出す」といった方法が考えられます。

デシル分析

デシル分析も、RFM 分析と類似した分析手法です。デシル分析では、すべての顧客を購入金額などによって上位から 10 等分し、各ランク(デシル 1~10)の購入比率や売上高構成比を算出します。 算出した比率をもとにして優良顧客などの売上に貢献している顧客を見つけ出してグルーピングし、それぞれに効率的な施策を適用していきます。

CTB 分析

CTB 分析は、顧客の属性を分析してグルーピングし、クラスター(集団)に分けることで顧客の購買予測をする手法です。CTB は、Category(カテゴリ)、Taste(テイスト)、Brand(ブランド)の頭文字を取ったものです。ファッションを例にとると、次のような分類をします。

ファッションを例にした CTB の分類

  • Category:大分類(レディース、メンズ)、小分類(アウター、インナー、ボトムス)
  • Taste:色、サイズ、模様など
  • Brand:ブランドなど

顧客が昨年の春に購入した洋服の分類、色やサイズ、雰囲気、そしてどのブランドの商品だったかというデータがあれば、その人の好みがわかり、今年の春購入する洋服の傾向を予測することが可能となります。

行動トレンド分析

行動トレンド分析は、顧客の行動を季節のほか、曜日、時間帯なども含めて調査し、どのような購買層がシーズン性(トレンド)を作り出しているのかを分析する手法です。 シーズンの切り口と購買層の分類軸を変えることで、さまざまなトレンドを見いだせるようになります。その結果を、時間と対象を絞った効果的な販売促進活動の展開に役立てることができるのです。

LTV 分析

LTV は、顧客が生涯を通じて企業にもたらす価値、具体的には取引期間中に顧客から得られる収益の総額を示す指標です。Life(生活)Time(時間)Value(価値)の略であることから、日本語では顧客生涯価値と呼ばれます。

現在では、新規顧客を開拓して獲得するには、非常に多くのプロセスとコスト、時間が必要です。対して、既存顧客を育てて良好な関係を維持することができれば、リピーターとして自社商品を繰り返し購入してくれるようになります。また、紹介などによって、新しい顧客の拡大につなげることも期待できます。

LTV 分析には、さまざまな算出方法があります。例えば、ビッグデータなどを使って、全顧客の購入単価と購入回数の平均値を算出して乗じた、最もシンプルな計算式は次のとおりです。

LTV=平均顧客単価×平均購入回数

上記の計算式に、顧客の購入活動の継続期間と収益率という観点を加えて、より詳細な LTV を算出することができます。

LTV=平均顧客単価×平均購入頻度×平均継続期間×平均収益率

さらに、上記の計算式の結果から、顧客の獲得コストと維持コストをマイナスして、実質的な利益を算出することができます。

LTV=平均顧客単価×平均購入頻度×平均継続購入期間×平均収益率-(顧客の獲得コスト+維持コスト)

LTV 分析を行うと、自社の売上の構造を「LTV の視点」で可視化することができます。つまり、どれだけ多くの顧客と、どれだけの期間、関係性を続け、そのあいだにどれだけの収益を得られたかがわかるのです。

近年、多くの企業が LTV を高めるための事業戦略を展開しています。そのために、ブランド価値を伝えるメッセージの発信や顧客満足度の向上、顧客一人ひとりへのパーソナライズ化といった施策が打ち出されています。また、サブスクリプション型ビジネスなどは、継続購入期間をコントロールするためのビジネスモデルと捉えることもできます。

LTV 分析を用いた戦略は、デジタルマーケティングや Web マーケティングと親和性が高いです。マーケティングデータや Web 解析ツールから得られるデータにもとづいて行動を起こす、データドリブンの考え方ともマッチしているといえるでしょう。

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Tableau を顧客分析に活用する

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ここまでさまざまな顧客分析の手法を見てきましたが、問題はその手法を具体的にどのようにビジネスに活かすかということです。

例えば RFM 分析は、顧客の行動データから優良顧客や、今集中して施策を打ち出すべきターゲットを見つけ出すことができます。分析をするために必要な Recency(最新購買日)、Frequency(購入頻度・回数)、Monetary(購入金額)という 3 つの指標は、顧客の販売実績データなどがあればそれを利用できます。

データがそろっていれば、次に必要なのは分析ツールです。 BI プラットフォームである Tableau は、まさにデータを収集して分析し、現場や経営の意思決定に役立てるのに適したソフトウェアです。販売実績データを読み込んで RFM 分析を実行し、顧客をセグメント化することが可能です。それだけではなく、ヒストグラムなどを使って結果を可視化し、わかりやすく伝えることもできます。

このように、Tableau で顧客分析を行うのは決して難しいことではありません。適切なデータが用意されていて、一連の操作方法を覚えていれば、アナリストでなくても、マーケティングに有用な分析結果を好きなときに手に入れることができます。RMF 分析以外のさまざまな分析手法による顧客分析、販売実績データ以外のデータソースの活用も、Tableau であれば柔軟に対応可能です。つまり、目的に合わせた顧客分析を、必要なときすぐに行うことができるようになるわけです。

また、顧客分析を定期的・継続的に行っていくことはもちろん、ダッシュボード上に表示したチャート同士を関連づけて、顧客の属性別に商品の売上を確認するといったことも簡単にできるのが Tableau の強みです。 シンプルに顧客データを比較してインサイトを得る、あるいは高度な顧客分析を行ってマーケティング戦略を練るなど、さまざまなシーンに Tableau の機能を柔軟に利用することができます。

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自社に最適な顧客分析の選択を

顧客に関するデータの種類と量が爆発的に増えたことで、そのデータをいかに有効活用するかが企業の競争力を高めるカギとなってきています。顧客分析は、そのための手段のひとつといえるでしょう。自社にとって最も役に立つ顧客分析はどれか、何を知れば売上向上というゴールに結びつくのかを見極めることが重要です。

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