情熱は言葉を超え、世界へ届く

TableauのコミュニティメンバーであるKTは、日本のユニークなコミュニティプログラムであるDATA Saberについてご紹介します。彼女のストーリー、TC21での講演、そしてデータがいかに世界共通の言語であるかについて、ぜひご覧ください。

みなさん、こんにちは!Tableau User Group AmbasssadorのKTです。この記事は英語と日本語の両方でお読みいただけます。英語版はこちらをご覧ください。

Tableau Conference 2021、とても楽しかったですね。私たちが選んだTableauという素晴らしい製品が、次に私たちを一体どこへ連れて行ってくれるのか。Tableauの最新機能やロードマップは、いつもたくさんのインスピレーションを与えてくれます。私たち #Datafam はそんな未来を想像するだけでワクワクしてしまいますね。
さて、Tableau ConferenceといえばTableau自身が発表するアップデートや優れた使い方のセッションはさることながら、たくさんのユーザーが発表するセッションもあります。
その内容の幅は多岐にわたり、技術セッションから組織内でどうデータドリブン文化を育んだかなどなど。
そして何を隠そう私、KTと、浅井さんは今年世界のTableau Conferenceで唯一の「日本語」で行うセッションに登壇したのでした。

オンデマンドでセッションをご覧いただけます。#DATASaber コミュニティでデータドリブン文化を加速する最強の人財育成プログラム

私は2013年に日本に上陸したTableauと出会った瞬間から、Tableauが繰り出す数々の魅力的なデータビジュアライゼーションの虜になり、それ以来大好きなTableauを周囲の人に広める活動をしてきました。よく、どうしてそんなに熱中しているの?と聞かれますが、みなさんも自分が大好きな映画や趣味のことを周りの人にも素晴らしいと思ってもらいたくて、情熱的に話しますよね?それと同じです。
さらにTableauの素晴らしいところは、最初は魅力的な見た目で人を虜にしつつも、使い続けるうちに本当に大切なことに気づかせてくれることです。すなわち、データと向き合うとききちんと目的を持つこと、私たちはみな創造性豊かな存在であること、そして人と人とのつながり「コミュニティ」が文化を作り私たちの世界をより良い場所にしてくれること。これら大切なことに気づけたことは、私の人生の中で大きな糧になっています。

TableauとTableauを通して出会った人々に教えてもらったことはあまりに偉大で、私一人の身体のうちに留めておくには大きくなりすぎてしまいました。身体の中を渦巻く熱量は私の中から外へ向かって羽ばたきたがっていたのです。
私は自分の持てるすべてをなんとか誰かに伝えようとしてきました。それだけが唯一、私がTableauにできる恩返しだと信じていたからです。

その結果生まれたのがDATA Saberです。データと向き合うために必要な基礎的な技術力と、データドリブンな世界のビジョンを持ち、コミュニティを作って実際に世界を動かしていく人を育成するプログラムです。

2017 DATA Saber cohort

このプログラムは一人一人がそれぞれ必ず「師匠」を見つけないと挑戦できない試練です。つまり、単なる教育プログラムではなく人と人とのつながりで成り立っています。

2020 DATA Saber cohort

私が2017年に始めて、2019年5月に最後の卒業生を見届けた時には105名の卒業生がいましたが、卒業生が新しいメンバーを育成し、その卒業生がまた次のメンバーを育成するという形で大きく成長し、2021年11月現在では580名を超える大きなネットワークになっています。
コミュニティが自走してデータドリブンを推進する人を育成する最強のプログラム、それが「DATA Saber」なのです。
このようなプログラムは世界中を見渡しても類を見ません。

こうして、この画期的な取り組みをTableau Conferenceで発表してみないか?というオファーを受けることになったのです。

Tableau Conferenceというのは、多くのTableauユーザーが夢見る憧れの地です。参加するだけでも光栄なのに、そんな場所でまさか自分が話す日が来るとは…

私は2015年〜2020年の間Tableauの社員として働いていたこともあります。社員がTableau Conferenceで登壇できるような機会がなかったかといえば、そんなことはありません。しかし、世界中で日々切磋琢磨する最高峰の技術を持ったTableau社内の技術者たちとその技やアイディアを、英語という大きなハンディキャップを持ったまま競い合わなければならなかった。もちろん何度か挑戦は試みたものの、Tableau Conferenceの晴れ舞台で話す機会は私が社員だった頃には訪れなかったのでした。
もちろん、世界には自分の母国語ではない言葉で素晴らしいプレゼンテーションができる人もたくさんいます。しかし、人前で、わかりやすく、堂々と、人の心に響くプレゼンテーションを外国語でできる人はどちらかといえば稀少でしょう。

ですから、最初に私に「コミュニティ」を題材とした「日本語」のセッションの依頼が舞い込んだとき、素晴らしいチャンスをもらったと思いました。日本語のプレゼンテーションならなにも恐れることはありません。ただ、一方で不安もありました。日本語のセッションが他の国の人にも見てもらえるのか…しかも技術セッションではなくコミュニティのセッションです。
しかし、私がTableauを通して実現したことで、誰かに何か伝えることができるとすれば、それは私がずっと愛し、育んできたコミュニティに関することだろうということもわかっていました。
であれば、腹を括って、やってやろうじゃないか、日本語のコミュニティセッション!

Tableau Conferenceに外国語のセッションがあるというのは、どんな意味を持つでしょうか。
世界を見渡すと、外国語を話せる人は決して少なくはありません。しかし、母国語の方が理解が容易い人はもっと多いはずです。
私の日本語のセッションは日本語が母国語の方にとってはとても勇気づけられるものとなったと思います。理解しやすいという意味でも、そして自分もいつか日本語で登壇できるという可能性を感じるという意味でも。さらに今回、私のセッションは複数の言語に翻訳され、字幕までつけていただき、日本語がわからない方にも視聴していただくことができました。
こうしてTableau Conferenceに外国語のセッションがあることは、まさしくTableauが世界中のすべての人がデータを見て理解することを支援(Help people see and understand data)していることの写しに他なりません。
Tableau Conference 2022ではもっとたくさんのさまざまな言語を話す #Datafam たちのセッションが聞けることに期待しています!(翻訳大変だと思うけど!)
世界中のすべての #Datafam に伝えたいのは、誰かに伝えたい素晴らしい体験があるなら、迷わずそれを、母国語で構わないので発信し続けてください。それが、きっとみなさんを新しい世界へ向かう扉を開いてくれるはずです。

では、私はどんな新しい扉を開いたのかって?

年に一度の祭典であるTableau Conferenceなので、配信の後はそれはもういろんな方からコメントをいただきました。日本の方からは勇気や元気が出た、自分も信念と情熱を持って物事に取り組みたいというフィードバックをたくさんいただきました。自分の言葉が、誰かに伝わり、その人の心の灯火になれたとしたらそれは本当に嬉しいことです。
それから驚くべきは外国の方からも見たよ!というあたたかいコメントをたくさんいただいたことです。DATA Saberは卒業生がTableauコミュニティの中で発信者として成長していくプログラムなので、日本のデータドリブンを広めているDATA Saberたちが一体何者なのか、どうやってこのプログラムができたのか興味がある方も多かったのではないかと思います。
とりわけ、嬉しかったのは「私もDATA Saberになりたい!」と外国の方からも言っていただけたことです。いまや580名を超えるDATA Saberたちの情熱と実行力が、こうしてコミュニティが発する熱となって、言葉を超えて世界中に伝播していったのです。

情熱的なコミュニティの繋がりがTableau Conferenceで交わり、新しいステージへ向かおうとしています。
2022年に向けて、私たちはTableauを通して生まれたこのデータリテラシーを育むプログラムをもっと多くの人に広げるための、いくつかのプロジェクトを開始しました。これから世界中の、すべての人をデータドリブンにするためのプログラムへ進化させてみせます。私たちのデータドリブン文化を広める旅はまだ始まったばかりなのです。
来年、みなさんへ良いお知らせができるのを楽しみにいます!

参加 日本 Tableauに関する、Tableauユーザーによる、Tableauユーザーのための活動をしています!Japan Tableau User Group

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