Iron Viz 2022 Championship のファイナリストが、クラス最高のデータスキル熟練度を証明

Tableau Conference の決勝には 3 人の猛者が登壇しましたが、2022 年の Iron Viz チャンピオンに輝けるのは 1 人だけです。究極のビジュアライゼーション対決の模様をお届けします。

Iron Viz 2022

Tableau Conference は、究極のデータ対決である Iron Viz なしでは語れません。3 人の猛者が決勝の舞台で、それぞれのデータストーリーテリングスキルを遺憾なく発揮し、2 日目を盛り上げました。Iron Viz 決勝では、20 分という限られた時間の中で、ビジュアライゼーションに精通した 3 人の審査員と、世界中のデータ愛好家が集う大勢のライブオーディエンスを惹きつけ、感動させるようなビジュアライゼーションを作り上げなければなりませんでした。果たして、どの作品が頂点に立ったのでしょうか? このまま読み進めてお確かめください。

Iron Viz 2022 ホスト

Tableau のテクニカルエバンジェリスト Andy Cotgreave が、今回の Iron Viz コンテストでホストを務めました。通算 5 回目です。今回は、親しい仲間である Tableau Community マーケティングマネージャー Danika Harrod を、新しい共同ホストとして迎えました。今年のデータロックスター、CJ MayesKimly ScottWill Sutton の紹介時には、会場が沸き立ちました。Visualizing the Arts の何百というエントリーの中から決勝に勝ち残った、選りすぐりのファイナリストたちです。ビジュアライゼーションをこよなく愛する 3 人は、チャンピオンの座を獲得するため、クリック、ドラッグ、ドロップを駆使します。何千ドルもの賞金 (寄付することもできる) を目指して、決勝戦に挑みました。

Iron Viz 2022

今年のデータセットでは、教育が特定の地域の人口動態に与える世界的な影響がテーマとなりました。複数のデータソースから、国別・年別の教育統計と数値で構成されています。各ファイナリストのそばでは、Sous Vizzer (副 Viz 長) がサポートに回ります。勉強仲間であり、信頼できるアドバイザーであり、最も熱いチアリーダーでもあります。それぞれの副 Viz 長は、決勝戦の間、ファイナリストに必要な製品の専門知識と精神的なサポートを行いました。

Iron Viz 2022

やり手のファイナリストたちでしたが、決勝戦は一筋縄ではいきません。昨年の Iron Viz チャンピオンの Lisa Trescott、Tableau Research and Design VP の Jock Mackinlay 博士、Tableau Public Director の Taha Ebrahimi からなる世界クラスのデータ専門家の一団に感銘を与えなければならなかったからです。審査員は、デザイン、分析、ストーリーテリングの 3 つの基準でビジュアライゼーションを評価しました。採点は、合計スコアの 90% が審査員、残りの 10% が観客のテキストメッセージによる投票で行われました。それでは、ファイナリストたちのパワフルなデータストーリーをご覧ください。

誤解を招く“Grapevine(うわさ)”

CJ Mayes がビルドの方向性を決めるきっかけになったのは、「Factfulness (ファクトフルネス)10 の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」という本でした。この本は、世代間の偏見や誤った情報が、いかに世界に対する私たちの認識を変えてしまうかを掘り下げています。CJ は、平均寿命と識字率という 2 つの世界的健康指標に注目し、それらの指標が世代間の偏見と歴史的な情報に影響を受けていることを明らかにしました。新聞レイアウトでビジュアライゼーションを作成し、複数の誤解を分析することで、“Grapevine (ブドウの木、『うわさ』の意)”という言葉をスタイリッシュに表現しています。また、密度曲線を用いて、1 つまたは複数のグループの数値データの分布を示すヴァイオリンチャートも作成しました。同氏はさらに深く掘り下げ、南アフリカの事例を取り上げました。過去 20 年間、世界平均を上回る識字率を誇る国です。その甲斐あって、同国ではこの 20 年間で平均寿命が 22 歳伸び、世界平均に迫る勢いであることを紹介しました。 

Iron Viz 2022

2 つの国

Kimly Scott はカンボジア系オーストラリア人です。戦後、もし家族がカンボジアに戻っていたら自分の人生がどう変わっていたかを、教育指標を使って説明しました。質の高い教育が個人と国にどのような影響を与えるか、簡潔かつ雄弁にデータストーリーを語ってくれました。自身にとって非常に重要な、アクセシビリティを重視したテキストデザインにしました。自分自身を表す小さな少女のイメージを使い、懐中電灯で照らして、ビジュアライゼーションに焦点を当てました。データがいかに世界を理解する上で助けになるかを表現したデザインです。同氏の分析によると、もし家族がオーストラリアに残っていなかったら、Iron Viz 出場のチャンスを含め、同じような機会を得られなかったかもしれないと説明しました。最後に、教育は人権であるという行動への呼びかけと共に、Malala Yousafzai の言葉を引用して締めくくりました。「私たちは本とペンを手に取りましょう。これこそ最も強力な武器です。一人の子供、一人の教師、一本のペン、一冊の本で、世界を変えることができるのです。教育こそ、唯一の解決策です。」

Iron Viz 2022

若者の識字率のギャップを埋める

Will Sutton は、過去 20 年間の若者の識字率の変化、それが世界に与える影響、そして世界の若者の識字率のギャップを埋めるにはどこに注目すべきかを分析し、ビジュアライゼーションを構築しました。同氏は非常に複雑なデータセットの中から、人間という要素に焦点を当て、すべてのデータポイントが人間の命であることを表現しました。Will のビジュアライゼーションは、独特な新しい Tableau の機能を採用し、説得力のあるストーリーを伝えるためにセンス良くアニメーションを使用しました。副 Viz 長の Mark Bradbourne は、このアニメーションを“viz bae”のようにビルド全体に散りばめていると表現し、ホストの Andy Cotgreave を唸らせました。新しい DataFam 用語誕生の瞬間かもしれません。同氏は巧みなデータストーリーテリングを展開し、個人にもたらす変化は周囲の人々にも変化をもたらし、利益をもたらすことを見事に説明してくれました。最後に、識字率向上を支援し、より公平な世界の教育システムを構築するアクションを呼びかけました。

Iron Viz 2022

優勝者は…

ファイナリスト全員が、データストーリーテリングの優れたパフォーマンスを行い、目を見張る展開ばかりでした。どの作品も心を打つものでした。3 人全員がそれぞれ全く異なるアプローチをとっていましたが、Iron Viz ファイナリストとして全員が観客を驚かせました。その中で最終的に選ばれた優勝者は…Will Sutton です。そして、彼は、UNHCR のウクライナ難民支援に賞金を寄付します。本当におめでとうございます。 

各ファイナリストのスコアの内訳は、以下をご覧ください。

Iron Viz 2022 スコアカード

これで終わりではありません。Iron Viz は、Tableau Public  で日々活躍する素晴らしいビジュアライザーたちにとって、自分たちのマジックの舞台裏を世界に公開するチャンスです。全世界で 200 万人以上が作成した 500 万以上のインタラクティブなデータビジュアライゼーションから、刺激をもらいましょう。音楽からスポーツ、政治まで、ほとんどすべてのトピックに対応するビジュアライゼーションが揃っています。また、Viz of the Day では、新しいストーリーテリングの傑作を毎日紹介しています。ぜひ、今すぐご登録ください。ありったけの“ビズスピレーション”を受信トレイにお届けします。

これで Iron Viz 2022 は正式に終了です。今回も思い出に残る大会となりました。参加者の皆さん全員に、祝辞をお送りします。そして、優勝者の Will、改めておめでとうございます。本当に感動的なパフォーマンスでした。