Tableau の新機能: Tableau Prep でのデータベースへの書き込み、サインイン時のライセンス付与、SAP とのより緊密な統合など

最新の Tableau がリリースされました。Tableau 2020.3 は、分析環境の拡大に役立つパワフルな機能を備えており、信頼できるデータが誰にとってもさらに使いやすくなります。

最新の Tableau がリリースされました。Tableau 2020.3 は、分析環境の拡大に役立つパワフルな機能を備えており、信頼できるデータが誰にとってもさらに使いやすくなります。新たなイノベーションを活用するためにアップグレードしましょう。また、現在の困難な状況でもビジネスを進めていくために役立つリソースについては、Tableau COVID-19 データハブをご覧ください。誰もが最新の情報を把握できるようデータとダッシュボードを定期的にアップデートしています。

今回のリリースの注目機能をご紹介します。

  • Tableau Prep でデータベースに書き込みができる新しい機能により、信頼できるデータを規模に応じて管理できます。
  • ロールが割り当てられたグループのユーザーは、サインイン時にライセンスが付与される機能により、Tableau Online または Tableau Server への初回ログイン時に自動的にラインセンスが付与されます。
  • SAP との接続性が大幅にアップデートされました。これには、新たな SAP 認定SAP HANA コネクタのアップデートが含まれます。
  • 予測モデリング機能計算式の IN 演算子を使用して、レベルアップした分析を実行できます。

今回のリリースで注目の新機能を一部詳しくご紹介しましょう。

Tableau Prep の新機能であるデータベースへの書き込み機能によって、準備したデータからさらに多くの価値を実現

セルフサービスのデータ準備機能により、ユーザーは必要とするデータを、必要とする状態で迅速に取得できます。Tableau は継続的に、Tableau Prep でのセルフサービスのデータ準備機能に投資しています。準備されたデータを拡張し、ガバナンス管理できることは、今後も引き続き重要です。2020.3 では、Tableau Prep ユーザーはデータベーステーブルを準備して、Amazon Redshift や Snowflakeでのクラウド上のデータベース、または MySQL、Oracle、PostgreSQL、SQL Server、Teradata などのオンプレミスのデータベースに書き込むことができます。データベースやガバナンスポリシーへの既存の投資を活用することで、準備済みのデータを一元管理し、拡張できるようになりました。これにより、そのデータを Tableau での分析にすぐに使うことができ、他の分析やデータサイエンスの使用事例でも使用できるようになります。

データベースへの書き込みは往々にして複雑で、時間のかかるタスクとなる可能性があります。Tableau Prep Builder によってユーザーは、データベースへの書き込み経験の有無にかかわらず、新しいデータテーブルを作成する場合でも、既存のデータベースにデータを追加する場合でも、簡単にこのプロセスを行えるようになります。視覚的に直接操作できるフィールドマッピング機能によって、適切なフィールドがデータベース内の適切なデータに正しくマッピングされていることが分かります。そのプロセス中にデータが壊れたり、失われたりする心配はありません。Tableau は、自動的にデータを一時テーブルにロードした上で、最終的なテーブルにマージするため、データが完全にロードされたことを確認できます。

データベースへの書き込み機能は Tableau プラットフォーム (特に、Tableau Data Management の一部である Tableau Catalog) に完全に統合されているため、シームレスなエクスペリエンスを期待できます。この緊密な統合により、テーブルだけでなく、列に追加されるどのような説明も、すぐにリネージやインパクト分析の対象となるため、データを準備した人とそれを使用または分析する人との間で、データに関する共通の認識を持てるようになります。最後に、新たに作成されたテーブルはすべて Tableau Server および Tableau Online で検索可能となり、Tableau Desktop と Web 作成の両方におけるデータ接続の際にも利用できるため、より簡単に新しいテーブルを見つけてアクセスできるようになります。

サインイン時のラインセンス付与によって Tableau の価値をより多くの人に拡張

Tableau 2020.3 では、サイト管理者が特定の個人、チーム、部門、さらには組織全体でメンバーを指定し、そのメンバーが Tableau Online または Tableau Server のアカウントに初めてログインしたときに、自動的にライセンスおよびサイトロール (Viewer、Explorer、Creator) を付与することができます。管理者は、ユーザーおよびグループが初めてログインする前に、それらにロールを割り当てておくことで、自動的にライセンスが付与されるようにできます。これにより、ユーザーは Tableau を使用する前にライセンスをリクエストする必要がなくなり、管理者は 1 回限りの Tableau ライセンスを手動で発行するという手間を排除できます。

サインイン時のライセンス付与により、既存のグループで新たなグループや作業を指定できるため、管理者は組織全体で Tableau ライセンスの展開を継続的に制御する上での最大の柔軟性を得られます。最も重要なのは、組織で規模に応じて迅速に Tableau を展開し、ライセンスへの投資を最適化および拡張することで、Tableau から最大限の価値を引き出せることです。

たとえば、サインイン時のライセンス付与が最適な使用事例として医療があります。ある大規模な大学の医療システムにはおよそ 7 万 5,000 人の医師、看護師、医療専門家が登録しており、その多くが各自の業務を行う上で Tableau にある重要なデータを必要としています。そのうち 1 万人ほどのユーザーが自身の Tableau アカウントにログインして、任意の年のレポート、ワークブック、ダッシュボードにアクセスする予定です。ここでの問題は、7 万 5,000 人の医療従事者のうち、どの 1 万人のユーザーがライセンスを必要としているのかを組織が把握できないことです。

ここでは、医師、看護師、医療専門家の全員分のライセンスを購入するのではなく、7 万 5,000 人の従業員全員のグループに対して 1 つの「割り当て可能」ライセンスを設定できるようになったため、必要となることが分かっている 1 万人分のライセンスのみを購入すればよくなりました。こうすることで、最大 1 万人の従業員が Tableau サイトにログインすることができ、初回ログイン時に自動的にライセンスが付与されます。データへのアクセスが必要な医療従事者は、データを最も必要とする時にアクセスすることができ、Tableau 管理者は 1 回限りのライセンスリクエストを管理する手間が不要になります。ライセンスの上限に迫ってきた組織は、必要に応じてさらにライセンスを購入できます。これによってより効率的にライセンスコストを最適化し、必要時に必要なデータにアクセスする際の潜在的なボトルネックを排除できます。

SAP HANA コネクタのアップデートおよび新しい SAP 認定

Tableau と SAP は、長年にわたって強力なパートナーシップを築いています。両社の統合に対する完全なる信頼と、それが迅速なデータ分析をサポートできるよう高度に最適化されていることに対する確信を得ていただくためには、エンタープライズ投資を継続的に改善していくことが重要となります。

私たちは 6 月に、SAP HANA と Tableau Desktop、Server、Online、および Prep との統合に関する新しい公式の SAP 認定 (HANA-BI-SQL 2.0) を発表しました。この認定プロセスは包括的であり、Tableau と SAP の製品チームとエンジニアリングチームは、両社のお客様をサポートするために両社製品がどのように連携するのかについて最善の理解が得られるよう、緊密に協業しました。また、S/4HANA への移行を準備しているお客様のために、Tableau と SAP S/4HANA に関するホワイトペーパーもリリースしました。これは Tableau と S/4HANA の両方を使用して分析を行うための最適化方法に関する、詳細なガイダンスとベストプラクティスを提示するものです。

2020.3 では SAP HANA コネクタがさらに強化されており、ユーザーは表関数 (表を返すストアドプロシージャ) に接続できます。お客様が Tableau と SAP の利用のどのような段階にいる場合でも、すべてのステップで支援いたします。

新たに強化された分析機能で分析をレベルアップ

予測モデリング機能

私たちは、Tableau の予測機能をさらに強化し柔軟性を高めることで、Tableau の分析の幅をさらに拡張できるよう継続的に取り組んでいます。今回のリリースでは、使い慣れた表計算インフラストラクチャを使用して Tableau 内で予測を構築できる新たな方法を提供します。分析の拡張機能へのアクセスや、R または Python でのコードの記述は不要です。

予測モデリング機能により、予測モデルを迅速に構築し、アップデートできます。これらの機能を使用することで、Tableau から離れることなく、データ内のリレーションシップの把握、不足データの推定、将来のデータの予測が可能です。この予測モデリング機能により、自身の予測を選択して、そのモデル結果を他の表計算内で使用し、独自の予測をエクスポートできる柔軟性が得られます。モデルと予測は、詳細レベルを変更、マークを追加および削除、属性を追加してさらなる分割を行った場合に、再評価できます。予測モデリング機能は表計算であるため、既存のすべての表計算機能を使用することができ、ビジュアライゼーションの共有やデータのエクスポートも可能です。

2 つの新しい表計算である MODEL_PERCENTILE と MODEL_QUANTILE は、Tableau 独自の統計エンジンを使用して予測を生成し、データ内のリレーションシップを表示します。この機能の詳細については、予測モデリングに関するブログ記事をご覧ください。

計算式の IN 演算子

最後にご紹介する 2020.3 の重要な新機能は、計算式の IN 演算子です。この機能により、値のリスト (特に大きなリスト) の比較がきわめて簡単にできるようになります。計算式で IN 演算子を使うと、コンマ区切り値のリスト、セット、市区町村と都道府県/州の組み合わせのような結合済みフィールドのいずれかにある値と、指定した値が一致するかどうかをテストすることができます。IN 演算子でサポートされているデータ型は、文字列、数値、日付、ブール値です。

これらは 2020.3 のほんのいくつかの注目機能に過ぎません。詳細については、tableau.com/ja-jp/new-features をご覧ください。

Tableau コミュニティの皆様に感謝いたします

Tableau は常にお客様を中心に置いて製品を開発しており、Tableau 2020.3 リリースも例外ではありません。今回のリリースも、皆さんがいなくては実現できませんでした。いつもフィードバックやインスピレーションをいただきありがとうございます。Ideas (アイデア) フォーラムでは、お客様の素晴らしいアイデアのおかげで実現した機能をすべてご覧いただけます。

また、Tableau 2020.3 のベータ版を試用された多くのテスターの方々もありがとうございました。皆さんの貴重なお時間と労力をこのリリースの成功のために費やしていただき、感謝いたします。

ぜひ最新版の Tableau を入手してください。また今後のベータプログラムにご協力いただける方は、どうぞご登録ください