センサー 130 万個の IoT データを活用して顧客側のリスクを低減する石油ガステクノロジー企業の Zedi 社
財務レポートの作成で月に 2 週間を削減
顧客側のリスクを低減し、経済的損失を防止
競合他社との差別化要因により収益源を拡大
Zedi 社は、カナダと米国にオフィスを構える石油ガス関連の大手テクノロジーサービス企業であり、毎日 4,700 万以上のデータポイントを生み出す 130 万個のセンサーを管理しています。同社の CTO は、Zedi AccessTM プラットフォームに Tableau Server を埋め込むことを選択して、顧客が設備や生産上の問題を迅速に発見し経済的損失を防止できるようにしました。同社はまた、社内でも Tableau を利用して、財務データと業務データの信頼できる情報源を一元管理しています。Tableau は分析に対する同社のアプローチを変革して、レポート作成で毎月 2 週間の時間削減に貢献しています。Tableau の支援によって、同社は埋め込みサービスで市場での差別化を図り、顧客離れの低減と以前より大きな経常収益源の維持につなげています。
Tableau は、当社のお客様に必要なパフォーマンスと、社内の導入に必要なスケーラビリティを持っています。
「スケーラビリティとパフォーマンス」により CTO が Tableau を採用
Zedi AccessTMは、顧客が生産設備の健全性と、それらの資産に支えられている生産工程の健全性を追跡するのを支援する、Zedi 社の SaaS リモート資産管理ソリューションです。顧客のアップストリームの作業現場に設置されたセンサーは、Zedi 社のクラウドプラットフォームにデータを送信し、データは Oracle Database に格納されます。そして Zedi 社は、Zedi AccessTMに埋め込まれた Tableau Server 上で顧客と分析結果を共有します。データは顧客に応じて、リアルタイムかスケジュールに基づいて更新されます。
以前の Zedi 社は、Zedi AccessTMに埋め込まれた Tableau Server 上で顧客と分析結果を共有します。 「以前のソリューションはとても使いにくくて遅く、見栄えも悪い、ユーザーエクスペリエンスが良いとはとても言えないものでした」と語るのは、シニアテクノロジープロダクトマネージャーの Doug Watt 氏です。
Zedi AccessTMに埋め込まれた Tableau Server の価値を実証した後、IT チームは全社の分析ニーズを支えるために社内に Tableau Desktop と Tableau Server を導入しました。
Watt 氏はこう述べています。「Tableau は、当社のお客様に必要なパフォーマンスと、社内での導入に必要なスケーラビリティを備えています」
Zedi 社の IT チームはデータの品質とガバナンスを管理して、ビジネスプロセスのオーナーが独自の分析を行えるようにしています。「組織全体で新しい発想と能力が開花して、ビジネス上の課題に対するさらに革新的なソリューションにつながっていくのを目の当たりにしました」と、最高技術責任者 (CTO) の James Freeman 氏は語りました。
Tableau はインサイトの提供に欠かせません。(Tableau なら) お客様が膨大な量のデータを迅速にふるいにかけて、最も関心のあるデータポイントにたどり着けるようになります。
Zedi 社はリアルタイムのダッシュボードで顧客側のリスクを可能な限り低減
石油ガスの生産者は通常、月末になるまで生産の中断に気づくことができない場合があります。
しかし Zedi AccessTMでは、顧客が Tableau ダッシュボードを使って設備の健全性をリアルタイムで追跡できます。センサーからの応答が「3 日、3 週間、または3 か月なくても、お客様はその料金を支払い続けています」と、Watt 氏は説明しました。「これはリスクです。デバイスで何か障害が起これば、お客様はそのデバイスから価値をまったく得られないのですから」
生産が突然低下した場合、企業は通常、現場スタッフを緊急派遣してその問題に対処します。Tableau ダッシュボードを利用すると、顧客は 1 日以内に問題の特定、対応、解決を行って、ダウンタイムも障害で発生する経済的リスクも抑えることができます。
「得られるごく小さなデータの 1 つ 1 つに、お客様にとっての経済的な価値があるのです」と、Freeman 氏は語りました。「ダウンタイムを減らすということはアップタイムを維持することであり、利益を生み出す能力を維持することでもあります」
「Tableau はそういう種類のインサイトの提供に不可欠です。Tableau は効率的にデータを視覚化するためのものであり、お客様が膨大な量のデータを迅速にふるいにかけて、最も関心のあるデータポイントにたどり着けるようにするからです」と、Watt 氏は説明しています。
カスタマーケアのためにセンサー 130 万個のデータを最大限に活用
Zedi 社内のチームは Tableau を使用して、現場に導入した 130 万個以上のセンサーから得られた時系列の構造化データを視覚化しています。顧客のセンサーが正常に応答していない場合、Zedi AccessTM のデータは Tableau で外れ値として表示され、顧客に通知されます。
「Tableau のおかげで他社との差別化を図ることができ、顧客離れの低減と、以前より高い月間経常収益の維持に成功しています」と、Freeman 氏は語りました。
同様に、センサーの故障にトレンドが見え始めた場合、Zedi 社は事前対応的に現場スタッフを派遣して、生産中断の可能性を未然に防ぐことができます。
Tableau のおかげで他社との差別化を図ることができ、顧客離れの低減と、以前より高い月間経常収益の維持に成功しています。
財務レポート作成のためのデータガバナンスで月に 2 週間削減
Zedi 社は、Tableau を自社のビジネスの支援と成長にも役立てています。たとえば、同社の財務部門は Microsoft Dynamics GP のデータを Tableau に読み込んで、財務分析への会社のアプローチを変革しています。
プロダクトマネージャーは、さまざまな事業部門やソリューションで、利益、損失、財務のレポート作成に責任を負っています。Tableau を導入するまで、分析チームは Microsoft Dynamics からデータを抽出して Microsoft Access で読み込み、最後に Excel に読み込んでいました。
このプロセスには、Zedi 社の 7 人の各プロダクトオーナーが月に最大 2 日を費やす、長いレポート作成サイクルが必要でした。データには「一貫性がなく、誰もが独自の異なるグラフを作成し、独自の異なるフィルターを使っていました」と、Watt 氏は当時を語ります。このため、プロダクトマネージャーと財務チームの間で混乱が生じ、結果としてデータへの不信感が形成されていました。
そこで IT チームは Tableau を活用して、全社で財務レポート作成のための一元管理された信頼できる情報源の役割を担う、一連の中核的なダッシュボードを財務チームとともに作成しました。「(財務チームは) データの取得方法、取得のタイミング、どのデータが必要なのかについてコントロールしています」と、Watt 氏は語ります。
より迅速で正確なレポート作成の実現により、Zedi 社はレポート作成にかかる時間を月に 2 週間も削減しました。これによって従業員は、ビジネスを推進する戦略的プロジェクトに注力できるようになりました。
戦略計画で重要な役割を担う Tableau
Zedi 社は、社内データの独自の分析方法を見出し続けています。たとえば、同社の分析チームは先ごろ、Microsoft Dynamics と Salesforce のデータを Tableau でブレンドし始めました。これにより、請求やカスタマーケアから Zedi AccessTM 製品の実際の利用状況まで、カスタマーエクスペリエンスの全体像を得る計画です。
Zedi 社は、センサーに加えてポンプジャックも開発し製造しています。同社のチームは R で予測分析を行い始めており、ほぼリアルタイムで問題の診断を行いやすくするために結果を Tableau で表示しています。
現在 Zedi 社は、Zedi AccessTM とその基盤の IoT プラットフォームの応用を、石油ガス以外の業界にも積極的に広げています。Tableau は今後も、柔軟性と設定の自由度により Zedi 社に選ばれている分析プラットフォームとして、重要な役割を担っていくでしょう。
一方で、Zedi 社は社内外ともに導入を拡大する計画を持っています。Freeman 氏は次のように語りました。「全社の従業員は、以前より自分のデータを理解しています。ですから、ニーズを IT 部門に満たしてもらうのではなく、自分でダッシュボードを作成して自分のデータを調べるためのツールを、従業員に提供したいと考えています。 Tableau が持つ機能と分散クライアントライセンスのおかげで、この分散型のイネーブルメントを行うことができます」