Tableau と AWS のクラウドドリブンな分析環境にデータを集約する St. Mary's Bank

Tableau を活用して約 40,000 件のデータエラーを解決

全職員の 80% 以上に Tableau を普及

レポート作成の自動化で週に 15 時間前後を節約

米国で最初に設立された信用組合の St. Mary's Bank は、銀行業務、融資、長期計画のサービスにより、100 年以上にわたって個人や家庭、企業の金融ニーズを支援してきました。5 年前、多種多様なシステムの混在が原因で、強化が必要なデータとテクノロジーの全体像が得にくいことが問題になりました。そのため、新たなコストをかけずに一層多くの職員と連携してレポートを共有することも、10 万人以上いる組合員の融資申し込みや取引の正確性を確認することも難しい状況でした。そこで St. Mary's Bank は移行に着手しました。まずは、全データを 1 か所に保存するための、テクノロジーのアップグレードとデータウェアハウスの構築です。よりデータドリブンな企業になることを重点項目に掲げ、手作業によるレポートを Tableau ダッシュボードに置き替え始めました。オンプレミスからクラウドのアマゾン ウェブ サービス (AWS) への移行が完了した後、St. Mary's Bank は Tableau の導入規模を拡大して全社の分析ソリューションにしました。Tableau は AWS にも Snowflake などのデータソースにもネイティブに接続できるため、現在の St. Mary's Bank はあわせて 10 億ドルを超える顧客資産に関する分析を、迅速かつ高い信頼性およびコスト効率で実行しています。

Tableau の使用を大幅に拡大しました。約 250 人の従業員を抱える組織で、しかもテクノロジーに注力しているとは思われていない業界にもかかわらず、160 人の Tableau ユーザーがいるという事実は、大いに自慢できるところです。

簡単になったデータアクセスにより支店業務とカスタマーサービスが改善

現在、職員の約 70% が Tableau を利用しており、支店業務に関するインサイトを収集しているほか、カスタマーサービスや資産管理、業務パフォーマンスを強化するためのデータドリブンな意思決定を行っています。すべてのデータが AWS に集約された後、ビジネス分析・プロジェクト管理チームは、データクリーニングを迅速に行い規制コンプライアンスの維持を支えるために、Arkatechture 社の支援を得て AWS にルールエンジンも導入しました。データ品質は Tableau で追跡され、ビジネス部門が毎朝オンデマンドで表示できるようになっており、これまでに約 40,000 件のデータエラーが解決されて週に 10 ~ 20 時間の節約につながっています。St. Mary's Bank は、戦略的な企業目標であるボランティア活動も Tableau でモニタリングしています。ダッシュボードでは、全職員の毎月のボランティア時間とその時間を金額に換算した価値を追跡しており、St. Mary's Bank の社会貢献の文化を支える、個人や部門、全社の成果を経営陣が評価できるようになっています。「各部門のチームの活動状況や、運用されているそれぞれの実稼働環境でデータが広く利用されているのを見ると、St. Mary's Bank で育んできたデータカルチャーを誇らしく思えます」と、ビジネス分析・プロジェクト管理部門ディレクターの Melissa Pomeroy 氏は語りました。

コミュニティ活動でデータカルチャーを育成

St. Mary's Bank で Tableau の導入が広がったことから、ビジネス分析チームは「Tableau オフィスアワー」という新たな取り組みを始めました。「Tableau オフィスアワー」は 6 週間おきに設けられ、職員は立ち寄って質問したり、ほかの職員から新しい知識を学んだりすることができます。このチームは、利用可能なダッシュボードにアクセスする方法や、データにアクセスして独自のダッシュボードを作成する方法をほかの職員が身につけられるように、トレーニングにも投資しています。また、職員が Tableau の知識を試せるゲームを考案して、楽しさの要素も加えています。「それぞれの事業部門から代表者を出してもらって、まずホワイトボードにビジネス上の質問を書きます」と、Pomeroy 氏は説明しました。「参加者は 10 分間でダッシュボードやワークブックを操作して、質問の答えを出せた人が賞品をもらえます。このゲームにはみんなが夢中になり、データは楽しいものでもあると理解できるのです」