日本通運、倉庫の作業効率に関するレポートを Tableau で作成し、作業時間を大幅に短縮
レポート作成の作業時間が 1/12 に短縮
計算ミスがゼロになり精神的負担も軽減
日本通運株式会社は、1937 年に設立されたグローバルロジスティクス企業です。日本をはじめ米州、欧州、東アジア、南アジア、オセアニアの 5 極体制でビジネスを展開し、陸海空を網羅した多彩な輸送モードを駆使した物流のワンストップソリューションを提供しています。また物流を核としたサプライチェーンソリューションの提供も行っており、そのために必要な倉庫も世界規模で展開、その数は約 1,500 拠点に上ります。
「これらの倉庫における作業効率を分析するため、2016 年 4 月に Tableau を導入しました」と語るのは、海外事業本部 グローバルロジスティクスソリューション部 係長の金子 俊哉氏。倉庫内の平面図上で棚ごとの荷物出し入れ頻度を可視化し、どの棚とどの棚の荷物が一緒に出荷されることが多いのかといったバスケット分析や、出荷先のトレンド、時系列で見た時の作業負荷の増減、作業者個人別の生産性など、さまざまな観点での分析が行われているといいます。その後、IT 部門でも Tableau を導入、現時点では国内外の日通グループで、19 ライセンスが利用されています。
2017 年 10 月には複数部門が共同し、顧客向けレポート制作を Tableau で効率化するというプロジェクトにも着手。大きな成果を上げています。
本インタビューは以下の方々へ行いました。
海外事業本部 グローバルロジスティクスソリューション部 係長 金子 俊哉氏
ロジスティクス開発部 係長 新藤 克典氏
営業開発部 課長 (商流・アパレル) 坪内 一憲氏
仕事のスピードが明らかに速くなりました。私自身の体感では 3 倍速になっています。以前は分析に費やされる労力で疲れてしまい、その先の仕事にまで手が回りませんでしたが、いまでは改善策の立案やその実行といった、より大切な仕事にエネルギーを費やせるようになりました
Tableau: Tableau を導入するきっかけを教えてください。
坪内氏: 2017 年秋に、7 か国 8 拠点の倉庫をご利用の大手のお客様から、『各倉庫での作業効率のデータが欲しい』と言われたことが、このプロジェクトのきっかけになりました。当初は手作業で集計を行い、顧客が決めた Excel のフォーマットにまとめ、週次でレポートを提出していましたが、そのデータ量は 65 万レコードに上り、各レコードのカラム数も多いため、集計の作業負担が大きかったです。作業方法を工夫することで時間短縮を進めてきましたが、6 時間以下に縮めることはできませんでした。毎週これだけの時間をレポート作成に費やすのは問題があると考え、解決策をロジスティクス開発部に相談することにしたのです。
Tableau: 今回のプロジェクトで Tableau を選定した理由を教えてください。
新藤氏: 社内ですでに実績があることと、他のツールに比べて簡単に使える点を評価しました。また将来は各倉庫の生産性を可視化し、その内容を倉庫にフィードバックすることも考えていたため、ビジュアライズが素早くできる点も魅力的でした。
金子氏: 柔軟なフィルター設定や、地図に対するボリュームデータのマッピング、バブルチャートの作成など、従来は対応が難しかったことも簡単にできてしまうので、これはすごいツールだと感じました。処理スピードも圧倒的に速く、これを使わない手はないと考えました。
Tableau: Tableau の導入効果を教えてください.
坪内氏: レポート作成のプロセスに Tableau を組み込んだことで、以前は手作業で 6 時間かかっていた作業時間が、現在ではわずか 30 分に短縮されています。Tableau 活用前はあれだけ工夫しても短縮できなかった作業時間が、一気に短縮されてしまいました。おかげで残業時間も減っています。
Tableau: 今後の展開について教えてください。
坪内氏: 今後は各倉庫の作業効率をビジュアル化し、倉庫レイアウトや人員配置の最適化を行うことで、現場力強化につなげていきたいと考えています
新藤氏: 今回 Tableau を使ってみたことで、倉庫改善の可能性はまだ大きいことがわかりました。これをうまく使うことで、会社全体の競争力強化にもつながるはずです。ぜひ他の部門にも紹介していきたいと思います