従業員の自主管理の推進、透明性の高い戦略の導入、業務の改善を Tableau で実現する Bayer 社

各部門のデータ分析レポートの作成サイクルを 83% 短縮

従来のレポート分析から、世界規模の意思決定支援プラットフォームに変貌

Tableau Server によりセルフサービスのデータ分析が推進され、従業員はセルフサービスからセルフサービスによる管理に発展

Bayer 社は 150 年以上の歴史を持つライフサイエンスのグローバル企業であり、医療と農業の分野をコアコンピテンシーにしています。ドイツのレバクーゼンに本社を置き、中国市場に進出したのは 1882 年のことです。今や中国の合弁子会社は 12 社を数え、さまざまな種類の製品を扱い、多種多様なデータを大量に保有しています。中国の Bayer Healthcare Company Limited 社には、医薬品部門、コンシューマーヘルス部門、クロップサイエンス部門があります。Bayer Healthcare Company Limited 社の医薬品部門で、コマーシャルインサイト担当責任者と分析ディレクターを務める David Wang 氏は、Bayer 社の医療とヘルスケアの事業開発に Tableau が役立ったと語っています。Tableau が持つ強力なデータ統合機能により、Bayer 社は社内で「ビジネス言語」を標準化し、データ処理と意思決定の効率を大幅に改善することができました。

統合と分析レポートの手順にかかる時間が半年から 1 か月に減り、部門の分析レポート手順も 3 か月から 2 週間に短縮されました

透明性と効率が高い一貫した会社業務

グローバル大企業の Bayer 社は、統合と分析を必要とする膨大な社内外データを抱えています。事業運営のいろいろな部門でユーザーと営業の多種多様な大量のデータが生成されるため、同社は一元管理の課題に直面していました。Wang 氏によると、Bayer Healthcare Company Limited 社は 2016 年、3 段階で Tableau Desktop を利用し始めました。まず 2016 ~ 2017 年、マーケティング部門のユーザー 10 名強がレポート作成に Tableau Desktop を利用していました。次に 2017 年から 2018 年末までの期間は、分析部門が Tableau Server を活用して分析レポートを作成し始め、さまざまな部門からの 1,200 名を超える従業員がデータの共有と表示に Tableau Server を使用しました。そして 2018 年末から現在が第 3 段階であり、Tableau は従来のレポート分析ツールから、さらに役立つ意思決定支援プラットフォームに変貌を遂げています。Bayer 社は、世界規模の意思決定分析プラットフォームとして Tableau を導入し、パフォーマンス測定とともに業務管理の透明性と効率も高めることのできる、共通の「ビジネス言語」にしています。

インテリジェントな意思決定支援プラットフォーム

Bayer 社は Tableau を導入するまで、異なるデータソースと分析ツールを用いるさまざまな部門からデータを集めて、ある製品やブランドに関する分析レポートを作成していました。経営陣にとって難しかったのは、数々の部門の全レポートを踏まえつつ、製品に関して総合的な判断や評価を下すことです。またグローバル大企業であることから、さまざまな国や地域のデータレポートの比較、分析も行わなければなりませんでした。レポートの中には作成に半年かかるものもありました。この問題の解決に役立ったのが Tableau のデータ統合機能です。Bayer 社は Tableau を利用して複数あるデータソースを統合し、総合的な分析を行えるようにしました。また、データ統合の分析レポート作成に必要な時間を 6 か月から 1 か月に短縮し、部門の分析レポート作成も 3 か月から 2 週間に削減することができました。このように時間が削減され、Tableau はデータ統合と意思決定の効率改善に役立ちました。

マネージャー全員が、意思決定、ビジネスプラン、プロジェクトのフォローアップに Tableau Server を日々利用する習慣を身につけました

データ処理の際、Tableau ではより分析的な要素を得られます。たとえば、統計機能の説明に加えて、急速に変化する市場と競争環境に対応するための詳細な予測分析やバースト分析も可能です。医薬品市場政策の急速な変化に直面した Bayer 社は、社内外データの統合分析を通じて専門的な知識を定量的な指標に変え、インテリジェンスとデジタル化の歩みを進めながら、政策の変化が市場にもたらすインパクトを予測しています。同社では、Tableau がデータ統合ツールから意思決定支援プラットフォームに変貌を遂げ、ビジネス部門以外でも利用されるようになりました。Wang 氏は次のように述べています。「当社は Tableau を『スマートプラットフォーム』と呼んでいます。これは、従来より高速でスマートな意思決定支援プラットフォームという意味です。Tableau の予測分析とシナリオ分析により、先行きの不透明な現在の市場と競争環境で最善の結果を出すための手段をうまく評価することができます。誰もが以前より速く機敏に、的を絞った価値の高い意思決定を行えます。マネージャー全員が Tableau を毎日使う習慣を身につけました」

当社は Tableau を『スマートプラットフォーム』と呼んでいます。これは、従来より高速でスマートな意思決定支援プラットフォームという意味です

セルフサービスから自主管理への変革で業務を改善

「Tableau Server のおかげでセルフサービスのデータ分析やレポート作成が促され、自主管理のインパクトが徐々に表れています」と、Wang 氏は語っています。Tableau は一般的にセルフサービス分析ツールとして利用されているかもしれませんが、Bayer 社は Tableau を通じて業務と管理の新たな方法を見出しました。現在、同社の経営陣は Tableau のデータビジュアライゼーション機能を使って、機能部門と事業部門の戦略や評価を設定した後に事業運営を管理しており、同社にとっては非常に高い価値が生み出されています。例えば、Bayer 社の医薬品部門では、IT 部署、パフォーマンス部署、ビジネス部署で、KPI スコアカードというパフォーマンスデータ評価システムを構築しました。このダッシュボードプラットフォームでは、これらの部署から収集されたさまざまな KPI 指標が評価されます。ビジネス部署の従業員は、KPI を視覚化したレポートで自分を他者と比較できるほか、現在と過去の業務状況も比較でき、問題の発見や解決をリアルタイムで行えます。一方、経営陣はデータを用いて、関係する従業員の業務状況、顧客のフィードバック、会社戦略と規制の実践状況を把握でき、それによってパフォーマンスの企業文化が形作られています。その結果、従業員はセルフサービスから自主管理へと変革を果たしました。また、透明性の高い方針策定と管理により、同社は上層部から従業員のレベルまで業務を最適化することができました。次のトレンドはエンタープライズのデジタルトランスフォーメーションであり、その進化の一環として企業がデータを利用し競争力を強化するのに Tableau が役立つでしょうと、Wang 氏は述べています。