Amano-自社製品と連携するダッシュボードをTableau で提供

実運用で効果を発揮するデータ分析の実現

新たな付加価値提供による売上増大

導入の背景

ニーズが高まっている労務・人事のデータ分析

働き方の見直しによる生産性向上が、近年の日本企業の重要課題になっています。この課題に対応するには、従業員の生産性を数値で可視化し、継続的な改善・改革を進めていかなければなりません。そのためのソリューションを顧客に提供するためTableau を活用しているのが、アマノ株式会社と株式会社クレオです。

アマノはグローバルに5 つの事業を展開する企業であり、その中にはタイムレコーダーをはじめとする時間管理機器や、労務管理システム『TimePro-VG』などの情報システムが含まれています。一方のクレオはアマノを筆頭株主とするITソリューション企業であり、2005年に『ZeeM 人事給与』をリリース。2014年にはアマノとの業務提携を発表し、TimePro-VG とZeeM 人事給与との連携も実現しています。両社はこの2 つのソリューションによって、働き方改革の取り組みをトータルサポートしているのです。

「最近ではBI 製品へのニーズが高くなっており、他社の労務管理システムでも簡単なダッシュボードを備えるものが増えています」と語るのは、アマノ 時間情報事業本部 ソリューション営業部 VG/ZeeM 営業課の成田 晃 氏。しかし詳細に調べていくと、見た目だけのダッシュボードが一般的で、実運用での効果が期待できないものが多いと指摘します。「独自にBI 製品を導入するユーザー企業も増えていますが、十分に使いこなせていないケースが少なくありません。単にBI 製品を導入するだけではなく、実運用まで支援するサービスが必要だと感じていました」。

アマノはこの問題を解決するため、TimePro-VG やZeeM 人事給与と連携するダッシュボードの提供と、その活用をサポートするビジネスを企画。このダッシュボードのプラットフォームとして、Tableau を採用しているのです。

 

Tableau の導入・運用環境について

顧客のユースケースを元に汎用的なダッシュボードを開発

アマノとクレオが構築したビジネススキームは以下の通りです。

まずクレオがTableau社からTableau Cloud の管理者ライセンスとViwer ライセンスを契約し、100 ユーザー単位でユーザー企業向けライセンスを管理。クレオがTableau を使った分析ソリューションを開発し、アマノが販売代理店となり顧客企業に月額料金で提供します。このTableau Cloud に対し、クラウド、もしくはオンプレミスにあるTimePro-VG とZeeM 人事給与からデータをインポート。そしてクレオが作成した顧客向けテンプレートによって、労務管理や人事給与のデータを顧客が自由に分析できるようにしています。なおアマノでは、TimePro-VG などの労務管理システムのユーザー企業に保守サービスも一緒に提供していますが、このダッシュボードは保守プランの追加メニューとしてラインアップされる予定だと、成田氏は説明します。

「すでに社内でTableau を活用していたこともあり、ダッシュボードの開発は順調に進んでいます」と言うのは、クレオ マーケティング統括部で統括部長を務める金子 友則 氏。またTableau Cloud はサーバーを用意する必要もないため、環境整備も短期間で完了したと振り返ります。「いまはお客様の話を聞きながらユースケースを明確化し、汎用的なダッシュボードを揃えているところです。2021年10月には労務BI のダッシュボード群を正式にリリースする予定です」。

 

Tableau 選定の理由について

安価な料金や柔軟性の高さ、豊富な知見などを評価

BI プラットフォームとしてTableau を選定した理由について、成田氏は次のように説明します。

「まずは価格です。1 ライセンスあたりの価格が他社より安く、これならお客様の導入ハードルも低くなると考えました。またTableau が世界的な企業であり、ダッシュボード作成等に関する多くの知見が存在することや、製品自体の柔軟性の高さ、各種設定などの行いやすさも評価しています。さらに、すでにクレオが社内でTableau を使っていたことも、採用を後押ししました」。

これに加えて金子氏は、BI プラットフォームとしての完成度が極めて高いこともTableau の大きな特長だと語ります。

「単に見栄えがいいダッシュボードを作成できるだけではなく、他システムとの連携やデータ加工も、SQL 文を書くことなくGUI で簡単に実現できます。実際にTimePro-VG やZeeM 人事給与とのデータ連携も、わずか1 日で完了しました。また教育コンテンツが充実しており、ユーザー発信の情報が膨大に蓄積されていることも、開発者からみた大きなメリットだと感じています」。

Amano graphic 1

実運用で効果を発揮するダッシュボードをご活用いただくことで、働き方が可視化され、変革に役立つと考えています。また最近では労務リスクを排除していくことも重要になっていますが、Tableau のダッシュボードはこのようなニーズにも対応できるはずです

Tableau の導入効果について

新たな付加価値提供でビジネスを拡大

Tableau Cloud によってダッシュボードを提供することで、次のような効果が期待されています。

実運用で効果を発揮するデータ分析の実現

「Tableau Cloud のダッシュボードは見た目がいいだけではなく、データを自由自在に扱える柔軟性があります」と成田氏。これに、アマノとクレオが長年にわたって蓄積してきた労務管理のノウハウを融合することで、実運用で効果を発揮するデータ分析が可能になると言います。「当社は労務管理の分野で高いご評価をいただいておりますが、ダッシュボードも『さすがはアマノ』と言われるものを提供したいと考えています。また人事給与管理だけを使っていたお客様に対しては、その他の労務管理にも支援範囲を広げられると考えています」。

新たな付加価値提供による売上増大

ダッシュボードの提供によって、アマノ/クレオの売上増大も期待されています。「TimePro-VG を購入したお客様に付加価値サービスであるダッシュボードをご契約頂くことで20%~25%の売上増大を見込みます」(成田氏)。

サブスクリプションビジネスの拡大

その一方で、サブスクリプションビジネスを拡大する起爆剤としても、大きな期待が寄せられています。「お客様の中には月額料金に抵抗を感じる方が多く、当社のサービスも買い切り型で購入されるお客様がまだ一般的です。しかしダッシュボードサービスでクラウドシフトを加速することで、売上を安定化させやすいサブスクリプションモデルにシフトしやすくなると考えています」(成田氏)。

 

1 つのダッシュボードの中でデータを触ると、関連するダッシュボードの内容も瞬時に変わることです。単にグラフを見せるだけではなく、ダイナミックに反応していく。これは凄いと感じました。またテンプレートのサンプル数が多いことにも圧倒されました

今後の展開について

分析対象データの拡大で経営戦略に貢献できるBIへ

当初は労務・人事BI からスタートするアマノ/クレオのダッシュボードですが、将来は分析対象のデータを順次拡大していく計画です。

「近い将来には企業経営者の人事戦略に活用できるBIを実現し、その後も営業情報等へと分析データを拡大することで、トータルな形で経営戦略に貢献できるBI へと発展させていく予定です」と金子氏。他システムとの連携が容易なTableau であれば、このような構想も具現化しやすいと語ります。「これによってアマノ/クレオのソリューションは、さらに大きな価値を提供できるようになるはずです」。

Amano Graphic 2