Tableauを活用したダッシュボード「ADK RADs」を提供
レポート作成の工数削減
意思決定の迅速化
消費者を動かすプロフェッショナルとして、顧客のマーケティング領域における総合的な課題解決を支援しているADK マーケティング・ソリューションズが、2019 年12 月に「ADK RADs(Reporting & Analytics & Decision system)」β版の提供を開始しました。これはクライアントの意思決定を支援することを目的としたダッシュボードサービスであり、デジタル広告運用に関するデータを統合・可視化・分析を行うことが可能です。リアルタイムなデータ提供へのニーズや、多面的なデータ分析の要請に応えることで、PDCA の精度・スピードを上げることを目指しています。
「以前はExcel やAccess を利用してデータ分析を行っていましたが、すでに限界を感じていました」と語るのは、事業計画本部 デジタルビジネスプロデュースセンターでマネージャーを務める濱野 充宏氏。入力などの工数が掛かり過ぎていた上、分析に関するナレッジに偏りが生じていたことも大きな課題だったと言います。「また一部の作業をアウトソースしていたこともあり、コストが掛かっていたことも問題になっていました」。
このような問題を解決するため、BI ツールの導入を検討。最終的にBI ツールとしてTableau を選択し、これによってADK RADs を構築するに至ったのです。
以前は顧客1 社あたり最大で10 時間程かかっていたExcel でのレポート作成が Tableau によって大幅に削減できました。また広告施策などの結果をほぼリアルタイムでトラッキングできるため、次のアクションも行いやすくなっています
Tableau の導入・運用環境について ADK RADs が提供する具体的なサービス内容は、各メディアの広告配信データ等をデイリーで取得してデータベースに蓄積・統合し、多様な切り口で広告効果を分析するというものです。俯瞰的な現状把握から個々のメディア別、キャンペーン別のパフォーマンスまでをドリルダウンで分析することで、成功要因と課題を可視化できます。レポートはWeb で閲覧でき、サードパーティのデータやCRM データなど、多様なデータと組み合わせることも可能。個々のクライアントのニーズに応じた、カスタマイズレポートの提供にも対応しています。
Tableau の導入・運用環境について ADK RADs が提供する具体的なサービス内容は、各メディアの広告配信データ等をデイリーで取得してデータベースに蓄積・統合し、多様な切り口で広告効果を分析するというものです。俯瞰的な現状把握から個々のメディア別、キャンペーン別のパフォーマンスまでをドリルダウンで分析することで、成功要因と課題を可視化できます。レポートはWeb で閲覧でき、サードパーティのデータやCRM データなど、多様なデータと組み合わせることも可能。個々のクライアントのニーズに応じた、カスタマイズレポートの提供にも対応しています。
データソースからのデータ取得は、大きく2 種類の方法を採用しています。API が用意されているデジタル広告メディアに関しては、提供されているAPI で接続してデータを取得。それ以外のデータソースに関しては、独自プログラムによるスクレイピングやRPA を駆使することで、データを取得しています。
「ADK RADs を構築するきっかけとなったのは、一部のお客様から『レポートとして見るだけではなくアクションにつながるデータが欲しい』というご要望をいただいたことです」と言うのは、事業計画本部デジタルビジネスプロデュースセンターの宮 亮介 氏。そこで2019 年9 月までにTableauでこの仕組みを作り、10 月に先行リリースして顧客の反応を確認した上で、12 月のβ版リリースに至ったのだと説明します。
「現在ではデジタルメディア部署全体に展開し、社内ユーザーとお客様とで同じ数字を見て意思決定していただけるようにしています。これによって広告施策などの結果をほぼリアルタイムでトラッキングできるようになり、どのようなアクションを起こせば目標値に達することができるか、といったシミュレーションも可能になりました」。
Tableau 選定の理由について それではなぜADK RADs の分析ツールとしてTableau が選択されたのでしょうか。宮氏は大きく3 つの理由を挙げています。
第1 は、Tableau 内部でのデータの持ち方が、多様な分析に対応しやすいことです。事前に集計を行うことなくローデータのままデータを保持できるため、改めてデータを再取得することなく、ドリルダウンなどを自由に行えるのです。
第2 は、ドリルダウンの操作が行いやすいことです。「Tableau は他のBI ツールに比べ、直感的な操作でドリルダウンを行えます」と宮氏は指摘します。
そして第3 が、グラフ作成が容易であり、その内容を簡単な操作で多面的に切り取ることが可能なことです。
「Tableauでは3 軸、4 軸での分析や可視化が可能です。例えばバブルチャートなどで可視化を行ない、その内容を複数の軸でフィルタリングしながら、効果の高かったキーワードや表現を抽出する、といったことが簡単に行えます」(宮氏)。
さらに濱野氏は、ライセンス体系も採用を後押ししたと付け加えます。
「他のBI ツールでは取り扱うデータ量に応じた従量課金を採用するケースが多いのですが、Tableauはデータ量が増えてもライセンス料が変化しません。当社が扱うデータ量は非常に多く、ログデータではレコード数が億単位になることも珍しくないため、長期的に投資対効果を最大化するにはTableauが最適であると判断しました」(濱野氏)。
Tableau の導入効果について Tableau を活用したADK RADs の提供は、大きく2 つの効果をもたらしています。
レポート作成の工数削減
以前は顧客向けレポートとして、日次、週次、月次の3 種類のものをExcel で作成していました。そのための工数は、週次、月次のレポートでは1 件あたり1 ~2 時間、日次のレポートでも30 分は必要でした。これらの合計時間は顧客1 社あたり最大で10 時間/ 月に上り、これをTableau によって大幅に削減されました。
意思決定の迅速化
広告施策などの結果をほぼリアルタイムでトラッキングでき、次のアクションの検討につなげやすくなった結果、顧客の意思決定スピードが大幅に向上しました。またADK マーケティング・ソリューションズ社内全体でのメディア運用状況や需要の変動、ジャンルごとのアカウント数などの可視化も容易になったため、どのような広告/ マーケティングパッケージを整備する必要があるのか、アップセルやクロスセルの提案で顧客の満足度を高められないか、といった判断も下しやすくなりました。
今後の展開について ADK RADs のユーザーは、現在ではデジタル広告媒体を扱う部署とそのクライアントがメインとなっていますが、今後は対象ユーザーをさらに拡大していく計画です。
「当社は総合広告会社なので、取り扱っているメディアはデジタルだけではありません。テレビや新聞、雑誌といった従来型のマスメディアも取り扱っており、CRM に関するデータも保有しています。これらのデータも含めて分析可能にすることで、より大きな価値が出せると考えています」(濱野氏)。
またAI などを活用したサジェスチョン機能も実現していきたいと濱野氏は語ります。 「お客様にとって重要なのはレポートそのものではなく、データにもとづいて適切な意思決定を行うことです。AI によるサジェスチョンは、これを加速するための重要な道具になるはずです。これからもTableau を極限まで活用することで、お客様の意思決定をご支援したいと考えています」。