Tableau Viewer と Tableau Reader

Tableau Reader と Tableau Viewer の違い

違いはたくさんあります。

Tableau Reader は、Tableau の初期に作成された無料の製品であり、アナリストやコンテンツ作成者が Tableau Desktop で作成したコンテンツを配信することができます。Tableau Reader は、分析コンテンツを共有および配信できる Tableau Server が提供される前に作成されており、当初は、Tableau Desktop にアクセスする必要なくインタラクティブコンテンツを組織内の他のユーザーに共有できる唯一のオプションでした。

Tableau Viewer は、Tableau Server 上のロールベースのライセンスオプションです。一般ユーザーがデータセキュリティのリクスを冒すことなく、Creator および Explorer が作成した信頼できるコンテンツにアクセスし、操作することができます。

機能の観点では、Tableau Reader は、Tableau のミッションクリティカルな実稼働環境に不可欠なガバナンス、セキュリティ、管理機能がありません。また、Tableau Reader ユーザーがアクセスし操作できるのは、ローカルのワークブックのみです (詳細な製品比較については下記の比較表をご覧ください)。このような制約により、Tableau Reader は概念実証プロジェクトのオプションとして利用できるものの、組織全体に分析機能を大規模に展開するためのオプションではありません。

一方、Tableau Viewer ユーザーは、管理されたサーバーベースの導入によるセキュリティおよび信頼性という利点があり、次のことが可能です。

  • 埋め込まれた、Web ベースおよびモバイル用のコンテンツへのアクセスと操作
  • ビジュアライゼーションに関するサマリーデータのダウンロード
  • コンテンツのお気に入り登録
  • ビジュアライゼーションを画像ファイル (PNG、PDF) としてダウンロード
  • ビジュアライゼーションまたはダッシュボードへのコメント付け
  • サブスクリプションの作成と受信
  • データドリブンアラートの受信

カスタマイズ可能なサブスクリプション機能を示す Tableau Viewer のスクリーンショット

Tableau Reader は本当に無料?

Tableau Reader は無料でダウンロードできますが、Tableau Server の代替として使用した場合、その展開と保守は無料ではありません。組織は、Tableau Reader の展開とサポートに必要となる貴重な IT リソース関連のコストを考慮する必要があります。また、Tableau Reader にはガバナンス機能がないため、コンプライアンス問題に関するコストが発生する可能性もあります。Tableau Reader の展開には、ローカルで共有およびアクセスするソースファイルが必要になり、IT にはそれらのファイルが作成後にどこへ行き、どのように使用されるかについての可視性がありません。

Tableau が提供するロールベースのサーバーライセンスにより、IT は実稼働環境の保護、ガバナンス、管理を行うことができると同時に、Tableau Reader を大規模に展開する場合に組織がさらされるリスクと隠れたコストを大幅に低減できます。組織に適した Tableau Server ロールの組み合わせを選択する方法については、こちらをご覧ください。

Viewer パーミッションを設定するサーバーマネージャーを示す Tableau Viewer のスクリーンショット

Tableau Reader から Tableau Server に移行する方法

Tableau Reader をすでに展開済みで、制御できないほど利用が拡大している場合は、Tableau Server の利点を検討することをお奨めします。Tableau Reader から Tableau Server への移行を検討する際の最初のステップは、現在の使用量をまとめることです。どのくらいのユーザー、ワークブック、データソースが Tableau Reader を使用しているかを割り出します。次に、そのユーザーやコンテンツに基づき、その展開を管理するためのコストを算出します。

各コンテンツの管理と配信にはどのくらいのコストがかかり、IT が組織にとってより戦略的な業務に取り組めないことでどのような機会損失が発生するでしょうか。そして、Tableau Server で利用可能な共有済みコンテンツの共有やコラボレーションによってどのくらいの価値がさらに引き出されるかについて注目しながら、それらがビジネスプロセスに及ぼす影響を判断します。最後に、Tableau Server への投資と、管理された環境に Tableau Reader のコンテンツを移行することの正当性を確立します。管理された環境でこそ、ユーザーは Tableau のフル機能を活用できます。

利用できる機能

各ライセンスプログラムで利用できる機能をご覧ください。
  アクセス Creator Explorer Viewer Reader
アクセス Web およびモバイル
埋め込みコンテンツ
他の Web サイト、ポータル、アプリケーションに埋め込まれたコンテンツへのアクセス。
  操作 Creator Explorer Viewer Reader
操作 ビジュアライゼーションおよびダッシュボードの操作 *
ローカルファイルのみ
画像としてのビジュアライゼーションのダウンロード (.pdf、.png)
ビジュアライゼーションまたはダッシュボードのスナップショットを .pdf ファイルまたは .png ファイルとしてダウンロードします。
サマリーデータのダウンロード
ビジュアライゼーションまたはダッシュボードで使用されているデータの集計のみをダウンロードします。
すべてのデータのダウンロード
ビジュアライゼーションまたはダッシュボードに関連付けられている完全なデータセットをダウンロードします。
カスタムビューの作成および共有
  コラボレーション Creator Explorer Viewer Reader
コラボレーション ダッシュボードまたはビジュアライゼーションでのコメントの追加
自分のサブスクリプションの作成
データドリブンアラートの受信
他ユーザーのサブスクリプションの作成
データドリブンアラートの作成
  作成 Creator Explorer Viewer Reader
作成 既存のワークブックおよびビジュアライゼーションの編集
既存のパブリッシュされたデータソースからの新規ワークブックの作成およびパブリッシュ
Tableau Server または Tableau Cloud にパブリッシュ済みの既存のデータソースからコンテンツの作成を開始します。
新規データソースからの新規ワークブックの作成およびパブリッシュ
生データを含む新規データソースからのコンテンツの作成および共有。既存のパブリッシュ済みのデータソースに限定されることはありません。
新規データソースの作成およびパブリッシュ
Dashboard Starters のテンプレートを使った新規ワークブックの作成
Dashboard Starters により、あらかじめ作成されているダッシュボードから一般的なエンタープライズアプリケーションに接続することができます。
*
Tableau Cloud でのみ利用可能
  準備 Creator Explorer Viewer Reader
準備 新規データフロー (.tfl) の作成
データの結合、形式変換、クリーニングを行い、そのプロセスをデータフローとして保存します。
データフロー (.tfl) の編集および変更
データのエクスポート (.tde、.hyper、または .csv)
  ガバナンス Creator Explorer Viewer Reader
ガバナンス ユーザーおよびパーミッションの管理
サイトロール、コンテンツの所有権、ユーザーパーミッションを管理します。
コンテンツの管理およびデータソースの認証
プロジェクト、ワークブック、データソース認証を管理します。
サーバーの管理 *
Tableau Server でのみ利用可能