KPIの書き方 (作成方法) をステップごとに解説

経営戦略を効率的に達成するためには、目標達成に向けた KPI の決定が欠かせません。結果に直結する KPI を設定する上で、正しい書き方に則った KPI の決定が不可欠です。 下記の記事で KPI の定義などについてご説明しましたが 、今回の記事では、 KPI の書き方 (作成方法) をご紹介します。あわせて、より良い KPI の作成に欠かせない KPI ツリーについても取り上げます。

KPI の書き方 (作成方法) その1:現状分析

はじめに、 SWOT 分析や 3C 分析のフレームワークを用いて自社の現状を分析します。効果的な KPI の条件には「達成可能性」や「明確性」があります。つまり現実的に達成できる見込みがあり、かつ明確な KPI でなくてはいけません。 やみくもに KPI を決定すると、実現不可能かつ不明瞭なものとなり、結果に結びつかない可能性があります。現状を踏まえた上で、実現可能性のある明瞭な KPI を設定すれば、目標に向けて着実に行動できるでしょう。

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KPI の書き方 (作成方法) その2:最終目標の設定

現状分析をふまえて、いきなり KPI を決定するのではなく、まずは KGI を決定します。 KGI (Key Goal Indicator) とは、ビジネス上の最終的なゴールを意味します。一般的には売上高を KGI として設定します。 KPI はあくまで中間的な目標ですので、ゴールである KGI を決定しなければ、当然 KPI は設定できません。たとえば月間の目標を取り決める際は、売上高○○万円という形で KGI を設定します。 KGI の設定次第で、 KPI の質が大幅に変わります。現状分析を踏まえて具体的で正確なKGI を決定することが、KPI 作成方法のコツと言えます。

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KPI の書き方 (作成方法) その3: KSF の選定

次に KGI を達成するために必要な成功要因 (KSF) を考えます。たとえば売上高の増加を最終目標として選んだ場合、目標売上高を達成する成功要因として「顧客数の増加」や「客単価の上昇」などが考えられます。 KSF は重要な成功要因である必要があるため、KGI の達成に直結しない指標を選定してはいけません。売上高が KGI の場合、変動費削減は売上高の増加に直結しないので、KSF としては適していません。 なお KSF は状況に応じてさらに細分化しても問題ありません。たとえば「顧客数」は、「新規顧客」と「既存顧客」という 2 つの KSF に大別できます。同じ顧客であっても、「新規顧客の獲得」と「既存顧客のリピート化」では、講じるべき施策が異なります。 KSF を細分化すると講じるべき施策が明瞭となり、最終的な目標達成の確度が高まります。 KSF をより最小化することは、後に解説する KPI ツリー作成の効果を高めます。 KSF の詳細につきましては下記をご参考ください

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KPI の書き方 (作成方法) その4: KSF に対応する KPI の算出

KSF を洗い出したら、それぞれの KSF に対応する KPI を算出します。たとえば「顧客数の増加」を KSF として定める際は、具体的にどの程度の人数を増加すべきかを KPI として設定します。つまり KGI を達成するために必要な顧客数を、KPI として設定します。 設定する KPI に関しては、実現し得る目標であることが重要になります。過去のデータや社内の経営資源を考慮した上で、頑張れば達成できる難易度の KPI を設定しましょう。 KPI の書き方は以上となります。

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より良い KPI の作成方法 (KPI ツリーの活用)

KPI は作成して終了ではありません。目標を達成するためには、常に PDCA サイクルを回し、定期的に見直して最適な KPI を定める必要があります。より良い KPI の作成方法 として、「KPI ツリー」の活用が有効です。 KPI ツリーとは、最終目標を達成するために必要な要素を、ツリー状に表したものです。 KPI ツリーを作成することで、目標達成に必要なアクションを可視化できます。 PDCA サイクルを回して KPI を定期的に変更することは重要ですが、複数の KPI を設定している場合、どの KPI を改善すべきか分かりにくくなります。KPI ツリーを作成することで、各アクションと達成すべき KPI が分かるので、改善部分を把握しやすくなります。

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KPI ツリーの書き方

最後に KPI ツリーの書き方を説明します。

⑴ KGI を最上位に置く

最終的な目標である KGI をツリーの最上位に置きます。今回は「月間売上高100万円アップ」を最終目標とします。

⑵ KPI をツリーの下位に置く

次に KGI の下に、目標達成に必要な中間目標 (KPI) を置きます。ここで重要なのは、上位の要素は、下位要素 (KPI) の四則演算で表現できる形であることです。たとえば売上高は、「購入者数」と「客単価」という KPI の掛け算で表すことができます。KPI ツリーを作成する際は、 KPI 同士の四則演算で上位要素を表せるか確認しましょう。 また KPI ツリーの書き方において、単位をそろえることも非常に重要です。具体的に言うと、KPI 同士の四則演算の結果が上位要素の単位と一致するように作成する必要があります。たとえば売上高を KGI として設定する場合、KPI 同士の計算結果の単位は「円」でなくてはいけません。 KPI ツリーの書き方には上記以外にも細かいルールがあるものの、基本的には今回お伝えしたルールを知っておけば、実務に役立つツリーを作成できるでしょう。

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まとめ

今回は KPI の書き方 (作成方法) について解説しましたが、いかがだったでしょうか? KPI の書き方の中でも、「実現可能性を踏まえた上で KPI を設定すること」と「PDCA を回して適宜 KPI を修正する」ことが特に大切です。 必要に応じて KPI ツリーなどのフレームワークも用いつつ、実用的な KPI を活用しましょう。

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