#TC18 Devs on Stage の注目ポイント: ベクターマップ、デザインが一新されたモバイルアプリ、パラメーターとセットアクション、そしてサスカッチ

#TC18 のキーノート、Developers on Stage では、ベクターマップ、新しいモバイルアプリ、パラメーターとセットアクション、Webhook など、これから搭載される機能が紹介されました。

キーノート、Devs on Stage での Tableau 開発者と CTO の Andrew Beers

自ら新機能を開発しているロックスター開発者以上に、コミュニティに向けてこれからリリースされる機能を紹介したいと思う人はいません。今年のキーノートの Devs on Stage では、Amanda Luthy、Alex Vertin、Swati Srivastav、Keshia Rose、Denny Bromley が 2019.1 ベータ版 (こちらで公開中) の最新情報と今後の製品リリースについて紹介しました。注目ポイントをぜひご確認ください。

TC18 のキーノート、Devs on Stage でハイタッチを交わすサスカッチと CTO の Andrew Beers

パワーアップした素晴らしいダッシュボードを共有

ビジュアル分析テスターの Amanda Luthy は、かなりのアウトドア派で、サスカッチ (雪男やビッグフットのような怪物) のマニアでもあります。そこで、データと土の匂い、大好きなこの 2 つを組み合わせて、次回のグループ旅行の計画に役立てるとともに、新しいダッシュボードの機能を見せてくれました。

TC18 のキーノート、Devs on Stage での Amanda Luthy
  • ベクターマップとマップスタイル (2019 年実装予定) - ビジュアル分析ツールにおいて、マップは非常に重要です。Tableau では、さらに詳細な表示と応答性の向上を実現するため、バックグラウンドマップにベクタータイルを使用するようにアップデートを行っています。Amanda は、ベクターマップの速さと滑らかさを実際に示すため、さまざまなポイントにズームインして、等高線や建物の専有部分などのマップ要素がスムーズに拡大表示される様子をデモンストレーションしました。衛星画像などのマップレイヤーを追加すると、データのコンテキストがさらに明確になります。
  • ナビゲーションボタン (Tableau 2018.3) - ダッシュボードやシート、その他のリソース間の移動をガイドに沿って行えるようにしたい場合に、ダッシュボードボタンを使用することで、まるでシートを切り替えるように簡単に、1 つのコンテンツから次のコンテンツに移動できるようになります。ダッシュボードアプリケーションが構築しやすくなります。
  • ゾーン表示の切り替え (2019 年実装予定) - 表示 (非表示) の機能として、新しい切り替えボタンを使用すると、必要になるまでダッシュボードの一部を非表示にできます。ダッシュボードに追加するフィルターが増えると、この機能が非常に役立ちます。ボタンを使うと、一連のフィルターのように、ゾーンの表示/非表示をワンクリックで変更できます。オンとオフを簡単に切り替えられます。
  • PowerPoint へのエクスポート (Tableau 2019.1 ベータ版) - 従来型のレポート形式にも対応できるように、PowerPoint へのエクスポート機能が追加されます。ほんの数回のクリックで、Amanda はサスカッチの Viz をスライドデッキとしてエクスポートできました。これなら、次の旅行に持って行けます。サスカッチ探しに行くわけではなくても、PowerPoint にエクスポートすれば、作成した Viz の静止画像を、重要なプレゼンテーションに簡単に追加できます。

時間と場所を問わず、コラボレーションしてインサイトを獲得

ビジュアル分析エンジニアの Alex Vertin は、サスカッチ否定派です。Alex のパートでは、オンラインでもオフラインでもセキュアなデータアクセスを実現する、新しい手法が紹介されました。

TC18 のキーノート、Devs on Stage での Alex Vertin

  • Tableau Mobile アプリの刷新 (Tableau 2019.1 ベータ版) - モバイルアプリのデザインが一新されました。従来よりさらにセキュリティが強化され、使いやすくなります。新しい 生体認証 (Touch ID や Face ID など) のプロンプトをユーザーに表示できます。これは、サーバー側で簡単に有効にすることができます。


    Alex のデモでは、[Explore] タブを使う新しい操作が紹介されました。このタブでは、最近使った Viz へのアクセスや、プロジェクト内のコンテンツの確認ができます。Alex はさらに、機内モードに切り替えて、 インタラクティブなオフラインプレビューのデモを行いました。ロッククライミングの Viz を表示して、ネットワーク接続がなくても、スクロール、ハイライト、ツールヒントの表示ができることを確認しました。
  • 自動的なスマートフォン用レイアウト (Tableau 2019.1 ベータ版) - 自動的なスマートフォン用レイアウト機能によって、Viz が最初からスマートフォン対応になります。Tableau のスマートアルゴリズムで、モバイル用レイアウトとして最適なデザインが選択されるので、自分で設定する必要はありません。必要に応じて、レイアウトをカスタマイズすることもできます。
  • Tableau Public の属性機能 (2019 年初めに実装予定) - Tableau Public に新しい作品をパブリッシュする際に、インスピレーションの源を示したいという声がコミュニティから上がっていました。これが可能になります。サスカッチ音楽フェスティバルに関する Viz にインスピレーションを受けた Alex は、Tableau Public の新しい属性機能を紹介しました。元になった Viz とその作成者のプロフィールへのリンクを付加する機能です。

セキュアなデータから分析までの時間をさらに短縮

シニアソフトウェアエンジニアの Swati Srivastav は、データに熱中していないときには、絵を描くことを趣味としています。絵を描くことでイメージの中にある対象を具体化することは、Tableau でデータからインサイトを抽出することに似ていると語りました。そして、新機能で、すばやくインサイトを獲得するための方法をいくつか紹介しました。

TC18 のキーノート、Devs on Stage での Swati Srivastav

  • 抽出の保存時の暗号化 (2019 年実装予定) - マウスをクリックするだけで、セキュリティレベルを強化できます。Swati のデモでは、保存されている抽出に対して暗号化を適用することで、セキュリティが強化されることを紹介しました。まもなく、Tableau Server のディスク上に保存されている抽出が暗号化されるようになります。暗号化するかどうかの選択をデータのパブリッシャーに任せることも、サイト内のすべての抽出について暗号化を強制的に適用することもできます。
  • 抽出用の複数の表のストレージ (Tableau 2018.3) - Swati は、抽出用の複数の表のストレージを使用すると、抽出の作成や Viz のレンダリングにかかる時間を短縮できることを、印象的なゴッホの『星月夜』の Viz で実演して見せました。複数の表のストレージでは、抽出に必要な表のクエリのみが実行されます。
  • LinkedIn Sales Navigator 対応の Dashboard Starter (2019 年に実装予定) - Tableau Online でデータからダッシュボードを最短で作成する手段として、Dashboard Starters があります。新しい LinkedIn Sales Navigator 用の Dashboard Starter では、5 つの新しいダッシュボードが追加されます。インサイトを得るための最初の手がかりとして、すぐに使えるダッシュボードが役に立ちます。必要に応じて追加やカスタマイズもできます。

Tableau を柔軟に拡張、カスタマイズ

開発者プラットフォームチームでプロダクトマネージャーを務める Keshia Rose は、人の創造性を引き出すことにやりがいを感じています。前日の Tableau Developer Program の発表に続き、Keshia は、開発者のコミュニティを支援するためのいくつかの施策を紹介しました。

TC18 のキーノート、Devs on Stage での Keshia Rose

  • Webhook (現在 Developer Preview 段階) - 開発者が Tableau Server や Tableau Online でさまざまなイベントにしっかり対応できるように、Webhook のサポートが組み込まれます。Keshia は Webhook を使って、パスワードの変更が原因で抽出が失敗した場合に、ServiceNow でチケットを作成するためのサーバー通知を設定しました。また、お気に入りのプロジェクトで新しいダッシュボードがパブリッシュされたら、チームにアラートを出すために Slack の通知も作成しました。Webhook を使用すると、カスタマイズの可能性が無限に広がり、イベントを見逃さずに済むようになります。
  • 拡張 API の表示/非表示の切り替え (2019 年実装予定) - ダッシュボードの拡張機能の表示/非表示を切り替える機能が拡張 API に追加されます。Keshia は、拡張を利用して、在庫管理システムに情報を反映するという事例を紹介しました。情報の書き込み用のゾーンは必要になるまで非表示にしておくことで、ダッシュボードのスペースを有効に活用できます。
  • 拡張ギャラリー (Tableau 2018.2) - 8 月に、Tableau 用のカスタムアプリケーションを構築するためのダッシュボードの拡張機能をリリースしました。拡張ギャラリーでは、ダッシュボードに優れた機能を追加するための新しい拡張を見つけることができ、拡張は増え続けています。Keshia は実際に使用されている拡張の例をいくつか紹介しました。その 1 つが、DataRobot の機械学習モデルを Tableau に取り入れて、重要な要素の特定に利用するものです。

パワフルで視覚的なインタラクティブ機能を分析に活用

シニアソフトウェアエンジニアの Denny Bromley は、計算科学を利用して新しい抗がん剤の発見に取り組んでいた前職で、Tableau の魅力にとりつかれました。現在では、分析の構成要素となり、インタラクティブなビジュアル分析を新しい形で実現する新機能に、コミュニティの人々が触発されて創造力を発揮する様子に胸を高鳴らせています。

TC18 のキーノート、Devs on Stage での Denny Bromley

  • パラメーターアクション (2019 年実装予定) - パラメーターアクションは、選択したマークの値をパラメーターに設定して、そのパラメーターを使用する Viz や計算を更新し、インタラクティブなビジュアライゼーションを実現するものです。Denny は、時系列の比較を行う実用的な応用例を紹介しました。前年比分析をシンプルかつインタラクティブに行えます。米国の喫煙率に関するデータセットを使ったデモでは、彼の出身地であるアラスカの 2010 年のマークを選択することで、他のすべての州のスパークラインでリファレンスラインが調整される様子を実演しました。パラメーターアクションを使用すると、従来よりはるかに短時間で簡単に、定量比較を視覚的に行えるようになります。しかも、この新機能の用途はこれだけにとどまりません。
  • セットアクション (Tableau 2018.3) - パラメーターには 1 つの値しか設定できませんが、セットには複数の値を格納できます。セットアクションでは、クリックするだけでセットのメンバーを変更でき、選択内容が Viz と計算に即座に反映されます。この機能の応用例の 1 つがプロポーショナルブラッシングです。他にも、株価のデータを使用して、特定時点の比較が簡単にできることを紹介しました。

    クリックするたびに、セットが更新され、Tableau の計算エンジンで自動的に処理が行われます。セットアクションを利用することで、表計算、リファレンスライン、カスタム SQL をインタラクティブに利用できます。Tableau では、この機能をさまざまに活用していただくことを楽しみにしています。

ユーザーの皆様のご協力に感謝します

Tableau は、熱意ある Tableau コミュニティの皆様に心から感謝しています。ユーザーの方々には、社内だけでは想像もつかないような創造的でパワフルな使い方を次々に発見していただいているため、皆様から寄せられる貴重なご意見が、リリースされる機能にそのまま反映されています。新しく開発された機能を皆様にお試しいただければ幸いです。自由にお試しいただいたうえで、Tableau をさらに改善していくためのご意見をお寄せいただけますよう、お願いいたします。

Tableau のプレリリース版コミュニティにご参加いただくと、2019.1 ベータ版の機能をすべてお試しいただけます。#TC18 で発表されたその他の重要事項については、開会のキーノートセッションのまとめをご覧ください。

TC18 のキーノート、Devs on Stage の終わりに Tableau の開発者と舞台でくつろぐサスカッチ