Tableau Viz Exhibition “Life” 〜日常にデータを〜 #データで彩る生活
今年4月中旬、桜が開花の時期を迎えるころ、日本ではあるコミュニティ主導プロジェクトについての話題で持ちきりになっていました。
そのプロジェクトこそが「Tableau Viz Exhibition “Life” 〜日常にデータを〜」です。(現在は「データで彩る生活」)
参加者が自身の日常にまつわるデータを可視化し、その中から選ばれたViz作品をカフェに展示するという、コロナ禍以降初めての対面形式イベントが東京で開催されました。
大盛況となった本プロジェクトについて、開催に至った経緯から企画や準備において工夫したこと、今後同じようなイベントを開催されたい方々へのTipsまで、主催者のMikaさんにお話を伺いました。
「Tableau Viz Exhibition “Life” 〜日常にデータを〜」(以下TVEL)のアイデアが生まれたきっかけを教えてください。
ここ数年はコロナ禍でオンライン形式のユーザー会やイベントが主流になる中で、そろそろ何らかの形で物理的にデータと触れ合える企画ができないか、という相談がコミュニティの中で寄せられました。
そこで、過去Tableau Conference 2019で自身が体験した、Viz Galleryがとても印象的だったことを思い出し、メッセージ性が高くアートの要素を盛り込んだ、絵画展のようなイメージのイベントが開催できないかと思いつきました。
本プロジェクトでは、いつかデータを可視化したVizが美術館などで公開される日を夢見て企画しています。そのため以下の2つの視点を企画に盛り込むことにしました。
1つ目の視点は、Tableauの製品機能を活用することにフォーカスを置くのではなく、ストーリー性が伝わるVizの作成を行っていただくことを重要視しました。
2つ目に、今回のイベント会場がカフェというTableauユーザーに限られない場所でもあることから、「誰もがデータを見て考える機会の提供」を意識しました。
プロジェクトを実現させるにあたって、どのような準備を行われたのでしょうか?
まず、本プロジェクトを企画するにあたって、どのような気持ちを込めて進めていくべきか、共同主催者のDaiさんと話し合いを行い、相互認識を持つことからはじめました。
その後、いきなりViz作品募集と展示を開催するのではなく、事前に2つのオンラインイベントを開催することにしました。
1 つめのオンラインイベントは、TVELの企画に込めた想い、概要、スケジュールをコミュニティの皆さんにお伝えし、さらにイベント内では過去にTableau Zen Master(現Visionary)の称号を持つ木村さんに、インフォグラフィックスの説明や作り方のTipsを紹介していただきました。
2 つめのオンラインイベントでは、Tableau Publicで活躍している4名のトップクリエイター(Tableau Visionaryの我如古さん、Tableauアンバサダーのさかぴーさん、独創的なVizを作成されているNullさん、ハラヨワさん)にご自身のVizをそれぞれ解説をいただき、アイデアの着想やデータの前処理など、普段は聞くことのできないような魅力的な対談コンテンツを配信することで、一人でも多くの人がデータを可視化してみたくなるような、ムードの盛り上げを行いました。
また、オンラインイベントと並行して、本番のイベントに向けた準備のタスクは以下のものがあげられます。
- Google Formsによる、Viz作品応募フォームの作成
- Viz展示会場決め:アートギャラリーなどではなく、あえて誰でもアクセスがしやすく足を運びやすい雰囲気のカフェに決定
- Viz作品をキャンバスに印刷する業者の選定
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Viz選定基準の定義:
- 展示するキャンバスのサイズに適した表現方法であるかどうか(文字が小さいなどで情報が読み取りにくくないか)
- アートとしての要素があること
- コンテキストと視覚的な美しさ
- 一眼見て何を可視化しているかが理解できること
TVELから得た学びとTipsについて、ぜひ共有をお願いします。
- 事前の準備時に考慮すべきポイント:
(その1)スケジュール
Viz作品をキャンバスへ印刷する前に作者が最終の手直しを行ったり、運営側が印刷後にクオリティの確認を行うための時間も考慮した、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切だと感じました。
(その2)印刷
印刷業者へ印刷の依頼を行う際には、RGB、CMYKでの色合いの違いやサイズ、解像度などに注意を払いながら、Adobe Illustratorで調整を行った上で入稿しました。Illustratorで丁寧に配置していないと、見せたい箇所が裁断されてしまい、うまく表現できないことがあります。
また、DesktopとPublicでは利用できるフォントなども異なるため、クリエイターの方々と密に会話させていただくこともありました。
(その3)展示
Vizを展示する際のTipsとして、作品および作者名と一緒に、VizにアクセスできるQRコード(Tableau PublicのページのURLをQRコード化)を掲示したことで、鑑賞した方々がその場で実際にVizを自身のデバイスで触ることができるようにしました。
- 当日の様子について:
Vizを印刷したキャンバス素材がいい味を出していた、とのフィードバックを多くいただきました。またカフェでの開催としたことで、コーヒーを片手にコミュニケーションの取りやすい雰囲気が自然と生まれていたと感じました。
コミュニケーションの中でも特に、カフェを目的に来店されたTableauに馴染みのないお客様がデータで描かれた作品の美しさに驚かれたり、データの可視化に興味を持ってくださったりしたことはとても嬉しかったです。
また会場の混雑を避ける工夫として、運営側では開催の時間枠とそれぞれの枠の参加登録人数のみを一般公開し、具体的に誰がいつカフェに訪れるかは告知しませんでした。
そのため、当日どのコミュニティメンバーに会えるか分からないという、意図せぬわくわく感も楽しんでいただくことができました。
- 開催後について:
イベント終了後、Viz作品はそれぞれ作者のもとへ発送を行いました。作者のもとへと帰っていったVizたちは、作者のご自宅に飾っていただくなど、引き続きデータを生活の一部として楽しんでいただけている様子も報告いただきました。
今後のプロジェクトの展望や計画があれば、お知らせください!
今後も本プロジェクトは継続的に、誰もが参加しやすい「日常」をテーマに開催していきたいと考えています。
また日本国外にお住まいの方でも、参加したい方がいればぜひ応募をお待ちしています。
今回は東京での開催となりましたが、日本各地のさまざまなロケーションで開催したり、巡回展のように海外で開催したViz展示作品を日本で展示したりと、発展の方法は無限にあると思います。(大きな夢ですが、メタバース的な空間でのインタラクティブなViz Galleryがあっても面白いかもしれません。)
今後の本プロジェクトへの参加はもちろんのこと、ぜひご自身の地域でのViz展示の開催にもぜひチャレンジしてみてください。皆さんの開催レポートや体験記を聞くことができる日を心待ちにしています!
【掲載リンク集】
・Mikaさん(Twitter)
・Daiさん(Twitter)
・Tableau Viz Exhibition “Life” 〜日常にデータを〜 展示作品一覧
https://public.tableau.com/app/profile/.60125274/viz/vol_1_16563371554530/TVEL
・TVEL オンラインイベント第一弾
「Tableau Viz Exhibition “Life” 〜日常にデータを〜 1st オンラインイベント」
・TVEL オンラインイベント第二弾
「TableauPublicで活躍している4人の達人が語ります(我如古聡志・さかぴー・Null・ハラヨワ)」
・Ganeko(我如古)さんのVizの魅力 - 数学と着想力の源
・さかぴーさんのVizの裏側 - 円環系Vizと色の魅力
・NullさんのVizの裏側 - Pythonと数学とTableauのお話
・ハラヨワさんのVizの魅力 - データストーリーテリングと機能美の謎
・その他Tableauユーザー会情報
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