Tableau 2023.1 の新機能 – アクセラレーターのデータマッピング、アイデンティティプールなど

Tableau 2023.1 では、コストと時間の節減に役立つ新機能が登場しました。ここでは、アクセラレーターのデータマッピング、強化された Tableau for Slack アプリ、アイデンティティプールなどをご紹介します。

Tableau 2023.1 では、生産性を向上させ、時間とコストを節減するための新機能が登場しました。今回のリリースで注目の機能をご紹介します。

  • Tableau アクセラレーターのシンプルな設定。Tableau Desktop に、データマッピングツールが新たに登場しました。独自のデータでアクセラレーターを設定する作業を、さらにスピードアップすることができます。
  • Slack での作業効率化。リンクのプレビュー、ダイレクトメッセージ (DM) やチャンネル内の検索、最近使用したものやお気に入りへの便利なアクセスにより、Slack 内の Tableau コンテンツを見つけてコラボレーションを行えます。
  • 軸タイトルの動的な更新。パラメーターや単一値フィールドの値に基づいて軸タイトルが更新されるように設定して、よりインタラクティブなビジュアライゼーションにすることができます。
  • Tableau Server での組織内外ユーザーのサポート。ローカルアイデンティティストアを追加して、アイデンティティプールにより最新の認証方法の OpenID Connect で認証することができます。
  • ユーザー属性によるデータアクセスのパーソナライズ。行レベルのセキュリティの計算式でユーザー属性関数を使用して、埋め込みビジュアライゼーションのデータアクセスをカスタマイズできます。

Tableau アクセラレーターのシンプルな設定

Tableau アクセラレーターはサンプルデータで作成されており、ユーザー独自のデータに置き換える必要があります。独自のデータに接続すると特定の業界や部門向けのインサイトが得られるようになりますが、これまではその当初の設定が完全に手作業でした。

データマッピングは、Tableau Desktop に組み込まれているアクセラレーター用ツールです。このツールを使用すると設定が簡略化され、これまで以上に早く使い始められるようになります。データを接続した後にフィールドを手作業で置換していたこれまでとは違い、誘導形式の新しいインターフェイスに沿っていくだけです。

それにはまず、Tableau Desktop でマッピング対応のアクセラレーターを開きます。そして、ダッシュボードの必須フィールドにデータを対応させていくだけです。完全に手作業で設定を行う必要はもうありません。

Tableau でアクセラレーターのデータマッピング機能を使って、サンプルデータを独自のデータに置き換える例

Slack での作業効率化

Tableau for Slack アプリではワークフローの中で分析に関する情報を得ることができ、データドリブンアラートや共有、コメントの通知を受け取れます。

今回の Tableau for Slack アプリの機能強化により、あらゆるディスカッションと意思決定でデータを中心に据えることがさらに簡単になりました。Tableau for Slack アプリで、インサイトに基づくコラボレーションを一層効率化しましょう。

ダイレクトメッセージとチャンネルでは、Tableau ビューを簡単に検索、共有できます。また、Tableau コンテンツを共有すると、メタデータもパーミッションに対応したプレビューも表示されるため、チームは適切な情報をすぐに把握してアクションを起こせます。さらに、アプリのホームページで最近使用したものやお気に入りを簡単に見ることができるため、インサイトの取得もスピーディになります。

*Tableau for Slack の機能強化は今後数週間以内に提供の予定です。

Tableau for Slack アプリで Tableau ワークブックのビューを検索し、他のユーザーとワークブックを共有する例

軸タイトルの動的な更新

パラメーターにより、インタラクティブで柔軟なビジュアライゼーションを作成できます。ビューでパラメーターを使うと、データの表示の仕方をユーザーが選べるようにすることができますが、これまで軸のタイトルを自動的に更新する機能はありませんでした。

動的な軸タイトルの機能を使うと、パラメーターや単一値フィールドの値に応じて軸のタイトルが変更されます。それによってユーザーに、どのようなデータビジュアライゼーションが表示されているかをよりわかりやすく伝えることができます。

ダッシュボードの軸を利益から割引率に変更する例

Tableau Server での組織内外ユーザーのサポート

Tableau Server の導入時に、アイデンティティストアを 1 つだけ選択する必要があって制限が厳しいと感じた方もいるでしょう。これまでは、ローカルと外部という 2 種類のアイデンティティストアがあり、その設定を変更するには Tableau Server を再インストールする必要がありました。

Tableau Server には、アイデンティティストアが 1 つに限定されるという厳格な制限がありますが、アイデンティティプールを利用するとその制限を回避できます。アイデンティティプールは、アイデンティティストアと呼ばれてきた「ユーザー情報源」と認証の仕組みを組み合わせたものです。

プールを追加すると、ユーザー情報源をローカルアイデンティティストアに組み込むと同時に、最新の認証方法の OpenID Connect で認証させることができるようになります。柔軟性がさらに高まり、内部のユーザーも、内部の Active Directory に追加できない外部のユーザーもサポートできます。

新しいユーザーの追加先のアイデンティティプールを選択する例

ユーザー属性によるデータアクセスのパーソナライズ

USERATTRIBUTE(文字列) という新しいユーザー関数は、計算式でログイン属性を渡す機能を持っています。ユーザー名とグループ (部門や地域など) を越えて、行レベルのセキュリティのデータソースフィルターを作成する場合に使用できます。それにより、埋め込みのシナリオであらゆるユーザーのデータアクセスをカスタマイズすることが可能です。

この新しいユーザー属性関数で、ユーザーがサインインする際、ユーザーに関する追加情報を含めて Tableau に送信することができます。すると Tableau は、その情報をフィルターとして自動的に渡して、該当するデータのみを表示します。

フィルターがワークブックやダッシュボードで適用されると、Tableau は表示しているユーザーの認証トークンの属性値を探します。ユーザーの埋め込みに連携アプリと SSO を使用することで、ユーザー認証に使われる JSON Web Token (JWT) のクレームとして、属性を含めることができます。

ユーザー属性関数を使用して各地域の顧客数を調べる例

Tableau コミュニティの皆様に感謝いたします

Tableau の各回のリリースは、皆様から日々いただいたインスピレーションと、皆様のパートナーシップおよびサポートによって実現されています。また、皆様の卓越した専門知識、創造性、データ活用による問題解決への取り組みなくしてリリースを実現することはできなかったでしょう。

アイデアフォーラムでは、皆様からのご提案に基づいて Tableau に搭載されたすべての機能をご覧いただけます。ご紹介した待望の新機能のすべてを使い始められるように、忘れずに Tableau を最新版にアップグレードしましょう。