組織に合ったユーザーの組み合わせを決定する方法
チームのニーズに合わせた分析環境
現在、より適切な業務処理に、データの活用の必要性がかつてなく高まっています。しかし、データとの関わり方は立場や職務によって異なります。このため Tableau は、データのニーズに合わせて、それぞれ異なる役割を提供しています。Tableau のライセンスはユーザーに役割を適用して、データの異なる使い方を可能にしながら、チームでデータを安全に共有できるようにしています。
組織では、データを使う目的は人によってさまざまです。ビジネスを前進させ、チームの目標を達成するために、データを使って答えを導き出す人もいれば、他の社員に送付するスプレッドシートやレポートの作成に利用する人もいます。また、「東部地域で売上が伸びているとわかったのは良いが、上昇の要因は何だろう? 東部の成功の要因を他の地域でも再現するにはどうすれば良いだろうか?」というような、より掘り下げた質問の答えをデータから見出そうとする人もいるでしょう。さらに、使っているアプリケーションから生データを引き出して表面に現れない事実を探る人や、重要な KPI の簡単なスナップショットを取得して、チームミーティングの資料や顧客へのプレゼンテーションに使う人もいます。そこで Tableau の新しいライセンスプログラムは、組織の人々の異なるニーズに合わせて提供できるように設計されました。
Tableau は Creator、Explorer、Viewer という 3 つのライセンスプログラムで、あらゆるユーザーのさまざまなニーズに応え、よりよく業務が遂行できるよう支援します。
必要な Creator、Explorer、Viewer の数を決定するには
必要な数は会社によって異なりますし、働く人のスキルやニーズによっても異なります。しかし、チームのメンバーは誰もが 3 つの役割のいずれかに当てはまります。下記に 3 つの役割について解説します。チームのメンバーに最も当てはまるものを選んでください。
Tableau Creator
Creator (クリエイター) は、組織の中でデータソースに接続し、自身や他のユーザーが利用できるものをデータから作成する人を指します。組織で現在、レポートを作成し、メールや共有ドライブで配布している人がおそらくこれに当たります。アドホック分析を行って、より深い質問の答えをデータから引き出している、データのパワーユーザーです。
Tableau を使い、Creator は生データから意味や目的を引き出します。乱雑なデータもクリーニングして、分析できる状態にし、準備します。手際よくスピーディーに複雑な分析を行い、求めている結果を出します。また、Creator は作成したビジュアライゼーションやデータソースを組織に対してパブリッシュするので、それらを利用する他のユーザーもかつてないほど業務の向上を図ることができます。このようなチームメンバーには、革新的なインサイトを見出す潜在能力を引き出せるようにする、強力な分析プラットフォームが必要です。
その言葉が示す通り、Creator は、チームの他のメンバーが Tableau プラットフォームで利用するコンテンツやデータビジュアライゼーション、データソースの大半を作成します。
Tableau Explorer
Explorer (エクスプローラー) は現代のビジネスユーザーであり、変化を実際に引き起こす人々を指します。職名に「 アナリスト 」が入っていなかったとしても、データの扱いには慣れています。ビジネスを前進させることを目指しており、データを詳しく調べて自身の質問の答えを見出すニーズを持っています。その答えは多くの場合、あらかじめ用意されたレポートの中には見つかりません。
現在の組織ではおそらく、Explorer は他者からレポートを受け取り、それを自らのニーズに合わせて別のデータポイントと組み合わせているでしょう。ピボットテーブルや VLOOKUP 関数はとても使い慣れており、データに関する自分の質問には自分で答えを出そうとします。
Tableau で、Explorer はパブリッシュされたデータソースを使って自分で新しいワークブックを作成することも、作成済みのワークブックやダッシュボードを出発点として分析を行うこともできます。そしてそのすべてを、ブラウザでもモバイルデバイスでも行うことが可能です。それだけではありません。当初のレポート作成時には答えが明らかになっていなかった可能性がある、さらに深い質問を投げかけて答えを導き出します。これまでとはまったく違う形で、チームはデータを探索し、分析フローを維持することができます。
Tableau Viewer
Viewer (ビューアー) は、データを情報源にして、自分の意思決定の質を向上させる人々を指します。日常業務の多くでデータを必要とするチームメンバー、重要なプロジェクトでチームの進捗を確かめる人材マネージャー、さらには会社の健全性に関する巨視的な指標が必要な CEO まで、誰でもなり得るのが Tableau Viewer です。
Tableau Viewer は、分析を組織の隅々にまで行き渡らせる ことができるように用意された Tableau の役割です。Viewer は Tableau プラットフォームを利用して自分の直感を事実で裏付けし、Creator や Explorer が作成したダッシュボードに基づいてデータドリブンな意思決定を行えるようになります。また、ダッシュボードやデータビジュアライゼーションを操作して意思決定の材料に使い、ビジネスに関するあらゆるディスカッションをデータに基づいて行うことができます。また、拡張分析の機能を使うと、Viewer はダッシュボードで自然言語を使ってフォローアップの質問に答えを出し、自動的に生成される説明で特定の値の背後にある要因を理解することにより、独力で簡単な分析も行えます。社内全体で Tableau のダッシュボードとワークブックを利用することによって、 データの完全性が維持され、チームのデータの利用法も標準化されます。
選定の際は
Tableau の営業担当者がお客様にとって適切な組み合わせをご提案します。
その他の検討すべき要素
お客様の組織でデータはどのように使われていますか?
どの規模の組織でも、ビジネスを前進させビジネス上の重要な問題を解決するために、データを利用しています。しかし、データの使い方は企業によって、さらにはチームによって大きく異なります。チームの職務ごとにデータ分析環境をサイロ化し、全社共通の仕組みを持たない企業もあれば、広くデータを利用し、すべての重要な意思決定の基盤にデータを据えている企業もあります。ですから、導入形態を選定する際は、お客様の組織で現時点のデータ成熟度を評価することが重要です。
重要: チームに最適な役割の組み合わせを評価するときは、現時点でチームがデータとどのように関わっているか、そして将来、お客様が自由にできるデータに対し、組織はどのように関わり質問を投げかけるようになるのが望ましいかを検討してください。
どのような規模でスタートしたいと考えていますか?
組織では、関係するデータを利用する人が増えれば増えるほど、意思決定の質は高まります。しかし多くの企業にとって、データを利用できる環境を整備する道のりは簡単ではありません。最初は小規模に始めて時とともに拡大しようと考えている組織の場合、最善なのは Creator と Explorer の割合を高くしてスタートすることです。そうすることで、Viewer の数を増やす段階になった時点で、初期からのユーザーにより健全なコンテンツ基盤が構築されているでしょう。
Tableau は、チームがデータの力に触れれば触れるほど、自分の質問に自分で答えを出そうとますます考えるようになった事例を目の当たりにしてきました。ですから、Viewer は自然に Explorer へ移行し始め、時が進めば Creator ユーザーグループの仲間入りも果たすでしょう。
チームのニーズの評価に役立つ検討事項は他にもあります
組み合わせの決定には、現時点でチームがデータや分析ツールとどのように利用しているかを考えてみることが役立ちます。以下の質問に答えてみてください。
- 現在、データの準備や分析で、Microsoft Excel などのスプレッドシートを利用している従業員は何人いるか?
- 職名に「アナリスト」が入っている従業員は何人いるか?
- チームメンバーのうち、スプレッドシートをメーリングリストで送信している、または他者が利用できるように共有ドライブにアップロードしているのは何人か?
- チームメンバーのうち、そのようなスプレッドシートを受け取って、意思決定の材料にしているまたは職務で利用しているのは何人か?
- チームが現在行っている、または行いたいと考えているのはどのような分析作業か?
- チームは、分析コンテンツの作成でデータを直接利用しているか?
- チームは、データに関する共同作業を他者と行っているか?
- チームは、データを使って他者が作成した月次レポートを受け取っているか?
- メールで送付されたレポートを基にして、どのようなコンテンツが作成されているか?