優れたビジュアライゼーションの条件

データビジュアライゼーション改善のためのクイックガイド

1.チャート

チャートウィザードを使っただけで済ませたり、出来合いのビジュアルにデータを付け足すだけでは十分ではありません。優れたデータビジュアライゼーションには、万能のアプローチはありません。どんなビジュアライゼーションにすれば最も説得力のあるストーリーを語れるか、質問に対する最善の答えを手元に出せるかを検討しましょう。


カテゴリーの比較

棒グラフは、1 つだけの計測単位でカテゴリー別の比較をするときに最もよく使われます。

カテゴリーの比較

進捗確認

ブレットグラフ、リファレンスライン、バンド、分布図を使うと対象に焦点を絞ることができます。

進捗確認

分布

ヒストグラムと箱ヒゲ図を使うとデータのクラスタが分かりやすく、カテゴリー間の比較もできます。

分布

地域別分析

地図上にビジュアル化したデータを表示することで、見た目に美しいだけでなく位置を特定した質問に答えたり地域別分析をしやすくしたりできます。

地域別分析

カスタム形状

テーマを形状で表現して、さらに説得力のあるストーリーを伝えます。

カスタム形状

カスタム形状で分かりやすく

このビジュアライゼーションは、アフリカでリストに挙げられている絶滅の危機にある様々な動物のレコード数を示していますが、ストーリーの中に動物たちの姿はありません。




2.色

色は自然と目に留まる情報であることから、最も強力な視覚的特徴の一つです。色は最初に気付く情報であり、特定のインサイトを即座に強調したり外れ値を認識させることができます。データとして色を使うときは、個人的な好みやブランドカラーではなく、意味が伝わるように心がけてください。


差別化できること

似た色を使わないようにし、また、色数が増え過ぎないようにします。同じダッシュボード上の異なるディメンションやメジャーに同じ色を使わないようにします。

カテゴリーの比較

測定できること

色の変化をデータにマッチさせます。測定値を最もよく表現できるよう、明るい色から暗い色へ、あるいは色の段階づけをするようにします。

進捗確認

関連性があること

意味的に結びついた色を使うと、情報がより早く分かりやすくなります。例えばバナナには黄色を使い、熱は赤で表すようにしましょう。

分布

色を使って分かりやすく

このダッシュボードには、1961~1990 年の世界各地 100 か所の地表気温 (摂氏) が含まれています。ビジュアライゼーションは正確ですが、低い気温ほど赤で示しており、データが伝えようとする情報が分かりにくくなっています。




3.サイズ

大きなオブジェクトほどよく目立つものです。目立つ形状や色は、棒グラフやエリアチャートでは役に立つことがありますが、それ以外のツリーマップなどのチャートに使うと派手で凝りすぎた印象を与える場合があります。重要なメッセージを強調し分かりやすくするために、サイズを活用しましょう。


折れ線グラフと棒グラフ

データポイント間の差異が非常に小さい場合や逆に非常に大きい場合、サイズでは視覚的にわかりにくいためそれを伝えるのに適したツールではないことがあります。

折れ線グラフと棒グラフ

マップチャート

マークサイズは値の範囲に基づいた大きさにしてマップ上に置きます。

マップチャート

サイズで分かりやすく

このビジュアライゼーションは、マップで見るサンフランシスコの Airbnb 登録者データです。登録者がすべて同じサイズと色で表示されているため、フィルターをかけても、登録者ごとの価値がひと目では区別がつきません。




4.テキスト

読みやすいことが不可欠です。一番大事な情報が目立つようにしましょう。


タイトル

簡潔さを心がけつつ、強力なものにします。可能な限り少ない言葉で、要点、メッセージ、ストーリーを伝えましょう。


タイトル

ラベル

スイートスポットを見つけてください。マークラベルが多すぎると注意力を散漫にしてしまいます。最新のマークや最小値/最大値だけにラベルを付けるようにしましょう。追加情報や詳細情報はツールヒントに任せてください。


ラベル

テキストで分かりやすく

このデータビジュアライゼーションは、ビートルズのどのメンバーがどの曲を書いたかを示すものです。棒グラフはかなり適切ではあるものの、文字が多すぎるためアルバム名が途切れてしまい、このビジュアライゼーションの目的や楽しみがまったく失われてしまっています。




5.ダッシュボードのレイアウト

ダッシュボードの目的は、複数のビジュアライゼーションを通じて読み手の視線を導き、各インサイトのストーリーを伝え、それらのつながりを明らかにすることです。より良いダッシュボードデザインを多く活用するほど、何が起きているのか、何がなぜ一番重要なのかが、ユーザーに分かるようになります。ダッシュボード全体で、ユーザーの視線をどのように導いているかを考慮してください。ユーザーが次にどこを見ればいいかを示していますか。


ユーザーを導く

ビジュアライゼーションの使い方を指示せずに、ユーザーを放置しないでください。フィルターのタイトルを、操作方法を示す明確な言葉による指示に置き換えてみましょう。

ユーザーを導く

「3」のルール

多くの重要な情報を使って注意を引きつけることのないようにします。ほとんどの場合、1 つのダッシュボード上に 3 つ以上のビジュアライゼーションは多すぎます。

「3」のルール

ストーリーを伝える

複数のダッシュボードが必要な場合、またはプレゼンテーションの準備をしている場合は、別々のビジュアライゼーションをストーリーポイントでつなげます。データの持つストーリーを、互いに関連付けて作ったビジュアルで語り、特定のインサイトをハイライトしたり追加のコンテキストを与えたりして、すべてを 1 つのシームレスなプレゼンテーションにしましょう。PowerPoint に静止イメージを切り貼りするよりもはるかに効果的です。

ストーリーを伝える

ストーリーポイントで分かりやすく

このダッシュボードでは世界の経済成長および発展の度合いを示すインジケーターを紹介していますが、1 画面に 4 つのビジュアライゼーションが詰め込まれています。




こうしたストーリーポイントによって、各ビジュアライゼーションごとにインジケーターやインサイトをより系統立てて掘り下げることができます。ダッシュボードをクリックして、ストーリーポイントのアクションをご覧ください。


優れたビジュアライゼーションはデータの理解に役立つだけでなく、より意味のある答えをより速く提供し、しかも他のユーザーを刺激して新しい質問を呼び起こしそれに答えることができます。

毎日 1 つずつ、新しい素晴らしいデータビジュアライゼーションからヒントを得て、それを自分のものにしてください。今日の Viz をサブスクライブして、ビジュアライゼーションのベストプラクティスをもっと学びましょう。

ホワイトペーパーのダウンロード |