分析の価値は、質問への答えを導き出すのにかかる時間に反比例すると、Tableau では考えています。 考える問いが多ければ多いほど、良好な答えを得られる傾向があります。
Tableau 9.0 では、分析機能を強化するいくつかの機能を導入しました。 考えるのと同じ速さで分析するという私たちのビジョンを実現するためには、計算を見つけしやすくして作成を容易にし、より強力にすることが必要でした。 そのために、UI (ユーザーインターフェイス) を強化し、計算言語に新しい要素を導入しています。 そこで、この記事では以下の特徴について紹介することにします。
- アドホック分析 – 単純な計算を、迅速に入力できるようになりました。 シェルフ上の入力フィールドに計算式を直接入力できます。
- ドラッグ & ドロップ分析 – 使いたい分析機能を探すのが簡単になりました。 新しく追加されたアナリティクスペインには、リファレンスラインなどの分析機能が用意されており、ドラッグするだけで Viz (ビジュアライゼーション) に追加することができます。 知らなかった機能でも、簡単に見つけられるようになります。
- インスタント分析 – 傾向線やリファレンスラインなどの分析オブジェクトが、一部のデータだけをフィルタリングするとどう変化するかを簡単に見られるようになりました。 Viz 上でフィルタリングしたいマークを選択するだけで、母集団全体の内容と簡単に比較できるようになります。
- 新しくなった計算エディター – Viz の変化をリアルタイムで見ながら計算を修正したいと思ったことはありませんか? Tableau 9.0 の計算エディターなら、Viz へのアクセスが邪魔されないので、計算のテストが簡単に行えます。また、フィールドをドラッグ & ドロップして計算を作成することが可能になります。
- LOD 表現 - これは画期的な機能なので、改めて LOD 表現についてのブログ記事を掲載する予定です。ここでは、「アナリストにとって質問の幅を大きく広げる、新しい計算機能です」とだけお伝えしておきましょう。
Tableau 9.0 では、より簡単かつ高速にタスクを完了できるようになっただけではありません。LOD 表現が導入され、今までにはなかった新しい質問と分析を行えるようになります。 多くのお客様が新しい機能をスムーズに受け入れることができるのではないでしょうか。新機能のためのトレーニングは、ほぼ必要ありません。古いバージョンに戻りたいと思う人はおそらくいないと思います。
それでは、新しい機能の凄さを、実際の分析で見てみましょう。ここでは、Zillow 社のデータを使って住宅市場の分析を行います。
アドホック分析
計算の作成と編集が、フィールドで直接行えます。 この例では、マサチューセッツ州とニューヨーク州での賃貸料の差を求める計算式を、ドラッグ & ドロップで簡単に作成しています。 計算式で使用するフィールドは、直接入力してもドラッグ & ドロップしてもいいところに注目してください。 計算の作成も、オートコンプリートでますます簡単になっています。
シェルフの入力フィールドで計算を作成する新しい方法をご覧ください。 既存の計算を2つドラッグして、差を求める計算式を作成してています。
ドラッグ & ドロップ分析
よく使う分析機能がどこにあるかを探し回るのは 大変ではないですか? この問題を解決するために、[アナリティクス] タブを新しく追加し、さらに簡単に分析を行えるようにしました。深く考察を行う Viz を信じられないほど簡単に作ることができるようになっています。
上のアニメーションでは、最初に新しいアナリティクスペインを選択し、傾向線オブジェクトをドラッグしています。 次に、傾向線をキャンバスからドラッグして削除しています。
インスタント分析
シアトル、ニューヨークシティ、サンフランシスコの3都市と、その他の米国の地域での住宅の賃貸料と購入費の傾向を示す、このようなレポートを考えてみましょう。ただし、データの後ろ半分だけを含めた場合に傾向がどうなるかを調べたいとします。 簡単なドラッグだけで、傾向線がどうなるか見ることができます (主要な都市部で傾きが大きくなります)。 リファレンスライン、合計、その他の分析オブジェクトでもも、同様に機能します。
上の図で、新しく追加されたインスタント分析の機能をご覧ください。 マークを選択すると、選択されたデータを対象にした傾向線を分析オブジェクトが表示し、選択したグループと元の母集団を比較できます。
新しくなった計算エディター
次は、正と負の値で表示を変えたいとします。 これも、計算エディターの新機能によって簡単にできるようになりました。 見てお分かりかもしれませんが、このエディターは、モーダルウインドウではありません。つまり、計算エディターを開いていても、他の機能を使うことができるので、作業のフローをまったく邪魔しません。 フィールドや式をドラッグすれば、今までよりも速く計算を作成できます。 エディターを終了しなくても、[適用] を押せば、計算式の変更で Viz どのように変化するか確認することができます。
詳細レベル表現 (LOD 表現)
これは、用途を大きく広げる新機能です。紹介することが多くあるので、このブログシリーズ全体で触れていくことにします。 簡単に言うと、LOD 表現を使うと1つの Viz で複数レベルの集計を簡単に計算できます。そのため、コホート分析や集計の集計がいたって簡単になります。
次の例では、上位 10% の富裕層の所在を州ごとに示しています。 LOD 表現を使えば、州ごとに上位 10% の境界値を簡単に見つけて、その境界値を超えるデータの郵便番号まで絞り込むことができます。 表示するパーセンタイルは、パラメーターを使って調整できます。
詳細な情報
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